2月13日、トヨタとダイハツは、認証不正問題を受けて再発防止策の徹底と今後の再生に向けた取り組みを発表した。そのなかで、クルマユーザーにとって重大な発表があった。その中身とは?
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ダイハツ
■ダイハツは軽自動車メインメーカーになる!
2月13日、15時より行われたトヨタ自動車佐藤恒治社長と、ダイハツの新社長となる井上雅宏氏が登壇した記者会見。
既報のとおり、ダイハツの松林淳会長、奥平総一郎社長が退任し、トヨタの中南米本部長井上雅宏氏がダイハツ新社長に就任することを発表。
取締役副社長にレクサスインターナショナル・レクサス電動化推進PJT担当(チーフプロジェクトリーダー)兼トヨタ自動車九州取締役副社長の桑田正規氏が就任。法規・認証のスペシャリストであるトヨタ自動車カスタマーファースト推進本部副本部長の柳景子氏が取締役(非常勤)に就任した。
今後新たな新体制のもと、トヨタとダイハツが1チームとなって立て直しを計っていく方針だが、会見のなかで気になる2つの重要事項があった。
1つは「ダイハツは軽自動車主体、海外生産はトヨタからの委託とする。将来的にはラストワンマイルを視野に入れたモビリティカンパニーを目指す」というもの。
佐藤恒治社長は、登録車について「事業は継続するものの、将来的には長期目線で考えていく」と補足した。
本サイトの独自取材では登録車が将来的に廃止される可能性も少なからずあると聞いている。シャレードやブーンなど伝統のあるダイハツのリッターカーの歴史が途絶える可能性が出てきた。
■ダイハツが主導で動いていた軽商用EVバンは撤退か!?
2つめは、2021年4月に設立された電動商用車を生産・販売する共同出資会社・コマーシャルジャパンパートナーシップテクノロジー(CJPT)からダイハツが脱退したことだ。
このCJPTは、トヨタ自動車や日野自動車、いすゞ自動車、スズキ、ダイハツが参画していたが、2022年8月に日野自動車の除名に続く、ダイハツの脱退となる。
発表された具体的な内容については、共同企画契約等すべての契約からダイハツが脱退するとともに、ダイハツがCJPTへ出資している株式(10%)をトヨタに譲渡し、昨年タイに設立した新会社「コマーシャルジャパンパートナーテクノロジーアジア)についても同様の対応を行うという。
動向が注目されていたトヨタ、ダイハツ、スズキの3社で共同開発し、ダイハツがトヨタ、スズキにOEM供給する軽商用EVバンについては、引き続きダイハツがその一役を担うと明らかにされた。
この軽商用EVバン2023年度の発売を目指していたが、ダイハツの認証不正を受け、発売は2024年中に延期。
今回の発表では、「お客様にご迷惑をおかけすることがないよう、スズキ株式会社、トヨタと連携し、ダイハツもその役割を担ってまいります」とコメント。
すでにダイハツハイゼットカーゴベースの軽商用EVとしてプロトタイプが発表済みなので、計画自体は変わらず、ダイハツの生産・販売および、トヨタ、スズキへOEM供給が行われるだろう。
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