中国のBEVに押され気味ではあるが、変わらぬ存在感でBEV界をリードするテスラ。そのテスラが、北欧では思わぬ相手と争っているという。その相手とは中国BEVや欧州BEVではなく、スウェーデンの労働者。いったいどうなっているのだろうか?
※本稿は2024年6月のものです
文:角田伸幸/写真:テスラ ほか
初出:『ベストカー』2024年7月10日号
■スウェーデンの労働者たちがテスラと対決
中国勢に押され気味のテスラだが、北欧では思わぬ相手と戦っている。それがスウェーデンの労働者だ。
スウェーデンでは伝統的に労働者が企業と協定を結び、賃金や労働時間を定めて働く。
ところがスウェーデンのテスラディーラーが協定締結を拒否したため、整備士130人がストを開始、これに港湾労働者が連帯してテスラ車の陸揚げが止まり、さらには郵便局員がテスラ車を買った人へのナンバープレート配送を拒否する動きに出た。
すでにスト開始から7カ月以上が経ち、普通ならば困ったテスラがなんらかの妥協案を提示しそうなものだがそうはなっていない。なぜか。実は今でも、普通にテスラ車が買えるためだ。
港からの陸揚げは止まったが、テスラは鉄道を使って車両をスウェーデンに持ち込んでいる。ナンバープレートについては「紛失」を届け出れば、窓口で直接受け取ることができるのだそうだ。実際現地では、2023年を上回るペースでテスラ車が売れているという。
いっこうに収まる気配がない両者の争い。はたして折れるのはどっち?
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