数あるトヨタのSUVのなかにおいても、特に人気の高い「カローラクロス」。2023年10月にはデビュー以来初の大改良が行われ、さらに人気に拍車がかかる見込みだ。
そんなカローラクロスだが、業者向けオートオークションでは、2年落ちの2021年式ハイブリッドモデルが、新車時の価格に近い300万円超で取引されるなど、中古車の相場がかなり高い傾向にある。中古車相場が高いということは、下取り価格も高くなるということ。もちろん人気車はどれもその傾向があるが、2年落ちでも新車並みの価格というのはかなり珍しい。なぜこのようなことになっているのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
もともとコスパのいいカローラクロス
トヨタ「カローラクロス」のデビュー当時の価格は、エントリーモデルであるガソリンG「X」(2WD)で税込199万円(※)。ハイブリッドでも259万円(G、2WD、※)から購入でき、最上級となるハイブリッドZ(2WD)でも300万円をきる299万円(※)と、カローラクロスは、ハリアーやRAV4に近いボディサイズでありながら、それらよりも30~50万円も安く、コスパが抜群に高いクルマだ(※後述するが、現在は価格が改定され、少し値上がりしている)。
もちろん近年のトヨタ車らしく、走りのよさや運転のしやすさも素晴らしく、内装も(贅沢をいわなければ)十分に満足いくクオリティ。満足感が得られて、買い得感も高い。「お薦めのSUVは何か?」と問われれば、カローラクロスは必ず候補に挙げるクルマだ。
しかしながら、不運にもデビューが2021年9月と、コロナ禍真っただ中に登場したことで、少し前までは1年以上という長い納車待ちが発生してしまっていた。そのためか、カローラクロスは、いまでも中古の国内需要が高い傾向にあるのは確かなのだが、カローラクロスの中古車相場が高騰している理由は、ほかにある。
コメント
コメントの使い方