2023年7月27日(木)に「トヨタのEV戦争」なる本が発売された。世界的に進んでいるクルマの電動化に対して日本はもとよりトヨタはどう戦うのか!? をベストカー本誌でお馴染み。そして自動車業界随一のアナリスト中西孝樹氏がホンキで書き下ろしたのだ。これさえ読めばこれからの動き丸わかりです!!
■ケタ違いの情報量!! トヨタの戦略を徹底解説
2023年7月27日、中西孝樹氏が書き下ろした本『トヨタのEV戦争』が発売開始となります。
中西孝樹氏は自動車業界No.1アナリストとして有名で、ベストカー本誌の26日号月イチ連載「一流分析」の筆者でもある方。
そんな人が本気で書いた本だから、情報量がケタ違い。これを読めば、世界のEV覇権争いがどうなっているのか、トヨタはどう戦おうとしているのか、そして、近未来のクルマはどう進化していくのかなど、すべてがわかっちゃいます。
本の中から印象的な一節を紹介しましょう。
現時点でEVにシフトしたからといって、脱炭素が実現できるものではない。(中略)ハイブリッド車をはじめ、プラグインハイブリッド車、燃料電池車等の技術をバランスよく普及させようという主張は合理性の高い考え方なのである。
豊田章男のいう「敵は炭素、内燃機関ではない」は全くの正論である。
しかし、本書ではこういったEVの是非論にはページを割かなかった。それはむなしいからだ。
CO2を減らせる、減らせないにかかわらず、欧・米・中はEVを推進するパワーポリティックを振りかざしている。これに正論をぶつけて何が得られるだろうか。
EVは環境によろしくないといってただ慎重論を主張しても、日本の自動車産業は電池を持たないプレーヤーとなり、滅ぶ未来が待つだけではないか。
そうなのです。トヨタ(日本)が主張し、推進するマルチパスウェイ(全方位)戦略は正しいのです。
EVよりハイブリッド車のほうがCO2削減に貢献する局面は確かにあるし、そもそも世界中のクルマがEVオンリーになる可能性は極めて低い。
それでも……です。欧米中が自国の有利になるよう独自のルールを作りあげ、EVの覇権を奪おうとしている今、その戦いに背を向けることは「敗北」を意味するのです。
独自のルールを作れるほどの市場も資金も資源も政治力もない日本の場合、独自の価値と魅力でユーザーに選ばれ、買ってもらうクルマを作るしか方法がないわけです。
過去のその最たる成功例がトヨタのハイブリッド車です。マルチパスウェイ戦略はこのEV戦争に勝ってから。それが世界の現実になってしまっているのです。
だからトヨタは新たに「BEVファクトリー」を立ち上げ、驚くべきスピードでEVの新技術、新素材、新製法などを次々に発表しているのです。
ハタから見ていると、5年分の進化を1年でやってしまおうとしているように思えるほど。ついにトヨタが腹を括ったというわけです。
『トヨタのEV戦争』は、そのすべてがわかる本。それだけでなく、SDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)を中心とする次世代車の解説にも多くのページを割いているなど、とにかく情報が満載です。定価1980円(税込)。ぜひ、ご一読ください!
[著者] 中西孝樹(なかにし・たかき)
1962年生まれ。オレゴン大学卒。山一證券、メリルリンチ証券等を経由し、JPモルガン証券東京支店株式調査部長、アライアンス・バーンスタインのグロース株式調査部長を歴任。現在は、ナカニシ自動車産業リサーチ代表アナリスト。1994年以来一貫して自動車産業調査に従事し、日経金融新聞・日経ヴェリタス人気アナリストランキング自動車・自動車部品部門、米国Institutional Investor自動車部門ともに2004年から6年連続で第1位の不動の地位を保った。2013年に独立しナカニシ自動車産業リサーチを設立。「CASE革命2030年の自動車産業」「自動車新常態(ニューノーマル)CASE/MaaSの新たな覇者」(いずれも日経新聞出版社)など著書多数。
[商品概要]
『トヨタのEV戦争』(著者:中西孝樹)
定価:本体1800円(税別) 発売日:2023年7月27日
判型:四六判/ページ数:352ページ
ISBN 978-4-06-533025-8
発行所:講談社ビーシー/講談社
コメント
コメントの使い方この本買いたくありませんが、一言。トヨタの発表したEV関連技術。一朝一夕ではないことをまず言っておきます。1996年にテスラと共同でRAV4EV発表したり、それ以前から電池について研究してます。FCVについてもH2吸着合金開発など30年前からですそれが少しづつ形になり始めたということ