4月から施行された「働き方改革関連法」によって、トラックドライバーが苦境に立たされています。
本来、トラックドライバーを守るための法案であるべきなのに、反対にトラックドライバーを追い詰めるとは、何をかいわんやでしょう。
現場の実情や当事者であるドライバーの声がなおざりにされたまま、見切り発車された2024問題の現状を4トンドライバーの愛嘉さんに報告してもらいました。
文/4トンドライバー愛嘉さん、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真AC(トビラ写真)
2024年3月発行「フルロード」第52号より
「2024年問題」運送業界の事情さまざま
「2024年問題」を初めて聞いたときは「随分先の話だな~」なんてのんきに思っていたのですが、実施まで本当にあっという間でした。
私の会社でもミーティングなどの議題に上がりましたが、私個人の意見としては、運送業界やドライバーのことをまったく理解していないなと思ってしまいます。
最近では注文した商品が次の日、または当日に届くのが当たり前になっています。それはたくさんの人の働きによって成り立っているわけですが、その中には昼夜を問わずに走り、物流を動かし続けている人がいます。「送料無料」や「当日配達」など、サービスを向上するほど運送業界の負担が増え、疲弊していくだけです。
運賃は下がるいっぽうなのに、高速道路の料金や燃料代は上がるばかりで、給料は上がらない。「荷物は今日・明日届けて! でも働く時間は短くして」。2024年問題は、私にはこんなふうに言われているように感じます。
私の会社では長距離を走るドライバーも多いのですが、確実に今までより稼げなくなると嘆いています。高速道路の深夜割は現在では0~4時の間に高速上にいれば全体が3割引。それがこれからは22~5時の間に走行した距離のみ。
荷物は時間通りに届けなければならない。けれど労働時間は制限される。走る時間を短くするために高速道路を利用するのに、高速料金はどんどん上乗せされてしまう。
高速道路代が給料にどう影響してしまうのか、会社によってさまざまだとは思いますが、私の勤めている会社を例にとると、基本的にお客様から「高速に乗っていいですよ」と言われたとき以外は下道です。
運転手の判断で高速を使った場合、売上げから高速料金が引かれる形です。長距離に行く人たちはその辺をうまく計算しながら下道と高速道路を使い分けています。
それが2024年問題により、ほとんど高速を使わないと間に合わなくなってしまいます。そうなると必然的に売上げは減り、給料も減っていく。
また、今までは荷物を降ろしたあと帰り荷を積んで帰庫していましたが、運行時間の関係で長距離先で一泊してから帰り荷を積まないといけなくなる場合があり、またここでも給料が下がってしまうという問題があります。
2024年問題がドライバー職を敬遠する理由にも
私の会社のドライバーは、「今後、長距離では稼げない」と敬遠する人もいます。
稼げなくなると離職してしまうドライバーも少なくありませんし、ニュースなどで2024年問題が取り上げられると、やはりマイナスな内容なので「ドライバーをやってみよう」と興味を持っていた人たちも背中を向けてしまいます。それを思い知らされるかのように、最近は求人を出しても、パッタリと人が来なくなりました。
だったら会社が高速代を出せばいいじゃないかとか、給料を上げればいいじゃないか、荷主が運賃を上げるなり高速代を出せばいいじゃないか。そう思われる方もいらっしゃると思いますが、物価の上昇も続いている今、簡単にはいきません。
私の希望としては、貨物自動車は日中でも高速道路の料金を少しでも割引にする。燃料代を助成する……などがありがたいですが、それはそれで渋滞などまた別の問題が出てきてしまうのでしょう。
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