11月5日まで東京ビッグサイトを会場に開催されている東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショー2023。新型車やコンセプトカーが多く展示される同イベントにあって、今から50年ほど前の初代ハイエースがトヨタ車体のブースに展示されていた。
文・画像/ベストカーWeb編集部
■ハイエースの歴史はここから始まった
1967年に登場した初代ハイエースは、当時のトヨエーストラックの小型版として2月に登場。そして同年10月には現在でもおなじみのワンボックスボディを持つワゴンモデルが追加となった。
今から50年以上前のモデルでありながら、トラックとバン、ワゴンにコミューターとワイドバリエーションを誇っていたハイエースだが、製造・架装は当時からトヨタ車体が担当していた。
今回のトヨタ車体ブースに展示されたバン(同社では商用バンからミニバンまでを総称してバンと呼んでいるとのこと)の過去(初代ハイエース)と現在(ヴェルファイア スぺーシャスラウンジ コンセプト)、そして未来(グローバル ハイエース BEVコンセプト/X-VAN ギアコンセプト)を一同に会する展示ということで、初代ハイエースが並べられたとのことだ。
なお、今回展示された初代ハイエースは、2017年11月に今はなきメガウェブで開催された、ハイエース50周年イベントの際に初代から現行モデルまで、全モデルを展示する際にレストアされた個体とのこと。
■いつかは自走状態まで……ハイエースのレストアで技術力アップに
しかしそれから6年近くの時が流れ、再び痛みが見られたために、今回のイベント展示に合わせて再度補修作業がなされたそうだ。
この初代ハイエースのレストアについては、トヨタ車体内部での技術伝承もひとつのテーマとなっていたそうで、同社のベテラン従業員と若手従業員がタッグを組んで作業を実施しており、若手作業員にとっては当時を知る良い経験となったようだ。
ただ初代ハイエースについては、当時の詳細な資料や図面などが社内に全て残っていたワケではなかったそうで、実際に初代ハイエースを現在も所有するユーザーや旧車イベントなどに足を運んで情報収集をするなど、一筋縄では行かなかった。
ベースとなった車体もトヨタ車体が保有していたものではなく、レストアを実施するにあたって一般ユーザーが保有していた放置車両を譲り受けたものとなっており、ボディの腐食な内装の痛みなども激しいものだったとのこと。
そのため、現在もまだ自走ができる状態まではレストアが進んでいないということだが、ゆくゆくは自走できる状態まで持っていき、ナンバーを取得するという目標があるそう。
奇しくも今回のベースとなった車両が9人乗りの乗用ワゴンモデルだったことも、登録へのハードルを下げる一因となっていることは間違いなく、近い将来、自走する雄姿を見られることを期待したいところだ。
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