ミライースターボが全日本ラリーの第3戦「YUHOラリー飛鳥」に出場。ラリチャレに全日本とラリー浸りの毎日だが、ミライースターボはどんどん速くなり、楽しさは増すばかり。なんとか早く市販されるよう、これからもラリーを続けていくつもりだ。
文:国沢光宏/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ガチな走りも足としても優秀なの控えめに言って最高じゃね!?!? (7枚)画像ギャラリー500kmの移動も快適! そして燃費もいい軽の「GTカー」なのだ
ミライースターボのマニュアル車の市販はいつ頃になるか聞かれるようになってきた。なるほど常識的に考えたら私が一番情報を持っていそうである(笑)。
ミライースのラリー車、デビューは昨年3月だから1年少々経つ。今年のオートサロンにも出展された。私は昨年の全日本ラリー最終戦から4戦連続で出場しており、すんごく楽しいと盛大にアピールしちゃっています!
実際、もうみんなに乗って貰いたいくらい面白い! 奈良県天理市を中心とした全日本ラリーの第3戦「ラリー飛鳥」に出場。
フィニッシュ後、17時に奈良を出て東京の自宅まで約500km、(予算がないため往復自走です)クルコンもないフルバケットシートのラリー仕様のまんま1回のトイレ休憩を挟んだだけで帰ってきた。
思った以上に快適なドライブだった。直進安定性が素晴らしく、エンジンだって気持ちいい。燃費も16.8㎞/Lと素敵な「GTカー」と素性のよさを再確認。
加えて全日本ラリーは3戦連続で内容がよくなってきたこともあり、さまざまなことを聞かれたり、ウワサされるようになってきた。一番多いのは前述の通り「いつ売り始めるのか?」というもの。話を聞くと異口同音「ラリーの裾野を広げるのはこういうクルマが一番ですよね!」。
その通りだと思う。そもそも日本は軽自動車の保有率が41%もある。半分近く軽自動車だ。
今まで全日本ラリーでまともに走れる軽自動車はなかったため、コペンが出場していたくらい。4枚ドアではN-ONEのみターボ&マニュアルをラインナップするけれど、重心が高いためだろう、レースを見ると100台以上ロールオーバー(横転)している。
フラット路面のサーキットと違い条件の悪い一般道を使うラリーだと少しばかり心配。やはり、コペンとミライースくらいしかないのかもしれない。そもそも軽自動車のスポーツモデルって希少です。
お金をかけずにヤリスの1.5L、6MT車に迫る速さが見えてきた
長い前置きになった。全日本第3戦「YUHO Rally 飛鳥」はどうだったか? 何よりロケーションが素敵過ぎる! 京都もいいけれど、日本人からすれば「まほろば」の奈良でしょう!
明日香村の石舞台古墳の横を通過。卑弥呼の墓とも言われる箸墓古墳、飛鳥寺、キトラ古墳、葛で有名な吉野や素麺の三輪などを通過するなど、長いリエゾンながらワクワクしっぱなし。
天気は1日目土砂降りだったが、予想以上にグリップする路面で(万全とは言えないまでも道の補修をしっかりやってくれていた)リタイアしたクルマは案外少なかった。
なにより沿道で手を振ってくれる人の多さに驚く! 山奥の村でもお年寄りたちが(私もお年寄りですけど何か!?)手を振ってくれる。今回32年ぶりに復活したラリー飛鳥ながら、全日本の軸になるイベントへと育ちそうな気がする。
リザルトを書くと、たまたま私よりいいタイムを出せなかった人もいるため自粛しよう。ただ左足ブレーキを使いタービンの回転数落とさないよう、3500~6000回転のトルクバンドをしっかり使えば、全日本ラリーのJN-5クラス(ヤリスの1500ccマニュアル)中段の背中が見えるくらいのポテンシャルを持つことが何となくわかってきた。ラリー入門車としては文句なしだと思う。
最後に笑い話を。私のミライース、ダイハツから大きくバックアップを受けていると思われている。確かにサービスをしてもらっているが、DGR(トヨタGRのダイハツ版)のメカニック育成のためだったりする。
したがって、スペアパーツの余裕はない。今回荒れた路面でホイールを1本曲げてしまったけれど、昨年から4戦ずっと5本で戦っています。つまりスペアホイール1本だけ。全日本じゃ最低10本用意するのが一般的です。
そのほかダンパーやアーム類、ヘッドライト、ドアミラーといった予備なし。タイヤだってヨコハマタイヤのアドバン・ネオバ5本で4戦戦っている。
全日本ラリーに出場しているクルマの中でダントツにお金がかかっていない。それでいて今回も65台中50位(早くも自粛撤回です)という上々のリザルトを残せた。何より楽しさは本格的なラリー車と変わらない。私がラリー関係者なら「いつ買えるようになるのよ?」聞きたくなるってモンだ。
結論から書くと、まだ決まっていないらしい。DーSPORTでロールケージやサスペンション、ターボ&マニュアルキット、専用ECUを出してくれれば、ラリーショップはもちろん、ラリーチャレンジ車両のようにディーラーでも組むことができる。
ダイハツが「やりましょう!」と言えばすぐにでも可能。したがってまだ決まってないけれど、GOさえ出ればパーツは揃っているので、すぐ買えるようになります。
次回の『モントレー2025』は予算不足でお休み。なんせ全日本はエントリー費だけで30万円近くかかりますから。最終戦の『ハイランドマスターズ』は出場予定。そのほかラリーチャレンジにラリー初参加のジャーナリストさんたちをコ・ドライバーとして起用し参戦する予定。
スポンサー募集中なので「軽自動車を盛り上げるためにバックアップしてあげるよ!」という人はベストカーWeb塩川編集長まで連絡お願いします。
コメント
コメントの使い方そもそもヤリスが速いですからね。NDロードスターやサーキット仕様DJデミオに勝つくらいですから。
そんなヤリスに対して優位に立てるミライースターボ。昔、性能いいスポーツカー相手にしてもなお、勝つことあったスターレットターボみたいですね