まずは下の写真を見てほしい。なんともレトロでキュートなエクステリアを持った三輪車スタイルのクルマなのだが、これは北欧エストニアのスタートアップ企業、「Nobe」が、今回のジュネーブショー(2019年3月)に出展したEVなのだ。
※本稿は2019年3月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月26日号
■コンセプトは「都市向けのコミュータ」
正式名は「Nobe 100」といい、かつての三輪マイクロカー、イソイセッタをモチーフにEV化した「マイクロリーノ」をよりスタイリッシュにしたようなエクステリアデザインを持つ。
この「Nobe 100」、全長などのボディサイズについては公表されていないものの、3000mm以内におさまる全長のようだ(参考までに、軽のマツダ・キャロルが3395mm、日本のEV 三菱i-MiEVが3395mmから3480mm。ヴェルファイアは4935mm)。
コンセプトは「都市向けのコミュータ(「小旅客機」的な意味合いだろうか)」で、スイス時計のように普遍的に長く使えるデザインを目指したという。
一度この車体を購入すれば、アップグレードしながら長く使い続ける構想で作られたというが、クラシックカーのようなデザインは確かにクルマ好きの琴線に触れそうな感じだ。
■小型・軽量、86/BRZよりも速い加速
2+2のシートを持ち、その小型のボディを活かして車重は約590kgと超軽量(キャロルが610kg、i-MiEVが実は1100kg)。
最高速こそ110km/hながら、0-100km/h加速は約5.9秒と、なかなかの俊足ぶりを誇る。これ実は86/BRZの6.8秒を軽く凌駕してしまう数字だ。
航続距離は約220km(日産リーフのe+(イープラス)が458km)。追加で最高速130km/hまで出る「GTグレード」も出るんだとか。
バッテリーはエストニア製で、ふたつ搭載されており、ひとつ目はエンジン駆動用のメインバッテリー、そしてふたつ目はライトや空調、通信用などのサブバッテリーとして機能する。
また、モーターが三輪各々に装備されているため、標準で全輪駆動するのもポイントだ。
ちなみに、現在もNobe社はクラウドファンディングで資金を調達しており、早ければ来年にも市販にこぎつけられるという。
こちらのクラウドファンディングでは生産開始から最初の10台を10万クローナ(約125万円以上)の出資で購入可能になり、5万クローナ(約62万5000円)の出資で初期ロット100台までの購入権を得ることができるそう。
EVの新しいカタチとしての「軽量・コンパクトな三輪車」。厳しい環境規制が進む欧州にあって台風の目になるのか? 今後も注目していきたい。
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