ブラジル大使館に突き刺さるように停まる”ブラジル移動販売車”。
このトラックは、いすゞフォワードマックス(11tトラック)で、シコタさんの愛車だ。
5.2ℓディーゼルターボで、大量のブラジル商品を余裕で運ぶ。トラック内は大型冷蔵庫、冷凍庫完備。
どうも。古いファンなら懐かしいでしょう。昭和のリングを沸かせたババ・ブラジルです。得意技はヘッドバットで、あの力道山を苦しめました。
東京の港区、そこにあるブラジル大使館前になにやらカラフルなトラックがよく停まっていると聞きつけ、「ブラジルと耳にしちゃ、同名のよしみで気になる」と本日やってきたのです。
おお~っ、あれですね! 色とりどりのアイスクリームが並ぶ広告写真などでラッピングされた11tトラックが、黄色の壁が目立つ派手な外装のブラジル大使館にズドンと突き刺さるように停まっています。私、ババ・ブラジル、この様子を目の当たりにしただけで、サンバのリズムでズンドコズンドコ踊りたくなりました。
いったい、このトラックは何なのか? とおそるおそるリアゲートのほうへ近づいてみると、中から「オブリガード」「♯◎□♪◎▲♪♯……」と聞き慣れない会話が聞こえてくるではないですか。そして中を見ると、食品や雑貨などがズラリと並んでいるのです。どうやら移動販売車のようです。
「そう。ブラジルの食品や食材、日用品などを売っている〝ブラジル移動販売車〟ダネ。 ここで販売すれば、東京にいるブラジル人や南米の人が集まり、彼らお客サンも喜んでくれるので毎週木曜日の2時半頃から1時間、ブラジル大使館前で販売しているというわけダヨ」
笑顔でこう話してくれたのは、運転手兼移動販売車の店主、アントニオ・シコタさん(右)。
在日26年の日系ブラジル人で、人口の約1割が日系ブラジル人という群馬県大泉町からトラックできているそうです。
そして、中に入ると、そこはブラジル。陳列棚に菓子類、肉類、総菜、雑貨などブラジルのものをひと通り揃えられる品揃えになっており、8割がブラジル直輸入品とのこと。
「牛肉は日本産やオーストラリア産をブラジル料理を作りやすいようにカット。豚と鶏は冷凍のブラジル産ダヨ」とシコタさん。
総菜コーナーにあるコシーニャ(ブラジルのコロッケ)もおいしそう。また、ジュース1缶95円、焼きチキンの総菜が490円、総菜パンの詰め合わせが740円と価格はリーズナブル。私も3時のおやつにチュロス(3本で250円)を買っちゃいました。
そうこうしているうちに、大使館員や近所に住む南米の人、日本人などが続々買い物にやってきて、トラック内は大混雑(常連客が多いみたい)。熱気ムンムンのなかポルトガル語が飛び交います。この中にテレビがあれば、ブラジル気分でサッカーW杯を熱く観戦できたのに、とふと思いました。
それにしてもブラジル人のお客さんたちは会話好き。シコタさんも話しながらレジ打ちをしているので、なかなかお客がはけない(笑)。ま、こういう部分で、ブラジル気分に浸れるわけですが……。
多い時は50人ほどのお客さんがくる、周辺では名物的存在の〝ブラジル移動販売車〟。サッカーW杯の余韻冷めやらぬ今の時期こそ訪ねてほしい店。そしてシコタさんとの会話も楽しんでほしいです。
牛肉は日本産などをブラジル流にカットして販売。菓子類や化粧品なども。
常連客のブラジル人を激写!!「毎週木曜日には必ず買いにくるワ」と左の女性。2人とも陽気です
★駐日ブラジル大使館 東京都港区北青山2-11
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