おばさんセダンという言葉をご存じだろうか? 高齢女性をターゲットに作られたクルマのことで、奇しくも小型セダンで揃っていた。どれもアンバランスな見た目なのだがなぜそうなってしまったのか解明していこう!
※本稿は2023年6月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年7月26日号
■きみは「おばさんセダン」を知っているか!?
おばさんセダンとは、おっさんセダンの対語。威圧感のないルックスを持つ小型セダンで、その多くが、コンパクトハッチにトランクを足してセダン化したモデルである。かつて高齢女性の足として人気があったので、こう呼ばれる。
コンパクトハッチをセダン化すると、その時点でバランスが崩れ、イケてないデザインになる。
昔の小型車は、セダンとハッチバックの販売比率が近かったので、セダン的なバランスも考慮してデザインされていたが、21世紀以降は小型セダンの需要が激減し、日陰の存在に。結果、おばさんセダンはB級デザインへの特急券となった。
たとえばヴィッツをベースに作られたプラッツは、そのマメマメしいルックスがブサカワだった。タイ工場製のフィットアリアは、初代フィットにトランクを付け足した風情が、アジアの屋台を感じさせた。
ブルーバードシルフィは、おばさんセダンには珍しいセダンベース車。フォルムはしっかりしているが、顔がB級だった。そしてラティオ。主に中華市場向けのモデルだが、中国ではこれがウケるのか? どぼじでどぼじで? 中国人の味覚は我々よりたくましいということか!?
■A級デザインの小型セダンを探せ!
B級デザインだらけの小型セダン界にあって、3年前まで、A級と呼べる5ナンバー小型セダンが存在した。その名はホンダ グレイス。3代目フィットベースだが、デザインは別物。直線基調の端正なデザインは、どこかBMW3シリーズを思わせる質感があり、カーマニアも胸を張って乗れた。
【画像ギャラリー】こりゃA級デザインを探したほうが早いよ!! ジャンル全体がほぼB級デザイン(?)な小型セダン(23枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方海外専売車種の話をして申し訳ないのですが、スイフトのセダン”ディザイア”っての導入したらある程度売れそうな気がします。コンパクトな最新セダンで走り・デザインともによく(おそらく)そう高価くもないはずですし。ハイブリッドもあるし…。
カッコいいコンパクトセダンと言えば、ベルタもよかった。
ただ、リアの居住性とかはプラッツだったのかなとも思う。
乗ったことないけど。
どこまでがコンパクトセダンかという問題はあるけど、
キアのK3-チェントロシリーズは現行も先代もカッコいい!
スズキSX4セダンもなかなか愛らしいブサカワセダンでしたよね。ただSX4(Sports X-over 4wheel)のセダンって、名前はちょっと変。4WDもなかったですし。あとは大きいですけどエリオセダンもありましたね。
当該記事のトップ写真はマイチェン後ですよね。マイチェン前の強烈に不細工なフロントの方が記事の趣旨に合うかと。
しかし、当時ピンク色のプラッツの運転席にうら若き女性が乗ってるのを見ましたが、多分親父がHBは危ないからトランクの付いた方に無理やりさせたのだと想像します。哀しくて直視出来なかったです。