2024年3月に発売を開始したホンダ WR-V。現行型ヴェゼルで選択肢が減ったノーマルエンジン車のグレードを補填するように投入されたが、ヴェゼルのガソリン車や他社のライバルと比較し、あえてWR-Vを選びたくなるポイントはどこなのか!?
※本稿は2024年3月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/HONDA
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
■コンパクトSUVとして総合的な満足度は?
ヴェゼルは現行型になって、ノーマルエンジン車のグレードを減らした。ハイブリッドが中心になって売れ筋価格帯が高まったことで先代ヴェゼルのノーマルエンジン車の代わりにWR-Vを投入している。価格は約210万~250万円。全長と全幅はヴェゼルと同等だが、全高は70mmほど高く荷物が積みやすい。
後席の足元空間もヴェゼルと同様に広く4名で快適に移動できる。パーキングブレーキがレバー式でクルーズコントロールも全車速追従ではないが、実用装備を充実させて価格が210万円以下のXを筆頭に買い得度は高い。実用重視のユーザーに適している。
■ヴェゼルのガソリン車と迷ったらどっちが買い?
ノーマルエンジンのヴェゼルGは、今は受注を止めている。とはいえ、WR-Vと重複する機能が多いから比較する。
内装はヴェゼルが上質で居住性は互角だ。荷室容量はWR-Vが大きい。シートアレンジは、燃料タンクを前席の下に搭載するヴェゼルが多彩で、後席の座面を持ち上げて背の高い荷物も積める。パーキングブレーキはヴェゼルが電動式で、クルーズコントロールも全車速追従だ。
装備はWR-VのZとヴェゼルのGで比べると、前者にはアルミホイールや荷室のカバーなどが備わる。荷室と装備はWR-Vが勝り、走りのメカニズムと質感はヴェゼルが上まわる。
■ヤリスクロス、CX-3のガソリン車と比較して優れている点は?
車内はWR-Vが広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、WR-Vが握りコブシ2つ半、ヤリスクロスとCX-3は1つ半に留まる。後席の座り心地も、WR-Vはボリューム感が伴って快適だ。
荷室容量はWR-Vが458L、ヤリスクロスは390L、CX-3は350Lだから荷物も積みやすい。
WR-Vの動力性能は高くないが、4気筒でもあり、ノイズは耳障りに感じない。乗り心地は時速40km以下では少し硬いが、ライバル2車に比べて粗さは抑えた。都会的な雰囲気は希薄だが、実用性が高くファミリーカーとしても満足できる。
●WR-V(Z)主要諸元
・全長×全幅×全高:4325×1790×1650mm
・ホイールベース:2650mm
・車両重量:1230kg
・エンジン:直4DOHC
・排気量:1496cc
・最高出力:118ps/6600rpm
・最大トルク:14.5kgm/4300rpm
・トランスミッション:CVT
・WLTCモード燃費:16.2km/L
・価格:234万9600円
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