走りが楽しいクルマに乗りたいが、中古の国産スポーツは値上がりして手が出ない。そんな人は、BMW M3なんかどうだろう。4代目となるE92型なら、なんとか300万円台で手に入るぜ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:BMW
■4L・V8は8連スロットル&ダブルVANOSで420ps!
BMWのモータースポーツの歴史にその名を刻むM3。最近はその座をM4に奪われてしまった感もあるが、各国のグループAレースやDTMなど、世界のツーリングカーレースに君臨してきた栄光は変わらない。
そんなM3だが、主力グレードに初めてV8エンジンを積んだE92型(クーペ)なら、300万円台の個体が流通している。近年、国産の中古スポーツカーが高騰しているだけに、けっこう競合する価格帯にあるといえるのではなかろうか。
改めてE92型M3の素性だが、全長4620mm、全幅1805mm、全高1425mmという、M3としてはやや大ぶりなタイプ。とはいえルーフをカーボン化したりアルミニウムパーツを多用することにより、車重は先代(E46型)の直6モデルに対して80kg増の、1630kgに抑えられている。
M3の至宝ともいえるエンジンは、S65B40型4LのV型8気筒エンジン。ボア×ストロークが92×75.2mmというショートストロークで、ダブルVANOS(可変吸排気バルブタイミングシステム)や8連独立スロットルなどを備え、最高出力420ps、最大トルク40.79kgmを発する。
■手頃なE92は7速DCTがほとんど
そんなE92型M3だが、中古車サイトなどをみると、走行6万~8万といった個体が300万円台前半から流通している。ただし6速マニュアルは割高で、手頃な価格帯のモデルはすべて7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)となる。
最終型でもすでに発売終了から10年が経過しているので、どんな個体でもOKというわけにはいかないが、今のクルマではなかなか味わえないV8のフィーリングに酔いしれたいというクルマ好きには、検討に値する1台といえるのではなかろうか。
逆に言えば、一通りのトラブルを経験したユーザーやショップが数多く存在するので、購入にあたってはぜひともそういったネットワークを活用したい。
エンジンについてはイグニッションコイルやベルトプーリー、スロットルモーターなどが弱点といわれるが、ノウハウのあるショップなら助け船となってくれるはずだ。
もう1点、4Lという大排気量ゆえ、自動車税は覚悟しておこう。普通なら6万5500円。13年を過ぎると7万5000円にもなるので「自動車税貯金」をオススメする。13年を過ぎると自動車重量税も高くなるのでこちらも注意だ。
とはいえ、大排気量マルチシリンダーのエンジンに乗れる時間はそう長くはない。EV時代に「乗っときゃよかった(泣)」と後悔したくない人は、決断してもいいかも!
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