日本初の国民車は「スバル360」!! アイサイト初搭載「レガシィ」も……スバル創立70周年の傑作名車たち

日本初の国民車は「スバル360」!! アイサイト初搭載「レガシィ」も……スバル創立70周年の傑作名車たち

 創立70周年を迎えたスバル。航空機をルーツとするスバル車の歴史には独創性に富んだモデルが多かったが、今回はそのなかでも傑作と名高い選りすぐりたちをご紹介!!

※本稿は2023年8月のものです
文/片岡英明、大音安弘、写真/ベストカー編集部、SUBARU
初出:『ベストカー』2023年9月10日号

■航空機の思想を乗用車に

1958年3月に送り出された進歩的な軽乗用車が、今も名車として語り継がれているスバル360だ。航空機技術を用いた軽量で高剛性のモノコックボディを採用
1958年3月に送り出された進歩的な軽乗用車が、今も名車として語り継がれているスバル360だ。航空機技術を用いた軽量で高剛性のモノコックボディを採用

 多くの人が知るように「SUBARU」は航空機メーカーを母体に誕生した。中島知久平が飛行機研究所を創設したのは1917年だ。社名を中島飛行機製作所に変え、戦後は平和産業へと転換。バスや鉄道車両などのボディを組み立て、スクーターのラビットなども生産した。

 その後、財閥解体の対象となったが、1953年(昭和28年)夏に旧中島飛行機グループは再編成を行い、5社を統合する形で富士重工業が誕生する。プレアデス星団の六連星をモチーフにしたスバルのエンブレムは、この絆を表すとともに業界を統べる企業に、という熱い思いを込めたものだ。

 最初の作品はモノコック構造の進歩的なセダン、すばる1500(P-1)だが、不発に終わっている。これに続く意欲作が軽乗用車のスバル360だ。軽量で高剛性のモノコックボディを採用し、大人4名が座れる絶妙なパッケージングも賞賛された。

 空冷2サイクル2気筒エンジンをリアに積み、サスペンションはトーションバーを使った4輪独立懸架だ。航空機メーカーが母体だから安全性にも強くこだわった。スバル360は第一次軽自動車ブームをけん引し、商用車のカスタムやトラックのサンバーなどの傑作も生み出している。

時代を先取りしたFF方式のファミリーカーがスバル1000(1966年)だ。日本初の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載し、フラットフロアも自慢だった
時代を先取りしたFF方式のファミリーカーがスバル1000(1966年)だ。日本初の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載し、フラットフロアも自慢だった

 悲願だった小型車クラスのファミリーカーを送り出すのは1966年春だ。時代に先駆けて前輪駆動のFF方式を採用したスバル1000である。パワートレーンは重心が低く、トランスミッションを一体化できる水平対向4気筒を選んだ。サスペンションは、操縦安定性に優れ、快適な4輪独立懸架にこだわった。

レオーネ4WD。FF車として登場したが、1972年9月に画期的な乗用4WDのエステートバン4WDを投入。ミッション後方にプロペラシャフトを加えたパートタイム4WD
レオーネ4WD。FF車として登場したが、1972年9月に画期的な乗用4WDのエステートバン4WDを投入。ミッション後方にプロペラシャフトを加えたパートタイム4WD

 1971年に後継のレオーネが誕生し、1972年9月には画期的な乗用4WDのエステートバン4WDを送り出す。縦置きミッションの後方にプロペラシャフトを加えたパートタイム4WDで、1975年にはセダンにも4WDを設定している。

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