ジャパンモビリティショー2025でプロトタイプが世界初公開されたホンダの小型BEV「Super-ONE」が、2026年5月22日(金)に発売となりました。
「走る楽しさ」を前面に押し出した本モデル、70kWブースト、疑似7速シフト、アクティブサウンドまで備え、その姿はかつての名車「シティターボII」、通称「ブルドッグ」を想起させます。はたしてこの新型BEVは、令和の時代にかつての熱量を再現できるのでしょうか。
文:吉川賢一/写真:ホンダ、ホンダアクセス
【画像ギャラリー】これは「令和のブルドッグ」か!?? ホンダの小型BEV 新型「Super-ONE」(16枚)画像ギャラリー「ブルドッグ」を想起させるスタイル
新型「Super-ONE」は、ホンダが「e: Dash BOOSTER」というコンセプトのもと開発したAセグメントの小型BEVです。日常の移動を、単なる移動ではなく「気分が高まる体験」へ変えていくことを狙ったモデルで、車名には「これまでのBEVや軽自動車の枠を超える存在」という意味も込められています。
同社の軽BEV「N-ONE e:」をベースに、全幅を拡大して専用シャシーを与えたもので、注目すべきは、やはりそのエモーショナルなスタイリングです。張り出したフェンダーとワイドなスタンスは、1983年に登場した「シティターボII」(通称:ブルドッグ)を想起させ、ベースはN-ONE e:ですが、ブリスターフェンダーの追加によってプロポーションは大きく変化し、コンパクトながらも骨太で踏ん張りの効いた印象を与えます。当時を知る世代にとっては懐かしく、若い世代にとっては新鮮に映る造形に仕上がっています。
ボディカラーは全5色を設定し、専用色の「ブーストバイオレット・パール」も用意。ブラックとの2トーンカラーも全4色設定されています。インテリアはN-ONE e:をベースにしながら、専用スポーツシートとカラーリングの変更によって雰囲気を引き締めています。水平基調のインパネとドライバー中心のレイアウトにより、視界と操作性にも配慮されたつくりです。
疑似シフトにBOOSTモード!! ホンダはEVで“操る楽しさ”をどう作った?
この見た目以上に注目したいのが「BOOSTモード」です。通常のドライブモードでは最大出力がN-ONE e:と同じ47kWに抑えられていますが、BOOSTモードでは70kWへと約5割も高めることで、加速フィールを大きく変化。「走る楽しさ」を演出してくれます。
さらに、7段変速を模した「仮想有段シフト制御」と「アクティブサウンドコントロールシステム」の組み合わせも、クルマ好きには嬉しいポイント。アクセル操作や車速、旋回時の挙動などに応じて仮想的なエンジン回転数やギア段をリアルタイムで演算。その結果をもとに駆動力やレスポンスを調整し、加速フィールを変化させます。
キックダウン時のショックやフューエルカット時の感覚まで再現することで、BEVでありながら、パドルシフトで操るガソリン車に近い操作感覚を再現し、そこにBOSEプレミアムサウンドシステムによるアクセル操作に連動した仮想エンジンサウンドを組み合わせることで、ドライバーの入力に対する反応をよりわかりやすく伝えます。BOOSTモード時にはさらに、アナログ計器を思わせるデザインのバッテリー温度計、疑似タコメーター、出力計によるトリプルメーターが液晶メーターに表示され、視覚面でもドライバーの意識を引き上げます。
約1090kgというBEVにしては軽量な車重や、床下中央に配置されたバッテリーによる低重心化、ベースのN-ONE e:から40mm拡げたワイドトレッドなどにより、Super-ONEはもともと走りのポテンシャルが高いモデル。ベース性能がしっかりしているからこそ、仮想シフトやサウンド演出にも不自然さが出にくく、「クルマを操っている感覚」に結び付きやすいのでしょう。
かつての「じゃじゃ馬」なスポーツモデルを乗りこなし、クルマを操ることそのものに楽しさを感じてきた人たちにとって、BEVのスムーズすぎる加速は物足りなく感じると思いますが、Super-ONEは、そんな「操っている実感」を重視するクルマ好きたちに、真正面から挑もうとしているモデルです。疑似シフトやサウンド演出を「ただの演出」と切り捨てるのは簡単ですが、ホンダがあえてそこへ踏み込んだこと自体に、このクルマの面白さがあります。























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