JAAA(日本自動車鑑定協会)が認める査定士の資格保持者によって発行される中古車の鑑定書。内外装のキズや傷みがコンディションシートによって細かくチェックされるのはもちろん、「修復歴」のある・なしに係わる骨格部分の状態までしっかりレポートされる
正面衝突によってフロント部分が大きく破損したクルマの一例。バンパーやボンネットなどに加え、骨格であるフレームまでダメージを負っている可能性が高く、仮に修理ができたとしても「修復歴あり」として査定では事故車扱いとなる
前方不注意のクルマによる後方からの追突。ボディが凹んでいるだけのように見えても、リアのフロアやサイドメンバーに歪みが出てる可能性がある
衝突によるボディの凹みや傷など、安全性に係わる骨格部分に当たらない箇所であれば、仮に修理をしても「修復歴」にはカウントされず中古市場では事故車とはならない。とはいえその後のサビなどダメージが広がる可能性あるため、下取りを考えているなら早めの対処が必要だ
ここ最近では、ほとんどの中古車販売店で「修復歴」のある・なしがはっきりと明示されており、ネットや店頭でチェックすることができる。修復した個所などの詳細についても商談時にはしっかりと確認をしておこう(xiaosan@Adobe Stock)
鑑定書に加え、中古車の状態を知るのに欠かせないのが、12カ月点検や24カ月点検などの履歴を記した整備記録簿だ。これが見れば、前オーナーがそのクルマをどのように扱っていたかもある程度推測することができる。整備記録簿がないクルマはできれば避けたい
「修復歴あり」のクルマ以上にヤバいのが、水害などで水に浸かった「水没車」だ。販売時に告知の義務がなく、素人には見分けが難しいのが難点。車内やエアコン稼働時に送風口から異常なほどのカビ臭さを感じるようなら「水没車」を疑ったほうがいいだろう
「水没車」を見分ける方法として、素人にも比較的判断がしやすいのがシートベルトだ。目一杯まで引き出し、通常は引き込まれている箇所に水に浸った線のような跡がないかをチェックする
ボディのキズや凹みは、それによってマイナスされる査定額が修理費と釣り合わないことがあるため、場合によってはそのまま放置したほうがいいケースも。下手なDIYでの修理はかえって査定額を下げる原因にもなるので、やらないほうが無難だ