2007年の登場以来、世界最高峰の性能を見せつけてきた日産GT-R。一生に一度は乗ってみたいとひそかに夢を温めている人は多いのではないだろうか。
そのいっぽうで、GT-Rの中古車相場はやや複雑な背景を持つ。というのも、デビュー時は、現在の新車価格と比べると、格安といっていい値段で発売していた。
年を追うごとに、装備や走行性能とともにアップしていき、またマイナーチェンジとともに認定中古車制度もあり、価格が入り組んでいる。
そうはいってもやはり、世界トップクラスに魅力的なクルマであることは間違いなし。
「いつかGT-Rを買おう」と思っている皆さんのため、GT-Rの中古車相場と狙い目のポイントについて、中古車市場に詳しい自動車評論家に解説してもらった。
文:萩原文博/写真:日産、ベストカー編集部
GT-Rの華々しい歴史を振り返る
今から12年前の2007年に開催された東京モーターショーで、世界が注目するクルマがデビューした。そのブースには朝から取材陣が殺到し、カンファレンス前から異様なムードに包まれていた。
そして、当時ニュルブルクリンクで打ち立てた7分38秒からカウントダウンが開始され、ステージ場に姿を現したのが日産GT-Rである。
日産GT-Rは「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフが楽しめる」というコンセプトのマルチパフォーマンススーパーカーを具現化したモデルである。
新開発のプレミアム・ミッドシップパッケージを採用。2007年当時、最高出力480ps、最大出力588Nmを発生する3.8L V型6気筒ツインターボエンジンを搭載していた。
また、リアアクスルに搭載したでデュアルクラッチ6速AT、電子制御4WDによってハイパワーを余すことなく路面に伝達し、欧州の名だたるスーパースポーツカーに匹敵するパフォーマンスを発揮。
しかも車両本体価格はスタンダードモデルが777万円、最上級のプレミアムエディションでも834万7500円と現在から考えればバーゲンブライスだった。
GT-Rは登場後もアップデートが重ねられ、最新型となる2020年モデルでは最高出力570ps(ニスモ600ps)、最大トルク637Nm(ニスモ652Nm)までエンジン出力は向上。
ボディ補強やサスペンションのセッティングも最適化され、初期モデルのサーキット仕様のレーシングカーから公道仕様のグランドツーリングカーへとキャラクターも変更されているのが特徴だ。
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