2023年6月5日に突如世界初公開された新型レクサスLBXはレクサスSUVのエントリーモデルとして新設定されたヤリスクロスのレクサス版だ。そのLBXが日本の公道を走っている姿が捉えられた。すでに写真は発表済みとはいえ、もう日本でカモフラージュなしで走らせるとは……。
文/ベストカーWeb、写真/レクサス、LBX公道走行写真/写真提供:Twitter ID@WangGang9999)
■サイズは小さいのに高級=コンパクトラグジュアリーという発想
2023年6月5日に世界初公開された新型レクサスLBX。発表時点で日本発売は2023年秋以降とされ、発売まで半年以上先なのに、写真(プロトタイプと謳っているが)はほぼ市販型といえるもので、エンジンやインテリアの概要も明らかにされた。
そして世界初公開からわずか10日あまり、今度はなんと東京での走行シーンが捉えられたのである。しかもカモフラージュなし! 日本の道路にも馴染んでいる気がする。
このレクサスLBXは、ヤリスクロスをベースに、レクサスが提案した「コンパクトラグジュアリー」で、車名のLBXは「Lexus Breakthrough X(cross)-over」という略語。サイズが小さいと、インテリアの高級感が乏しかったり、静粛性が低かったりと、価格が安いので仕方がないが、どうしても安っぽいところがあった。それをブレイクスルー(打破)したのがLBXというわけだ。
エクステリアもヤリスクロスがベース車だとは想像できないほどで、フロント回りの造形はRXのスピンドルボディとも違う。この新たな造形は、ユニファイドスピンドルと呼ばれ、スピンドル形状を低い位置に配置されるラジエーターまで上下に圧縮しつつ、フードとバンパー間のスリットが左右ヘッドランプにつながっている。
18インチタイヤを収めるために拡大されたフェンダーは、四角い形状のヤリスクロスとは違い円形となっており、樹脂製フェンダーが取り付けられている。
それにしてもえぐられたドアやグラマラスなフェンダーの膨らみ、Cピラーの造形、そしてリアテールランプ、LEXUSのエンブレムが取り付けられたリアゲートやバンパーなど、ヤリスクロスと同じところはほぼ同じところがないといっていいほどのこだわりぶりはさすがレクサス!
発表されたLBXのボディサイズは、全長4190×全幅1825×全高1560mmと、全長4180×全幅1765×全高1590mmのヤリスクロスに比べると、全長が10mm長く、全幅が60mmワイド、全高が30mm低い。全長はわずかに大きくなった程度だが全幅1825mmというのが気になる。
インテリアを見ると12.3インチのフル液晶メーターや、内装色、シート素材、刺繍パターンなど約33万通りの組み合わせから自由に選べるオーダーメイドシステム「ビスポークビルド」など、サイズのヒエラルキーを超えた上質さを誇っている。
ダッシュボードの下部からドアの内張りまで統一された、ステッチ入りのアルカンターラやレザーインテリアなど、欧州製ミドルSUVと比べても遜色がない。
さらに音や振動の発生源を抑制する源流対策にこだわり、高い静粛性を持つなど、このクルマもレクサスであると実感いただけるよう徹底的に作り込んでいるという。
パワートレインは、1.5L、直3ハイブリッドが採用され、M15A-FXE型+バイポーラ型ニッケル水素電池が組み合わせされる。駆動方式はFFとE-Four。
最近のクルマはサイズばかり大きくなって(特に全幅)選ぶクルマがない、と悩む日本人が多いのではないだろうか。コンパクトなクルマはあるにはあるが、いいおじさんなのでいまさら安っぽいインテリアのクルマは選ぶ気がしない……。
コンパクトラグジュアリーといえば、筆者がかつてのルノーサンクバカラ、最近だとノートオーラがそれにあたるだろうか。
コンパクトなサイズで、上級クラス並みの上質感という、いままでありそうでなかったコンパクトラグジュアリーSUVのLBX。ヤリスクロス以上に売れそうだ。
LBXはどんな走りなのか、開発者のコメントをみると、相当期待してもよさそうだ。
「ドアを閉めた瞬間から感じるクラスを超えた上質さ、走り出せばアクセル操作に忠実で小気味よく応答する加速性能、軽快に取り廻せる快適なドライビングポジションと視界性能、グイグイとアクセルで曲がり、カーブを爽快に駆け抜ける旋回特性など、コンパクトでありながらもラグジュアリーの条件である重厚な上質さを感じつつ、クルマ本来の操る喜びに満たされるよう、乗る人が思わず笑顔になれるようなLBXがもたらすレクサスらしさをご体感いただけると信じています」。
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