トヨタのプリウス、そして新スタンダードを狙うカローラスポーツ、さらに日産のノートe-POWER。日本のお家芸たるハイブリッドカー3台。今秋の「東京モーターショー2019」では次世代のe-POWERも登場するのでは? という見方もあり、今後も期待がかかる。
さて、この3台を、V40、ゴルフSTIトレンドライン、up!といった、「世界基準」のクルマたちと比べてみるとどうなのか?
「日本のお家芸」だけにここは負けてほしくないところだが、残念ながらそこだけがクルマを選ぶ基準ではない。しかしハイブリッドだけではない日本車ならではの良いところもたくさんある。果たして。
※本稿は2019年5月のものです
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月26日号
■トヨタ プリウス vs ボルボ V40
●トヨタ プリウス(価格:251万8560~347万8680円)
VS
●ボルボ V40(価格:299万~459万円)
プリウスのデザインをカッコ悪いと思わないのなら(カローラスポーツのハイブリッドでもいい)、V40と比較すると大いに悩ましい。価格ほとんど同じ。
燃費の差とV40がハイオクを使うためランニングコストが2倍くらい違うけれど、年間走行距離の短い人ならあまり気にならないレベルかと。
いや、V40なら燃費いいディーゼルというチョイスもあり、動力性能が圧倒的に高い。ナニを隠そう私もV40を買った際、ホンの少しだけプリウスも考えた。
結果、クルマとしての魅力を考えたらすべてV40が上だと判断した次第。V40はモデル末期というハンデを背負うも、そのぶんだけ販売条件も上がってきた。V40の勝ちです。
■判定:V40の勝ち…ランニングコストは劣るが魅力では負けない
■トヨタ カローラスポーツ vs VW ゴルフTSIトレンドライン
●トヨタ カローラスポーツ(価格:213万8400~268万9200)
VS
●VW ゴルフTSIトレンドライン(価格:253万9000~352万9000円)
ゴルフもV40と同じくモデル末期である。間もなく新型がデビューする予定。クルマの完成度として考えたら、ゴルフに軍配を上げておく。室内だって広いし。
ボディの作り込みや、1.2L直噴ターボの回転フィール&実用燃費は素晴らしい。対するカローラスポーツのパワーユニット、燃費良いけれど個性という点で物足りない。
ただ自動ブレーキ性能はお話にならないくらい違う。ゴルフの自動ブレーキ、公的な試験データなく、何km/hで止まれるのかまったくわからない。
カローラスポーツの性能は夜間の歩行者に対するブレーキも行っているなど世界トップクラス。この点だけでもゴルフを推奨する気になれません。
またカローラには、さまざまなポテンシャル持つコネクテッドも付いてます。
■判定:この対決、引き分け…完成度ならゴルフ、自動ブレーキならカローラ。
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