初心者から支持を集めるカワサキKLX230R/Sの2025年モデルが北米と欧州で発表された。すでに発表済みの新型KLX230に準じた新スタイルとともにエンジンや車体も大幅な変更を受けている。初期型オーナーが解説する。
サスストロークを維持しつつシート高はダウン
カワサキのKLX230シリーズは2020年にデビュー。空冷単気筒233ccエンジンのフルサイズボディで、同年に生産終了したヤマハのセロー250に近い存在だ。一方、コンセプトはKXのロープライス版といった内容で、トレッキング向きのセローとは大きく異なる。
セロー250のように足をつきながらトコトコ走れるかと思いきや、公道仕様のKLX230でさえシート高が885mmあり足つき性は厳しい。レーサーのKLX230Rは925mmでエンデューロなどで足を着けて走りたい場面では難易度が増す。モトクロッサーに近い方向性なのだ。
2025年モデルのRシリーズは少し角が取れた変更が見られる。エンジンは公道仕様と同じバランサー付きとなり、インテークバルブ径が37→33mmに小径化。振動を抑え低中回転域のトルクアップを実現した。半面、バランサーの分パワーロスや重量増は避けられないだろう。
シャーシはリアフレームを変更し、サスストローク量を維持しながらKLX230Rが925→905mm、KLX230R Sが900→875mmに低シート化。また、フロントフォークのダウンブラケットがアルミ化されて軽くなっているのは、現行型オーナーが羨むポイントだ。
燃料タンクがキー付きのスチール製になり容量もアップ
新型KLX230Rは、エンジンが公道モデルと同じ仕様になっているが、従来作り分けられていた燃料タンクも共通になっている。新型KLX230Rはスチール製の7.6L(2ガロン)に変更されており、従来の樹脂製6.5Lから増量された。航続距離は伸びるが重量増につながる変更だ。
さらに新型KLX230Rは、メインスイッチが従来のボタン式からキー式になっており、燃料タンクキャップとともに施錠可能となった。リリースではセキュリティ向上とされており、レーサーではあるが、海外での使用用途においては必要な変更と思われる。
ツートンの新作シートは6mm厚みを増して快適性を向上させ、シート高の変更に合わせてハンドルを25mm前方かつ13mmアップさせている。さらにステップは9mm後方に移動し、コントロール性が向上。新型のポジションは従来型オーナーがカスタムする方向性と一致しており、最初から改良されているのはありがたい。
他にもキャスター角が1.1°立つことでハンドリングが軽快になっており、スタイル、エンジン、シャーシと全面的にアップデートが施された。大きな流れでは、バランサー付きエンジンやスチール製のタンク採用など、公道版との共通化が目立つ内容と言えるだろう。
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