2023年、欧州市場でもっとも売れたクルマは、テスラの「モデルY」だった。欧州以外のメーカーが当地販売台数1位の座を獲得するのは史上初、しかもバッテリーEVが獲得したことは話題になったが、日本車の売れ行きはどうだったのか?? 2023年に欧州で売れた日本車ベスト5をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA、NISSAN
欧州で売れている日本車第5位:トヨタ「C-HR」(約10万3000台、総合30位)
徹底的に細部までこだわった斬新なクーペデザインと、コンパクトで扱いやすいボディで人気のトヨタ「C-HR」。残念ながら、日本では初代モデルのみで2023年7月に生産終了となったが、2023年には、欧州をはじめ海外で販売される2代目へとフルモデルチェンジとなり、引き続き人気となっている。
2代目は、新型プリウスやクラウンスポーツなどと共通の「ハンマーヘッド」のフロントフェイスや、20インチタイヤ、バイトーンカラーの設定など、初代と比べてもさらに「攻めた」デザインに。パワートレインも1.8Lと2.0Lのハイブリッド、2.0Lエンジンベースのプラグインハイブリッドと、すべてハイブリッドとなったほか、工場が排出するCO2を削減して生産段階から環境負荷低減を図るなど、欧州市場への攻勢をさらに強めたモデルとなっている。
欧州で売れている日本車第4位:トヨタ「カローラ」(約13万台、総合22位)
2018年に登場した現行型のトヨタ「カローラ」。セダンやハッチバック、ステーションワゴンなどさまざまなボディタイプが用意されているのが特徴だ。欧州ではカローラツーリングスポーツ(日本名カローラツーリング。ただボディサイズは拡大されている)をよく見かける。
外観は、台形の大型ロアグリルに横一文字形状とスリットを組み合わせたスポーティなフロントフェイスで、カローラハッチバック(日本名カローラスポーツ)やカローラツーリングスポーツも、先代に比べて若々しくスタイリッシュなデザインとなった。TNGAプラットフォームの採用により、欧州で求められるしっかりとしたハンドリング性能にも対応していることに加えて、パッケージングもよく、ハイブリッドの燃費性能も優れていることが人気の理由だろう。
欧州で売れている日本車第3位:日産「キャシュカイ」(約14万5000台、総合19位)
日本ではかつて「デュアリス」の名前で販売されていたコンパクトSUVである日産「キャッシュカイ」。現行型は2021年に登場した3代目で、サイズもデザインもエクストレイルの弟分、というポジションのモデルだ。
歴代モデルから引き継いだ塊感のあるボディに、日産の新しいデザイン言語が採用されたシャープなフロントマスクが印象的な現行型キャッシュカイ。ボディサイズは全長4,425mm×全幅1,848mm×全高1,625mmで、日本のクルマでいえば、カローラクロスに近いサイズ感だ。
パワートレインには新開発の1.3L直噴ターボのマイルドハイブリッドモデルのほか、欧州初となるe-POWERも用意。e-POWERシステムは、エクストレイルと同様にVCターボ(可変圧縮比エンジン)を発電専用とするもので、欧州の高速走行にも耐えうる発電能力と、振動の少ない滑らかさも魅力となっている。
コメント
コメントの使い方