花見台自動車はジャパンモビリティショー2025に荷台接地型スライド車載車「セフテーローダ・グライドⅣ」を出品した。2022年の試作車発表以来、年々アップデートをしている同車両だが、最新バージョンではどのような進化を遂げたのか? 実車をレポートしてきました。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
セフテーローダ・グライドⅣとは?
自動車ディーラーからロードサービス事業者まで、幅広いジャンルで活躍している荷台スライド式1台積み車両運搬車(スライド車載車)。花見台自動車はそのパイオニアで、同社の看板製品「セフテーローダ」はその代名詞というべき存在だ。
セフテーローダ・グライドは、1998年に登場した荷台接地型スライド車載車で、荷台を完全に地面に接地させることで荷台傾斜角2度を実現。99年に油圧機構を改良し、05年にメカ部分の見直しを図るなど改良を重ね、24年に現行の4型(グライドⅣ)にモデルチェンジしている。
4型は従来の車載専用型よりもリアオーバーハングが短い一般型で荷台傾斜角2度を実現しているのが特徴で、リアゲートレスの荷台仕様や、自動車以外のさまざまな積荷に対応する床仕様などが特徴。
なお車載専用型とは、自動車以外積めない荷台構造とする代わりにリアオーバーハングの長さをホイールベースの2/3未満まで認められているクルマ。一般型は自動車以外も運べるが、リアオーバーハングは同1/2未満までしか認められない。
4型は、リアオーバーハングが長い車載専用型ユーザーからの「リアオーバーハングが短く、運転がしやすい一般型でも荷台傾斜角2度のクルマがほしい」という要望に応えて開発されたもの。22年にプロトタイプを発表、24年に市販モデルを発表しているが、その後も細かい改良を重ねている。
ジャパンモビリティショー2025に登場した4型の最新バージョン
今回ジャパンモビリティショー2025に出品されたのは4型の最新バージョン。リアゲートレス、サイドアオリレスは従来モデルと同じ。汎用性が高い縞鋼板張りの床にタイヤ固縛用エアラインレールを装備する点も従来モデルと共通だ。
床下のスライド機構も基本的には従来モデルと同じだが、スライド時の安定性を高めるため搭載していたアジャストローラーが、従来の接地後に格納する仕組みから、接地後も接地したままに変更された。これは乗り込み時の安定性を高めるためという。
また、スライドをサポートする荷台後端の樹脂製ローラーも5個から10個に倍増。従来よりも幅広い路面状況に対応できるようになったほか、軽量化のためリアフェンダーが鉄製から樹脂製に変更されるなど、細かな改良が施されている。
このほか展示車両には新オプション装備となるオリジン製可搬型EV充放電器「POCHA V2V(Portable Charger Vehicle to Vehicle)」と可搬型EVバッテリー「POCHA LiB」を装備していた。
POCHA V2Vは電気自動車(EV)の電欠時に使用するもので、電欠したEVに電欠していないEVから余剰電力を供給する際にコネクタとして使うもの。可搬型バッテリーであるPOCHA LiBと組み合わせれば、車載車などディーゼル車でもEVに充電ができるようになる。
15分の充電で約15km分の給電ができ、レッカー車での移動より素早く復旧可能ということから、近年ロードサービス事業者で搭載例が増えているという。メーカーとしてオプション設定するのは今回が初ということ。搭載は専用の収納ケースに格納される。
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