アウディのEVシリーズ「e-tron(イートロン)」。の第3弾、Q4 e-tronとQ4 スポーツバックe-tron。2022年の終わりに、東京某所にてアウディ Q4 e-tronとQ4 スポーツバックe-tronの試乗会が行われた。斎藤 聡氏の試乗レポートをお届け!
※本稿は2022年12月のものです。
文/斎藤 聡、写真/AUDI、ベストカー編集部 ほか、撮影/西尾タクト
初出/ベストカー2023年1月26日号
■アウディ初のコンパクトeSUVに斎藤聡氏が試乗!
アウディのEVシリーズ「e-tron(イートロン)」の第3弾、Q4e-tron、Q4スポーツバックe-tronの試乗会が行われ、Q4スポーツバックe-tronに試乗することができたので報告してみたいと思います。
アウディといえばクワトロ。4WDこそがアウディの真骨頂、なんて思っていました。まあ、FFモデルに乗ってもぶったまげるくらい走りはいいんですが……。
で、そのアウディから登場した今度のEVはなんとRR! リアモーター・リア駆動なんです。しかも走ってみたら乗り味がすこぶるいい。
快適性を期待する人にとってはちょっと引き締まった乗り味かもしれませんが、速度を上げるほどに乗り心地がフラットになっていくので、クルマの走りにスポーティなテイストを求める人にはバッチリ。
Qの名前のとおり、姿かたちはSUV。車高はちょっと高めですが、バッテリーをフロア下に配置しているのに加え、リアにモーターを搭載している(それ以外の制御系はフロント)ので重量バランスも良好。感覚的には50対50に限りなく近い感じです。
だから、まったく期待していなかったのですが(失礼)、コーナーでの身のこなしがとてもいい。
すっきりしたハンドルの手応えと素直なターンインの感覚、バランスのいいコーナリング中の姿勢、そして立ち上がりで後輪が路面を蹴って腰のあたりを押し込むようにグググッとくる加速感。アウディの作る後輪駆動車の楽しさは注目に値します。
■アウディらしいスマートかつスタイリッシュなデザイン
あまりにもクルマが楽しかったので、クルマのディテールを紹介するのが後回しになってしまいましたが、タイプは先にも触れたようにSUV。スポーツバックはリアハッチの傾斜がなだらかでスタイリッシュな装いになっています。
ボディサイズは全長4590×全幅1865×全高1615mm(試乗車=Q4スポーツバックe-tron)、ホイールベース2765mm。Q3スポーツバックとQ5スポーツバックのちょうど中間くらい。
気になるパワーは最高出力が203ps、最大トルクが31.6kgmありますから力強さは充分。パワーの出方は案外ジェントルで、ガツンと駆動トルクが出てこないところも好感が持てます。これは後輪駆動であることも関係しているのだろうと思います。
そして内燃機関のガソリンタンクに相当するバッテリー容量は82kWhと大容量。一充電走行距離もWLTCモード平均で576kmですから、かなり足の長いEVと言えると思います。
さらに加えると、現在アウディはオーナー向けに150kWの急速充電器を全国102店舗のe-tronディーラーに設置しています。ちなみに現在高速道路各所にある急速充電器はほとんど50kWクラス。これと比べると3分の1の時間で充電できるので、大容量のバッテリーを搭載しても充電時間は大幅に短くなります。
EVのよし悪し論はさておき、クルマとして面白く仕上がっているのを強く感じました。しかも価格が500~600万円台とかなりリーズナブルになっているのも魅力です。
●アウディ Q4 40 e-tron主要諸元
・全長:4590mm
・全幅:1860mm
・全高:1630mm
・ホイールベース:2765mm
・車両重量:2100kg
・最小回転半径:5.4m
・一充電走行距離(WLTC):576km
・最高出力:203ps
・最大トルク:31.6kgm
・車両本体価格:599万円~
●アウディ Q4 40スポーツバック e-tron主要諸元
・全長:4590mm
・全幅:1865mm
・全高:1615mm
・ホイールベース:2765mm
・車両重量:2100kg
・最小回転半径:5.4m
・一充電走行距離(WLTC):576km
・最高出力:203ps
・最大トルク:31.6kgm
・車両本体価格:688万円~
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