ときどき、自転車や原付が高速道路に進入してしまったというニュースを耳にする。なんでそんなミスが起きるのか調べてみたら、意外な原因が判明した。うっかり誰にでも起こり得ることだけに、ぜひ頭に入れておこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/首都高速道路株式会社(トビラ写真も含む)
■誤進入が一番多い年代は20代!
そもそも高速道路を自転車などで走ってはいけないのかだが、高速自動車国道法という法律の第17条にこう書かれている。
「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、または高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」
さらに道路法の48条には、「道路が混みあったり能率的な運行に支障があるときは、自動車だけが走れる道路を指定することができる(一部要約)」という「自動車専用道」の規定もある。
というわけで自転車や原付、徒歩などで高速道路や自動車専用道に立ち入ってはいけないわけだが、国土交通省の調べによると、昨年度、こうした手段で「誤進入」してしまった件数は3828件あり、過去2番目に多かったという。10年前に比べると、ほぼ1300件の増加だ。
その細かい内容だが、まず年代。高齢者が多いのでは? と思うかもしれないが、実は20代が975件で突出している。次いで70代の455件、30代の454件と続く。
発生場所だが、インターチェンジが3023件で圧倒的。ただし本線上(167件)やサービスエリア(97件)などで逆走してしまったというケースも一定数存在した。
■スマホのナビアプリの設定に注意!
なんで誤進入が増えているのか。ここで首都高速道路(株)が興味深い結果を発表している。
首都高速では、年間400件程度の誤進入が起きているのだが、そのうちのおよそ6割は、スマホのナビアプリの誤設定が原因だったというのだ。
自分が自転車や原付に乗っているのに、ナビアプリはクルマの設定になっている。これを頼りにルート探索をすれば、当然高速道路や自動車専用道も考慮に入れてルートを案内する。これを信じて走ってしまい、誤進入を起こしてしまうというわけだ。
誤進入は過去には不幸な事故も起こしている。2023年9月25日は、自転車に乗っていた外国人が首都高速に誤進入、横浜の金港ジャンクション付近で乗用車と衝突し、死亡してしまった。
原付に乗っている、あるいは自転車でサイクリングに出かけるという人は、もう一度、自分のスマホのナビアプリを確認してほしい。高速道路や有料道路を回避したルートを選ぶことは当然なのだが、自動車専用道(125cc以下は通行不可)は回避してくれないことが多いので注意が必要だ。
また東京都心でいえば、山手通りや甲州街道の一部陸橋部分、昭和通りのアンダーパス部分などは自転車はもちろん原付も通行不可となっている。ナビアプリだけを頼りにせず、周囲の標識などにも気を配るなど、自らの身を守る行動をとりたい。
【画像ギャラリー】誤進入でヒヤっとしないためにこれをチェック!(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方