コミューターとしての実用性とランニングコスト低減を両立させるために開発された「AXIS Z」は、空冷BLUE COREエンジンを搭載し、車両重量は100kgと軽量に抑えられている。2017年から国内販売され、2022年にBLUE COREエンジンを最新の排出ガス規制に適合させている。
文:小川浩康 写真:コイズミユウコ Webikeプラス
規制対応でトルクとパワーを向上し、装備も充実
54.6km/Lというヤマハ125ccスクーターでトップの燃費性能を実現して2017年に登場したアクシスZ。2022年にさらに厳格化された排出ガス規制に適合したことで燃費は51.9km/Lとなったが、クラストップは堅持。むしろBLUE COREエンジンは高効率燃焼とロス低減を追求したことで、8.2PS/6500rpm→8.3PS/7000rpm、0.99kgf・m/5000rpm→1.00kgf・m/5000rpmとパワー・トルクともに向上している。静粛にエンジン始動できるSMG(Smart Motor Generator)、リヤブレーキ操作でフロントブレーキも連動するUBS(Unified Brake System)を採用し、フロントポケット、コンビニフック、容量37.5Lのシート下収納と装備も充実している。
AXIS Zの足着き性をチェック!
スムーズな加速に不足感なし!
スタンドを払うために車体を起こすだけで、アクシスZの車重の軽さを実感できる。走行時はジェネレーターとして発電し、始動時はクランクシャフトを直接回転させるSMG装備のおかげで、セルスイッチ一押しで静粛にエンジンは目覚める。
アイドリングで不快な振動のない空冷BLUE COREエンジンは、圧倒されるようなパワーやトルクは感じないものの、軽い車体を振動もなくスムーズに加速させる。交通量の多い幹線道路の流れにも余裕を持って乗れる加速力を実現している。
前後10インチホイールと小径なこともあって、舗装状態のよくない路面ではフロントサスからコツコツとした衝撃が手に伝わってきた。しかし、フレームが軽い車体をしっかりと支えているおかげで、スピードを上げていってもハンドリングはフラフラせず、むしろ車体には安定感が出て、よりフラットな乗り心地になるように感じられた。
スペック上のパワーとトルクは必要充分といった感じだが、実際に走行してみると全域でスロットル操作にツキのよさが感じられる。さらに、軽い車体はライダーの操作にダイレクトに反応し、ハンドリングも正確なので、街中の走りにもスポーティさが感じられて楽しい。
軽い取りまわしが行動範囲を広げる
小径ホイールは路面からの影響を受けやすい反面、小回りのしやすさになっている。それはバイクから降りた際の取り回しやすさにもなっていて、コンパクトで軽い車体は押し引きもラクで狭い路地でのUターンもしやすい。
車体はコンパクトだがライディングポジションに窮屈さはない。ただ、タンデムシート部が高くなっているのでお尻を後ろに移動させにくく、ずっと同じポジションに座りがちになる。短時間では気にならないが、長時間では窮屈さを感じるかもしれない。しかし、ライダーの着座位置自体はマシンコントロールしやすいポジションが決まり、それがライダーに走る楽しさを感じさせ、押し引きの軽い車体は路地を探訪してみようという気にもさせてくれる。アクシスZはコミューターとして使いやすく、走りの軽快さもかなりいい。
スペック【2023年型ヤマハAXIS Z主要諸元】
・全長×全幅×全高:1790×685×1145mm
・ホイールベース:1275mm
・車重:100kg
・エンジン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒124cc
・最高出力:8.3PS/7000rpm
・最大トルク:1.00kgf・m/5000rpm
・燃料タンク容量:5.5L
・変速機:Vベルト式無段/オートマチック
・ブレーキ:F=ディスク、R=リーディングトレーリングドラム
・タイヤ:F=100/90-10、R=100/90-10
・価格:28万500円
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/360247/
とにかく軽いアクシスZ。走りも軽快で楽しい!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=360247
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