カワイイ50ccのモンキーは、半世紀以上の間愛され続けたレジャーバイクの筆頭。そのミニマムなボディに本格的なオフ装備を取り付けてしまった、個性的なモデルが1991年登場の「モンキーバハ」だった。ホンダ本社に展示されていた車体でディテールを紹介したい。
50年以上の歴史を紡ぐ伝統のレジャーバイク
1967年、遊園地・多摩テックの遊具だったミニバイクが、公道を走れる50ccの原付として登場したのが初代モンキーZ50Mだ。その後モデルチェンジを繰り返し、70年代末にはよく知られるモンキー50のスタイルが確立。現代のスクーターより一回り小さい前後8インチホイールと4Lの可愛らしいタンクを備えつつ、エンジンはスーパーカブ譲りの頑丈な横型を搭載。ハンドクラッチ操作でリターン式のシフトチェンジをすることができ、マニュアル操作のライディングの楽しみを味わうことができた。
モンキーの活躍に伴い、他社からも様々なレジャーバイクが登場。ヤマハからはポッケ、フォーゲル、スズキはEPO、ホッパー50、バンバン50、カワサキはKV75と、70~80年代はレジャーバイクが百花繚乱した。しかし、モンキーほど長く親しまれたモデルはいない。なんと初登場から50年、2017年まで販売が続いたのだ。そして2018年からは、愛らしいフォルムを引き継いで進化したモンキー125として、現在も高い人気を誇っている。
そんなモンキーの長い歴史の中には、様々な特別仕様やバリエーションが存在する。今回紹介する「モンキーバハ」は、その中でも異色のオフロードスタイルを持ち、1991年に発売された。
デュアルヘッドライト、ハンドルブレース、ワイドステップ……本物のオフ装備!
モンキーバハの名前の由来は、当時世界で最も過酷なオフロードレースと言われたアメリカの「バハ・1000マイルレース」から来ている……というよりか、このレースをイメージした250ccオフロードモデル「XLR BAJA(バハ)」からとられたもの。カラーリングも似たペンキ風のグラフィックといい、ほとんどXLRのミニチュアだ。
もちろんカラーだけではない。モンキーバハは本格的なオフ装備を備えているのも特徴。XLRおそろいのデュアルヘッドライトを装備、ヘッドライトガードもしっかり備え、ウィンカーもアップ位置にレイアウトされている。さらにミニマムなメーターバイザー、ナックルガード、ブレース付きのハンドルバーも装着済み。。タンクを覆うロングシートも独自パーツを専用装備、サイドカバーもオフロードテイストに見直されており、さらに前後はアップフェンダーに。細部を見ればステップもワイドタイプに変更されており、レジャーバイクといいつつ手抜かりのない本格装備を持つことがわかる。
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