来年秋の日本正式デビューが予定されている次期NSX。すでに詳細なスペックが発表されており、V6、3・5L DOHCツインターボ+3モーターハイブリッドのシステム出力は573ps/65・8㎏m。そして、最高速はなんと307㎞/hとなっている。
最高速が300㎞/hを超える日本の量産車はGT-R、レクサスLFAに続き、NSXが史上3車目。LFAが325㎞/h、GT-Rはノーマルが309㎞/h、NISMOが315㎞/hで、NSXは歴代3位ということになる(すべてメーカー公表値)。
GT-Rが’07年、LFAが’10年の登場で、NSXはその後ずいぶん経ってから出てくるクルマだというのに後塵を拝していていいのかい? という問題もあるがそれはさておき、ここで「NSX307㎞/h記念企画」をお届けしたい。その名も「日本車300㎞/hワールド」! そのまんまです。
NSX 300㎞/hオーバー達成記念企画
近年、500psや600psはあたりまえという馬力のデフレ現象が起こっており、それとともに最高速も上昇。スーパースポーツクラスなら最高速300㎞/hは「超えて当然」という状況になってきている。
そうは言っても300㎞/hは高い壁。最新技術の粋を尽くしたクルマでなければ、その速度域で安定して走らせ、安全に止めることができないのは言うまでもない。少なくともスペック上では300㎞/hが身近になりつつある今、改めてその凄さを知るべきではないか。
なんつって、そんなに大上段に構えるつもりもないのだが、ここで300㎞/hの世界をちょいと覗いてみようではありませんか。
それは初代ソアラから始まった
日本のクルマ300㎞/hへの軌跡
日本の量産車が初めて最高速300㎞/hを超えたのは’07年デビューのR35 GT-R。天才・水野和敏氏の力作だが、日本車がそこに至るまでには長い年月がかかっている。
そもそも200㎞/hを超えるまでが長かった。日本車で初めて最高速200㎞/hオーバーを表示したのは’67年登場のフェアレディSR311の205㎞/hだったが、これはあくまでカタログ値。実測での200㎞/hオーバーは’81年登場の初代ソアラ2.8GTが初めて。以降、競争が激化し、’80年代には最高速200㎞/hを超えるクルマは増えたが、300㎞/hは遠い彼方の世界であった。
その最大の要因は’89年から始まった280ps自主規制。’04年に先代レジェンドが300psで登場するまで15年間も続いた規制だったが、パワーが頭打ちでは最高速は伸ばせない。空力のよさを生かしてNSX(先代)が270㎞/hを表示したものの、それ以外はスカイラインGT-RもスープラもRX-7も、250㎞/hが限界だった。
しかし、それでも日本車は健闘していたのだ。 NSX の270㎞/hが日本最速だった’90年代前半、フェラーリは428psの512TRが最高速314㎞/hを表示していたものの、348TB/tsは275㎞/hだったし、ポルシェ911ターボも360psながら最高速は280㎞/h。世界的にも300㎞/hは高い壁だったのだ。
ちなみにポルシェ911ターボが300㎞/hを超えるのは、’98年登場の996型が初めてで最高出力は420psだった。
’04年の規制解除後は「待ってました」とばかりに日本でも300psオーバーのクルマが続々と登場。その究極だったのがR35GT-Rで、480psでデビューして300㎞/h超えを達成。その後進化を重ね、今ではノーマルグレードが550ps、NISMOは600psにまでパワーアップし、最高速も315㎞/hまで伸ばしている。
’10年にはレクサスLFAが登場し、325㎞/hを表示。500台限定の少量生産車だったが、世界的にみても325㎞/h以上をマークするクルマは超高額の少量生産車ばかり(P197参照)。スーパースポーツでも量産車では300〜320㎞/hあたりが限界値となっている。
最新NSX、最高速日本トップの座、奪えず!
最高速データはすべてメーカー公表値
Part2へ続く!!
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