東京オートサロン2023で先行公開された、NISSAN GT-R 2024年モデルとNISSAN GT-R NISMO 2024年モデル。開発責任者の川口隆志CVE(チーフ・ビークル・エンジニア)によるGT-R 2024モデルの技術説明は、オートサロンの会場のノリには似合わない極真面目なトーンで、いい意味で「真面目で不器用な日産」を垣間みることができた。
GT-Rの2024モデルがどれほど進化したのかは、既に公開された記事を見ていただくとして、本稿ではそのプレゼンを見守っていた、一人のエンジニアへのインタビューで筆者が感じた、NISSAN GT-Rの今後を考えていこうと思う。筆者の大先輩でもあるそのエンジニアは、R35 GT-Rのシャシー開発を、2007年のGT-Rデビュー前から実際に担当してきた、生粋のGT-Rエンジニアだ。
文:吉川賢一
写真:NISSAN
目立つ存在ではないが、GT-Rを誰よりも知るエンジニア
インタビューに答えてくれたそのエンジニア(仮に「M氏」としよう)は、日産のスポーツカーに憧れて日産に入社した方だ。2007モデルのGT-R開発の初期段階からプロジェクトへ参加し、元日産で現ジャーナリストの水野和敏氏のもと、シャシー開発を担当。以降、立場や担当を変えながらも、ずっとGT-Rイヤーモデル開発を担当してきた、「GT-R一筋」の方だ。
テストドライバーや開発責任者(田村宏志CPSや川口隆志CVE)のように、目立つ存在ではない。矢面に立つことは殆どないが、GT-R関連のメディア発表や試乗会の場には必ず参加し、イベントのバックアップやフォローをする立場にある。現在は、主にサスペンションなどのシャシー設計チームや走行実験チームの主担を兼任しており、ニュルブルクリンクや日本国内の走行試験を元に、足回りのセッティングを考える要職だ。余談になるが、足回りのセッティングを最終決定するのはテストドライバーだが、そのセッティングの候補を用意するのは彼のようなエンジニアの役割。テストドライバーと同等以上に、GT-Rの走行性能を熟知していないと不可能な仕事だ。
コメント
コメントの使い方フルモデルチェンジに近い大改修とか、終活とか言うけど、いまのモデルで15年売っとるんやで…
GTR好きだし速いのは分かるけど、さすがに飽きてくるから、いい加減モデルチェンジしようよ。