かつて、トヨタ・クラウンの不文律とされていた「全幅1800mm」という数字。大小さまざまな日本の道路で、運転しやすいクルマのサイズ感を示したこの数字は、大きな意味を持っている。今回は、あえて全幅1800mm以内にこだわりを持ち、なおかつ走りが上々なクルマたちを紹介していく。
文/佐々木亘、写真/MAZDA、SUZUKI、HONDA
■人馬一体の操作感 MAZDA3ファストバック
スポーツハッチバックをファストバックと呼ぶマツダ。流麗なデザインもさることながら、走りにも磨きがかかっている。
大排気量にあふれるパワーというクルマではないが、運転席に座った瞬間に「あぁ、コイツは走れるヤツだ」と感じられるのだ。
ヒップポイントの低いシートに体を預ければ、ステアリング・ペダル・シフトが自然に操作できる位置へ体が収まる感覚は、マツダならでは。
ローポジションになっても、車両全体の見切りは悪くなく、クルマとドライバーの一体感が出てくるのが良いところだ。
ペダルを踏む、ステアリングを切るという動作に対して、滑らかにクルマが反応する。ピーキー過ぎず、遅れすぎないちょうどいい操作感は、走りを楽しむ上で重要な要素だ。
ハイパフォーマンスカーに多いのが「クルマに乗せられている感」なのだが、マツダ3はドライバーが「クルマを自在に操作している」と強く感じられる。
サーキットのようなクローズドコースに行かなくても、日常の法定速度内で走りを楽しめるのが、このクルマのいいところだ。
数値には表れない感性に訴えかける走りの良さは、マツダ3ファストバックでしか味わえない。
■小さくても走りは超一流 スズキ・スイフト
走りの良さならスイフトスポーツでは?と思う人も多いと思うが、今回はあえてノーマルバージョンを取り上げたい。
筆者も過去にはスイフトオーナーだった。筆者が乗っていたのは2代目スイフト(ZC11S型)で、こちらも走りのいいクルマだったが、現行型の4代目は比較にならないほど進化している。
ボディサイズは5ナンバーサイズ。つまり全幅は1695mmと最高に取り回しのしやすいサイズだ。心臓部には直列4気筒の1.2Lエンジンか直列3気筒の1Lターボが載る。
エンジンは決して高回転まで回りたがるものではないが、踏めばしっかり回り切り、何より日常域でアクセルを踏み切れる爽快感がたまらない。
スイフトの特徴は、ボディ剛性の高さとステアリングの手ごたえの大きさにあるだろう。
載せているエンジンパワーを余裕で受け止め、段差や深いコーナリングでもボディが変にたわむことはない。剛性たっぷりのボディがサスペンションをよく動かし、コーナーを曲がるたびに気持ちがいいのだ。
スイフトスポーツを選ばなくとも、走りの良さは感じられる。上級グレードでも200万円以下で手に入り、走りの良さに加えて、経済性にも富んだ一台だ。
コメント
コメントの使い方自動車メディアではスイスポ!の方は盛んに持ち上げられていて、
ノーマルはあまり取り上げられないのが・・・(´・ω・`)
初めてのクルマに3代目(ZC72S)RSを5MTで乗っていますが、
街乗り、高速、峠道まで上手にこなしてくれます。
巷では蚊帳の外ですが、私の大切なパートナーです。
クセがなく素直なので、運転が上手くなりたい人にはイイですよ!