今年も軽登録台数トップを爆走中の、ホンダ「N-BOX」。登録車含めた販売台数でも1位となるなど、もはや日本の国民車といってもよい一台だ。
そのN-BOXも、2017年8月の登場から既に6年目へ突入しており、2023年内にもフルモデルチェンジとのウワサがある。パワーアップして登場するはずの新型を待つのもよいのだが、新型となると、値上げもあり得るし、受注が殺到することから納車待ちも長くなることが考えられるため、新型登場まえに熟成された従来型を購入しておくというのも大アリだ。はたしてN-BOXは、いま買ったほうがいいのか、それとも新型の登場を待ったほうがよいのか??
文:吉川賢一
写真:HONDA、NISSAN
訴求ポイントがてんこ盛り!! 欠点が見当たらない従来型
徹底的な低床パッケージング、驚くほど広い後席、高品質なインテリア、全車標準装備したホンダセンシングなど、訴求ポイントがてんこ盛りの現行N-BOX。走りの質感の高さも、軽の平均的なレベルを遥かに超えており、フィットやフリードなどのコンパクトカー並の満足感と安心感が得られる。デザインに関しても、スペーシア、タント、ルークスと比べて古さを感じることはない(むしろプレーンなところがいい味を出している)。
ベースグレードでも税込150万円もする価格の高さはネックだが、先進技術てんこ盛りでも200万円ほどで収まると考えれば、むしろコスパがいいともいえる。2023年6月上旬時点での納期は、(地域差はあるようだが)4~7か月ほどとのことで、半導体不足による納期遅れの状況からは脱しつつあるようだ。
次期型ではBEVも!! ただ登場は1~2年遅れるのでは??
現行型がもつ、パッケージングのよさインテリアの質感、高い走行性能と快適性といった強みは、もちろん、次期型になっても引き継がれていくことだろう(迷走しがちなデザインは不安だが)。次期型の最大のホットポイントは、電動パワートレインの登場だ。
従来型のパワートレインは、NAエンジンとターボエンジンの2基のみで、電動化については、マイルドハイブリッドすら設定をしていない。その理由は、(ハイブリッド化せずとも)他社の軽スーパーハイトワゴンと燃費の面で戦える水準にいたこと、無駄なコストアップを避けたかったこと、日本専売の軽モデルに電動ユニットを投資しても薄利であると判断しているなど、いくつか考えうるが、次期型ではなんらかの電動ユニットの搭載があるはず。
ホンダは、N-BOXの兄弟車である「N-VAN」のバッテリーEVを、2024年より販売する計画を発表している。また、つい先日には、N-ONEベースのバッテリーEV(以下、BEV)を、2025年ごろリリースする旨も発表している。これらを考慮すれば、次期型N-BOXにもBEVが用意されるのは間違いない。
ただ、その導入時期は、少し後になるだろう。タイミング的には、この「N-ONE EV(仮)」よりも、次期N-BOXのほうが先に登場する予定だが、フルモデルチェンジの周期や政府などのカーボンニュートラルに向けた目標などを考えれば、まず、2023年(もしくは2024年初頭)にガソリン車とターボ車のフルモデルチェンジをしたうえで、数年後に「N-BOX EV(仮)」追加するのではないか、と筆者は考えている。絶対王者N-BOXに失敗は許されない。ホンダはまず、N-ONEベースのBEVで市場の様子見をするはずだ。
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