ガソリン価格の高騰が続くなか、「少しでも安く済ませたい」と考えるドライバーは多いはずだ。とくにハイオク仕様車のオーナーなら、レギュラーガソリンを入れても問題ないのか気になるところ。しかしその選択、本当に大丈夫なのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
ハイオク仕様車に約10円安いレギュラーガソリンを入れるとどうなる? 燃費やパワーは?
結論から先に言ってしまうと、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れても問題ない。ハイオク仕様車は、高い圧縮比や高出力を前提に設計されている。そのため、ノッキング(異常燃焼)を防ぐためにオクタン価の高いハイオクガソリンが指定されている。
オクタン価はJIS規格でレギュラーが89以上、ハイオクが96以上と規定されていて、数字が大きいほど着火しにくくなる。つまりレギュラーガソリンよりもハイオクガソリンのほうが着火しにくいということになるのだ。
着火しにくいというのは、一見性能が悪いと感じるかもしれないが、まったく逆で、圧縮比を高くすることができたり、高回転化に対応できるというメリットがある。ハイオクがレギュラーよりも10~15円程度高いのは、この着火しにくくなる成分によるものだ。
ハイオク仕様にレギュラーを入れた時に問題になるのは、この着火タイミングで、(ハイオク仕様車に設定された)適正なタイミングよりも早く着火することにより、「ノッキング」という異常燃焼を起こすことがあるからだ。
しかし、最近のハイオク仕様のクルマは「ノックセンサー」の搭載により、点火時期を遅らせることができるようになったため、問題はない。
ハイオク仕様のエンジンに搭載されているノックセンサーにはいろいろなタイプがあるが、ハイオク用とレギュラー用のマップを切り替えるタイプの場合、デフォルトはハイオク用マップで、ノッキングを感知するとレギュラー用のマップに切り替える。そしてエンジンを切ると、デフォルトのハイオク用マップに戻る。
レギュラーを入れ続けたためにハイオク用のマップに戻りにくいといった弊害も出ることもない。実際にハイオク仕様にしばらくレギュラーガソリンを入れ続けていて、久しぶりにハイオクガソリンに戻したとしても、マップはハイオク用になっているので問題はない。
ただし、一部の車種、GDB(2000~2007年)のインプレッサWRX STI(2L、水平対向4気筒ターボのEJ20エンジン搭載車)、最終型のトヨタセリカなどに搭載されていた1.8L、直4DOHCの2ZZ-GEエンジンは、ハイオクを推奨するというよりは、「ハイオク限定」というべきモデルだった。
こうしたクルマのようにレギュラーガソリンの使用はNGのクルマがある。R35GT-RやGRヤリスなどもこのタイプのクルマと言える。こうしたモデルはレギュラーガソリンを入れるべきではない。

では、ノックセンサーのついていない、かなり古いクルマの場合はどうなのだろうか? 古いハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れてエンジンの回転を上げていくと、進角してノッキングが起こる。
この場合、明らかに異常があることがわかるため(カラカラとかキンキンという打音が起こる)、必然的にドライバーがエンジンを切るレベル。その時点ですぐにエンジンが壊れることはないが、そのままエンジンを使用し続けると、トラブルの要因となる。
ところで、ハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れると燃費はどうなるのだろうか? レギュラーガソリンを入れてもノックセンサーにより最適なタイミングで燃焼ができるわけだから、アクセルを全開にするような高負荷状態でない限り、燃費が悪化することはない。
いっぽうパワー、トルクについて。一般的なハイオク仕様車(96オクタン以上)は、アクセル全開などの高負荷状態の場合には10%程度パワーダウンは避けられないが(高圧縮になる前に着火するため)、アクセルを半分程度しか開けず、街中を走っている程度ならまったく問題ないと言っていい。
まずは、ご自身がお乗りのクルマの説明書に、「異なる種類のガソリンを入れたら壊れる」などの記述がないか確認はしたほうがいいだろう。

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