GT-Rで体験した日本車300km/hワールド PART2

 日本車300km/hワールド PART1からの続編!!

貴重な体験をした猛者たちに聞く

 300km/hってどんな世界なの?

 300㎞/hで走るというのはどういうことなのか?それが次のテーマだ。仕事柄というべきか、BC編集部の周りには公道で300㎞/hを出した経験のある人が少なからずいる。

 レースではなくテストコースでもなく、公道を300㎞/hで走るというのはどんなものなのか。超高速というのは、もしかして病みつきになっちゃうほど気持ちいいものなのか(危ねーなぁ)。その真実を体験者に聞いてみた!

GT-Rで体験 五感を使って危険を予知

鈴木利男

 GT-Rの開発テストで、アウトバーンの300㎞/hは何度も経験していますよ。

 300㎞/hも出したら、それは怖いですよ。アウトバーンを走っているドライバーは、みんな後ろをよく見てくれていますが、それでもいつ車線変更してこちらに出てくるかわかりませんから、やっぱり緊張します。

 開発している側としては、何㎞/hで走っていても挙動が変わらないようにしたいわけですが、やはり250~260㎞/hを超えると空力でボディが持ち上がり、全体的にクルマが軽くなった感じは受けますね。また、スピードが出れば出るほど横風の影響が大きくなるので、山あいから抜けた瞬間に多少ぶれたりすることはありますね。

 水野(和敏)さんはよく「GT-Rは300㎞/hでもリラックスして走れる」と言っていましたが、さすがにそれは無理ですね(笑)。そのスピードで何かあったら絶対に対処できないわけで、ドライバーにできるのは危険を予知することしかないんですよ。

 前車の挙動はもちろん、匂いとか振動など、五感を研ぎ澄まして危険を感じ取らないといけない。やはり普通に走っている時のようにリラックスはできませんよね。

 300㎞/hで走るのは快感でもなんでもないですよ。また、無理して、我慢して出すものでもありません。テストドライバーが怖いのを我慢して300㎞/hで走ったって、お客さんに「300㎞/hで走れます」とは言えないですからね。

フェラーリで体験 ものすごくチープな爆音が

清水草一

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 15年くらい前に、あるところで300㎞/hを出した。フェラーリF40とF50で最高速チャレンジをしたんだよ!

 深夜の高速道路で前を走っているクルマは1台もなく、というか1台でも走っていたらやらなかったんだけど(笑)、とにかく300㎞/hを超えたくてアクセルを踏み続けた。

 万全を期して2車線の真ん中を走行(笑)。でも「真ん中は路面が汚れていてかえって危ないかな?」とか、そんなことばかり考えてた(笑)。300㎞/hでタイヤがバーストしたらおしまいだから。

 公道で300㎞/h出すのはガマン大会だね。快感なんてものとはほど遠い。「300㎞/hまで早く到達してくれ!」と思いながら前とスピードメーターを交互に見てるんだよ。何かが起きても何もできないことはわかってたから、その時は潔く諦めようと決めてね(笑)。

 F40よりF50のほうが明らかに安定しているし、だんだんスピードにも慣れてきたこともあって、F50ではメーター読みで320㎞/hまでいったね。それでもまだパワーに余裕があったな。

 F40は途中で警告灯がつき始めたんだけど、根性で300㎞/hを超えた。どっちもブワーッ! ってものすごくチープな爆音がしてた(笑)。

 走行後の達成感は凄かったよ。「人生の目的をひとつ果たした!」と思ったね。もう二度とやらないけど(笑)。

GT-Rで体験 90度横を向いたと思った

「ホットバージョン」編集長 本田俊也

 GT-Rの開発現場を動画で記録する仕事をしていたので、何度かアウトバーンで300㎞/hを経験しました。911ターボを持ち込んで比較もしましたが、両車の最大の違いはブレーキングの安定性でしたね。

 前のクルマがこちらの速さを読み切れず、追い越し車線に入ってくることがあるんですけど、そういう時、強めにブレーキを踏むと911はリアがズルズルするのに対し、GT-Rは路面に吸い付くようにビターッと減速してくれるんですよ。

 また、高速になればなるほどダウンフォースが大きくなって、固めた足がちょうどいい感じになるんです。超高速域に照準を合わせた足なんだということがよくわかりますね。

 音は270〜280㎞/hくらいから急激に騒がしくなるんですが、’10年モデルからだいぶ静かになった印象がありましたね。問題は燃費で、300㎞/h近くで走っていると満タンにしていても20分くらいでガソリンがなくなるんです。多分1㎞/ℓ台だったんじゃないかな?

 助手席でも何度も300㎞/hを体験しました。日産のテストドライバーの方が運転する雨の高速テストに同乗した時なんですが、走行中いきなり豪雨になって、ハイドロプレーンのような状態になり、横を向いたことがあるんです。

 僕の感覚では90度くらい横を向いたように思って「ダメだぁ」と思ったんですが、あとで動画を確認したらわずかなものでしたね。やっぱり助手席だとだいぶ感覚が違うんでしょうね。水野さんはデータロガーを確認しながら「4WDがきっちり制御できてる」って言ってましたね。

 正直言って300㎞/hは快感ですよ。この経験でスピード感覚も磨かれたと思いますけど、それが今、何かの役に立っているかというと、何もないですね(笑)。

やはり世界は広かった!驚愕の440㎞/hも存在する!

 最速に挑んだ世界のクルマたち

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ケーニグセグ One:1
ケーニグセグはスウェーデンのメーカー。One:1は1360psを発生する!

 LFA、GTーR、そして新型NSXと、日本車にも最高速が300㎞/hを超えるクルマが出てきているが、世界は広い。300㎞/hどころか400㎞/hを大きく超えるクルマも存在しているのだ。

 そのすべては「速さ」に特化した少量生産のスペシャルなモデルばかりだが、最後にそれら怪物モデルたちを紹介しておこう。いずれはこの集団のなかに入れる日本車も出てきてほしい。世界と戦うということは、こういうことでもあるのだ。

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  • ケーニグセグ アゲーラR 436㎞/h
  • V8、5ℓ、 ツインターボで
  • 1115ps/122㎏mを発生。
  • 0〜100㎞/hは2.9秒だ
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  • ブガッティ ヴェイロンスーパースポーツ 424㎞/h
  • 1200psのW16、8ℓターボを搭載。
  • タイヤ保護のため415㎞/hリミッター付き
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  • サリーン S7ツインターボ  396㎞/h
  • サリーンは米国のメーカー。
  • S7はV8OHVツインターボ、750psを搭載
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  • マクラーレン P1  350㎞/h
  • V8、3.8ℓツインターボのハイブリッド
  • システム出力は916ps。
  • 価格約1億円
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  • ランボルギーニ アヴェンタドールLP700-4 350㎞/h
  • V12、6.5ℓで700psだから車名がLP700。
  • 実は、エコな気筒休止システムも備える
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  • フェラーリ ラ・フェラーリ 350㎞/
  • V12、6.2ℓ+モーターのハイブリッドでシステム出力963ps。
  • 世界限定499台だ
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  • ポルシェ918スパイダー  345㎞/h
  • V8、4.6ℓのPHVで887psを発生。
  • 150㎞/hまではEVで走れる1億円カーだ
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  • メルセデスベンツ SLRマクラーレン 332㎞/h
  • V8、5.4ℓSCで626ps/79.5㎏mを発生。
  • ’04年デビューのクルマで今は絶版
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  • マクラーレン MP4-12C 331㎞/h
  • V8、3.8ℓツインターボで600ps/61.2㎏mを発生。
  • さらにパワフルな650Sも
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  • ポルシェ カレラGT 328㎞/h
  • V10、5.7ℓ、612ps/60.2㎏mエンジンのミドシップ。
  • 3ペダルの6MTを採用
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  • レクサス LFAV10 325㎞/h
  • 4.8ℓ、560ps/48.9㎏mエンジンを搭載するFR。
  • 世界限定500台だった

クルマ以外のスピード自慢

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これがダッジ・トマホーク!

 二輪の世界最速はダッジ・トマホークで驚愕の560㎞/h。限定10台とはいえ本当に発売されたのだから恐ろしい。量産車ではスズキ隼の397㎞/hが世界一。

 鉄道は仏TGVが’07年に試験走行で574・8㎞/hを記録。リニアモーターカーでは今年6月にJR東海が試験走行で603㎞/hを記録し、ギネスの世界記録に認定された。

 エレベーター最速は台湾・台北101ビルの60・6㎞/hとなっている。

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