1月13日、ダカールラリー2024はサウジアラビアの首都リヤドで中間休息日を迎えた。
日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組のHINO600シリーズは、ここまで小さなトラブルはあるものの、ほぼ快調に走り、累積順位はトラック部門の8位。前半戦の最大の難所「エンプティクオーター」から中間休息日までのチームの軌跡を追った。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車
最大の難所「エンプティクオーター」に挑む
1月10日の第5ステージはアル・ホフフ~シャバイタ。シャバイタのビバーク周辺で118kmのSS(競技区間)が行なわれ、いよいよ最大の難所であるルブ・アルハリ砂漠でのステージに突入した。日野チームスガワラのHINO600シリーズは得意の砂丘で調子を上げ、SSを今大会初のシングルフィニッシュとなるトラック部門7位でゴール。この日までの累積順位、部門11位をキープした。
サウジアラビアの南部に広がる同地域は柔らかい砂の砂丘が無数に連なり「エンプティクオーター」とも呼ばれる。ダカールがサウジで開催されるようになってからは毎回ハイライト的なむずかしいステージが設定され、大きな順位変動を生んできた。
この日はアル・ホフフからUAEとの国境沿いに508kmの長いリエゾン(移動区間)でシャバイタまで移動したあと、ビバーク地の周囲を左回りに巡る前哨戦的なショートステージだったが、内容は厳しく、20km過ぎからゴールまで砂丘やショット(塩湖)が続いた。
菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組のが乗り組むHINO600シリーズは前後デフの減速比を高めたことで副変速機のローレンジを使える車速域が高くなり、砂丘越えの車速と必要駆動力にマッチしたことで快走。15番手でスタートしたあと砂丘が始まるとぐんぐんポジションを上げ、パンクやスタックもなく無事7位でゴールした。
前半戦の最終ステージとなる11日からの2日間は同地で新たな試み「48hクロノ」が実施される。メカニックによる整備やサポートなしに2つのステージを走り切る従来のマラソンステージを進化させたもので、1つのステージを2日間かけて走破する。
1日目は1カ所のビバークではなくコース上に合計7カ所(うち2カ所はループ状コースのために共通)の「ブレーキングゾーン」(簡易ビバーク)が設けられ、ゾーンごとに決められた時間(午後3時半~5時)を過ぎると参加者はそこで止められ、簡易ビバークで宿泊する。
2日目の朝は同地から再スタートしてゴールを目指す仕組みだ。2日間をサービスなしで走るのはこれまでと変わらず、日野チームは車両を万全の状態で送り出すべく、シャバイタのビバークで朝まで点検整備を行なった。