その補修スピードが海外でも話題になった日本の高速道路。多くの人が日本の高速道路は走り心地がよいものと考えているが、実はそうでもない。ご存知清水草一氏が実際に利用してみて選んだ日本最悪の高速道路と最高の高速道路を発表する!!
※本稿は2023年11月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、Adobe Stock(アイキャッチ画像:KoZ@Adobe Stock)
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
■日本で特に乗り心地が悪い高速道路は?
日本の高速道路の中で、特に乗り心地が悪い路線は、具体的にはどこか?
首都圏では、中央道の神奈川県内と山梨県内が一番厳しい。中央道は山間部を縫って走るため、切土と橋の連続で、ジョイントの数が半端じゃない。
路線が古く老朽化も進んでいるため、ジョイント前後に段差が付いている。補修もされているが、補修そのものにも段差がある。
山梨県内に入り甲府盆地に出ると、今度は長い盛り土区間が続くが、ここは不等沈下が激しく、カーブは少ないが路面はかなりボコボコだ。中央道は、乗り心地の悪い日本の高速道路の見本市といえる。
■西日本には事故多発の「魔のカーブ」が?
西日本ではやはり名神だろう。名神の岐阜県内のデルタ地帯は超絶軟弱地盤で、高速道路創世記、大いに建設に苦労した区間だ。無数にある橋を渡るたびにジョイントがあり、前後の盛り土は不等沈下している。
関ケ原から西はきついカーブが増える。ドイツから招いたアウトバーンの専門家の助言に従って、なるべくトンネルを掘らずに地形に沿ってルートを取った結果だ。
岐阜・滋賀県境の今須では事故が多発して「魔のカーブ」と呼ばれ、トンネルが掘り直されたが、滋賀県内にはきついカーブが多数残っている。日本最初の高速道路だけに路盤の痛みもかなり激しい。
そして中国道。山陽道の開通により、中国道の山間部は交通量が極端に減少しており、私も近年ほとんど走る機会がないが、山口県内の山陽道と合流してからの区間でも、カーブのキツさや路面の荒れ具合はかなりのものだ。
カーブがきつくても、路面が平滑ならそれほどつらくはないが、横Gがかかった状態で縦Gが加わると、クルマが大きく揺すられて不安定になる。トラックやミニバンなど重心の高いクルマは特に注意が必要だ。これがワースト3路線だろう。
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