ST165、ST185、ST205時代のセリカGT-FOURといえばトヨタスポーツの栄光の名車だ。そのセリカが令和に復活するという話が出た時、“眉唾物”と疑ってかかるべき情報ではないかと思った人も多いハズ。しかし、ほんとのところどうなのか? 新型セリカの最新スクープ情報をお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部、トビラ:ベストカーが製作したスクープCGイラスト
■セリカ復活の情報が流れてきた時、ほんとうかどうか信じられなかったが……
2023年3月に行われた全日本ラリー選手権「新城ラリー」の会場で、トヨタの豊田章男新会長(4月1日から)がセリカへの熱い思いを語ったことが話題になった。それを受けて佐藤恒治新社長も「セリカを復活させたい」とコメントした。
新型エンジンをBEV時代がそこまで来ているというのに、わざわざ作るのかという疑問があった。たしかに2030年、2035年の純エンジン車の新車販売禁止という時代に、あるわけがないと。
しかし、2024年1月の東京オートサロンで豊田章男社長は「エンジンの開発を続ける」と公言しており、プレゼン動画に2つのエンジンが映し出されていて、そのうち左手前が数年前から開発されているハイパワー4気筒エンジンだった。
加えて2024年5月28日、トヨタ、マツダ、スバルは都内で3社合同会見を実施。「エンジン開発を諦めない」という3社は昨年から情報交換を進め(「困りごと」を共有しているそう)、それぞれが現在開発中の技術を広く公開することで合意。スバルは水平対向エンジン、マツダはロータリーエンジンの開発続行を宣言した。
トヨタはこの場で突如「次期主力エンジン」を公開した。1.5L(NA)、1.5L(ターボ)、2L(ターボ)の3種で、これにモーターを組み合わせることで(HEVとPHEV)多くの主要市場における車種をカバーできるという。
「敵は炭素、エンジンを諦めない、(豊田章男)会長のこの言葉に奮起して、エンジニアたちの心に火がつきました」と登壇したトヨタ自動車の中嶋裕樹(技術・商品担当)取締役副社長・CTOは新エンジン開発の契機を語った。
中嶋副社長によれば、トヨタが開発を進めているエンジンは、1.5L(NA)と1.5L(ターボ)、それに2L(ターボ)の3種類。いずれも同クラスの従来型エンジンより体積も全高も10%ほど小さく、かつ高出力・高燃費を達成。予定されている欧州や北米の排ガス規制(ユーロ7等)をクリアできるレベルで、他メーカーが軒並み諦めたユーロ7のクリアもトヨタは内燃機関で達成。新エンジンはe-fuel(合成燃料)やバイオ燃料、液体水素など多様な燃料に対応するという点にも注目したい。
新エンジンのトピックスは2つ。まず1つは従来の省燃費・高効率エンジンは3気筒+ロングストロークで燃焼効率を上げていたが、新型エンジンは4気筒+ショートストローク化に成功し、小型化できたこと。
これにより車両デザインの自由度が上がり、ボディ形状で燃費を稼ぐことも、また(HEVやPHEVで組み合わせる)モーターやバッテリーの搭載位置も選択肢が広まったこと。
2つめは高効率化により、触媒に使うレアアースの使用量を減らせること。これにより調達の難易度を下げ、価格も抑えることができるという。
ではどんな車種に載せるのか? ヤリス級のコンパクトカーからカローラクロスやRAV4などのミドルクラスSUV、さらに大きいアルファード級のミニバンまですべてこのラインアップで賄える計算になる。
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