2023年4月に開催された上海モーターショー。その上海ショーをはじめ南京や北京を駆け足で訪れたベストカーWeb編集部員が現地の模様をレポート。最新のクルマ事情はもちろん、他のさまざまな事情についても調査!!
※本稿は2023年6月のものです
文・写真/ベストカーWeb・渡邉龍生
初出:『ベストカー』2023年7月10日号
■最新とノスタルジーが混在のカオス? 中国のモータリゼーション
まずは、熱気に包まれた中国の現在のモータリゼーションについて。上海や北京などの街中を走行中にやたらと目についたのがテスラモデル3などの最新EVだ。
2022年いっぱいで中国政府からのNEV(新エネルギー自動車)補助金はすでに打ち切られているのだが、さすがにこのあたりはBEV大国。日本でも販売を開始したBYDのモデルも頻繁に見かけることに。
こうした最新EVたちが跋扈するなかで電動の3輪バイクなども多く疾走している。なんだか1960~1970年代の日本国内を思わせるノスタルジックな風景のなかを最新BEVが走り抜けるという不思議な光景が見られたのは、まだまだ発展途上の熱気を感じられた部分だったのかも。
■なんでもかんでもデジタルかよ!? ショッピングセンターでEV購入?
続いては上海や南京、北京を訪れて改めて感じた中国でのスマホの使い方だ。例えば、高速道路。日本だとETCカードを装着してETCレーンをくぐるワケだが、中国ではすべてがスマホで決済するようになっている。自販機やSA・PAでの飲食店での決済も同じで、現金を使うことがほぼない。
さらに驚いたのが世界的に有名なHUAWEI(ファーウェイ)のショップを訪れた時のこと。
ショップ内には同社のスマホが並べられているのだが、そのすぐ横にそのスマホと連動したシステムを組み込んだEVが展示販売されているのだ。そのEVもファーウェイと関連する中国企業が製作したEVで、スマホとEVを同時に購入して持ち帰ることも可能だとか。
■すでにスマホ連動では日本を凌駕!? 最新中国デジタル生活!
最後にお伝えしたいのは、中国でのデジタル事情だ。スマホによる決済が発達しまくっていることは先ほどお伝えしたのだが、中国ではタクシーを呼ぶのにもスマホアプリ「DiDi」(滴滴)と呼ばれるアプリだけでOKなのだ。
このアプリを使うことで呼び出しから行先の指定、降車時の支払いまでを電子決済可能。しかもその料金は日本でのタクシーよりも格段に安い。中国市民たちのアシとして発達しているのも納得だ。
また、北京市郊外の駐車場内でクルマの撮影をしている際に重宝したのが食事のデリバリーアプリ。食事をする場所にわざわざ移動しなくても電動バイクに乗った配達員がスマホでの位置を確認して食事をデリバリーしてくれる。
ウーバーイーツのようなものだが、「美団外売」「ウーラマ」「百度外売」の3つが大手で、世界中で展開されるファストフードのKFCで2度ほど注文し、その便利さとお手軽さは癖になりそうだった。
最後は中国車各車に通じるエンタメ性。移動時に中国車に乗っていた際に痛感したが、助手席にも後席にも巨大なワイドディスプレイが備え付けられており、アプリマーケット標準採用による動画視聴や音楽視聴、カラオケ機能で飽きさせない。クルマ自体のスマホ化では日本を凌駕している。
コメント
コメントの使い方ネットでの自動車購入は危ないと思います。試乗やディーラーさんとの関係など、大きいうえ人を殺せる機械なのでその辺大事にしたいです。中国車だけでなく、国産車もこれは同じことです。ネット購入は選択肢として、現場購入も残してほしいです。