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【ニューモデル試乗】ドゥカティ新型モンスター「第5世代は歴代で最もハードルが低い!」

配信元:WEBIKE
【ニューモデル試乗】ドゥカティ新型モンスター「第5世代は歴代で最もハードルが低い!」

軽量ハイパワーネイキッドの先駆けだったドゥカティ・モンスターが第5世代へとモデルチェンジした。トピックは多いが、何よりもそのハードルの低さが最大のアピールだ。いい意味で「誰にでも薦められるモンスター」の登場である。

⚫︎写真:小川裕之

文/ノア セレン
 
 


歴代モンスターの紆余曲折



DUCATI MONSTER(2026)

ドゥカティのモンスターブランドはすでに34年もの歴史を誇っているため、モンスターと言われても世代によって印象は大きく違うように思う。

例えば初期型のM900はドゥカティ初のカウルレスマシンとしてエポックメイキングだった。公道を元気に走るネイキッドとして人気だったし、BOTT(バトル・オブ・ザ・ツイン)などのレースで走っていたイメージもあるかもしれない。今ではわりとお求めやすい中古車として注目する人もいるだろう。

916系の水冷エンジンを搭載したS4や、その上級版・テスタストレッタエンジン搭載のS4Rといった過激なモデルもあったため手強い印象が強い人もいるだろうし、ハンドル切れ角が大きくなってエンジンの躾もだいぶ洗練された2代目のイメージがある人にとっては、モンスターはそんなにハードルが高いイメージはないかもしれない。696など親しみやすい排気量や価格帯のモデルが提案されたこのモデルもモンスターを身近に感じさせてくれた。

3代目ではリッタークラスのエンジンが搭載されて車格も大きくなり、
よりプレミアムな方向へと舵を切ったが、4代目ではスリムかつコンパクトに回帰しつつ伝統のトレリスフレームを廃止。エンジンの制御が進み、伝統のデスモを継承するビッグツインながらとても扱いやすかったのは今回の5代目と共通する方向性だ。

こうしてモンスターブランドを振り返ると、意外や一貫したコンセプトは見出しにくく、時代時代によってさまざまなチャレンジや提案をしていることに気づく。そして今の時代、たとえドゥカティというプレミアムブランドでも付き合いやすさやフレンドリーさが選ぶべき道だと確信したのだろう。5代目は先代の親しみやすい路線を継承しつつ、
さらに万人向けのモデルに仕上がっていた。



左上から時計回りに、初代(1993年登場)/2代目(2008年)/3代目(2014年)/4代目(2021年)の各世代モンスター。



歴代モンスターをシルエットと燃料タンク、ヘッドライトの造形で見比べた図。いずれも先代をベースに、積み重ねるように進化してきたことが分かる。



ヘッドライトの左右を囲うDRLはCシェイプと呼ばれ、近年のドゥカティのトレンド。丸ライトの雰囲気が残るのもモンスターらしさがある。ウインカーはシーケンシャルタイプだ。

 
 
 


ニューエンジンとコンパクト化

一番のトピックは新規エンジンの採用だ。先代は伝統のデスモ機構を継承した937㏄テスタストレッタ11°エンジンで、これはこれで熟成が進んでとても扱いやすかったのだが、新型では同じ111PSを維持しながら排気量は890㏄へと縮小。そして動弁系を通常のバルブスプリング方式に改めることで小型化/軽量化を進めたのだ。

バルブスプリングを用いない、ドゥカティ伝統のデスモドロミックを手放したことを寂しがる向きもあるかと思うが、この「V2」と呼ばれる新型エンジンはすでにパニガーレV2、ムルティストラーダV2、ストリートファイターV2にも搭載され、ドゥカティの次世代エンジンとして浸透している。排気量こそ小さくなったが、スムーズで扱いやすく、かつメンテサイクルも伸びたこの新ユニットは時代に合わせた進化として正しく思う。

このエンジンは特にシリンダーヘッドの小型化によって車体設計も見直され、アルミモノコックフレームなどの基本構成を先代から踏襲しつつ、4㎏の軽量化を果たしている。これにより燃料のみ含まない装備重量でわずか175㎏という超軽量車体となったのだ。



吸気側に可変バルブタイミング機構を持つ890ccの90度Vツイン。3000rpmで最大トルクの70%を発生し、4000〜10000rpmで80%以上を維持。幅広い回転域で実用的なトルクを発生する。



4代目で採用されたアルミモノコックフレームを踏襲しつつ、4kgの軽量化を達成。フレームのないニーグリップエリア周辺は非常にスリムだ。



2012年の1199パニガーレに端を発するドゥカティのモノコックフレーム。エンジンとヘッドパイプを繋ぐだけで、車体後半はエンジンがフレームを担う。



上下に幅があり大きく肉抜きされている両持ちスイングアームは、パニガーレなどと共通のデザイン。

900㏄程の排気量で111PS、175㎏、しかもシート高775㎜というのはなかなかシビレル数値だ。「速そう」「軽くて扱いやすそう」「そのシート高なら怖くない」が全て詰まっている。モンスターのライバルかどうかはわからないが、参考までにヤマハのMT-09は120PS/193㎏/852㎜。スズキのGSX-8TTは80PS/203㎏/810㎜である。

ドゥカティらしいハイパワーとスポーツ性が、軽くてハードルの低い車体に搭載されているという意味ではモンスターの伝統通りなのかもしれない。しかしそのバランスはパフォーマンスと親しみやすさ双方において高められており、これまでのものとはレベルが違うと感じる。ベタベタに足が着く小さくて軽い車体にまたがり、デスモのガシャガシャ音のしない静かなエンジンを始動し、千葉県は木更津市にあるポルシェ・エクスペリエンスセンターのハンドリングトラック(全長約2.1km)へと走り出した。



身長171cm、体重65kgのライダーが跨った状態。ハンドルの絞りや垂れ角は少なく、若干肘を張って乗るようなスタイルだが、シートが低いこともありポジションそのものはラク。



本国仕様より40mmも低いシート高で、足着き性も良好だ。



ブレーキマスターやクラッチマスターはブレンボ製。スイッチ類は各種モード設定などのためにやや複雑だが、ウインカーやホーンなど日常的に使うスイッチ類へのアクセスは良好。



メーターは5インチのフルカラーTFTディスプレイで、モード切替などは直感的にでき難しさはなかった。アクセサリーでスマホ連携機能、ターンバイターンナビ、クルーズコントロールなども用意される。



クイックシフターはロッドではなく、エンジン本体にセンサーを付けることでよりリニアなシフトチェンジを実現。ただしアクセルを開けたままのシフトダウン、アクセルを閉じたままのシフトアップはできない。

 
 


ロードモード=国産車、スポーツモード=イタリアン!

昨今のモデルらしく走行モードが備わるモンスター。走り出しはスタンダードな「ロード」モードとしたら、これがとてもスムーズでモンスター感、もといドゥカティ感すら希薄だ。極低回転域からスルスルと加速する様はビッグツインとは思えないほどで、以前のモデルがチャグチャグチャグっとチェーンを暴れさせてしまう3000rpm以下の領域でもキョタタタ~と粘ってくれる。

回転数を上げていくと極低回転域からスムーズに回転上昇。高回転域へといたずらに誘うことなく、トルクに包まれて素直に速度が乗っていくさまはツインとは思えないほどだ。5500rpm辺りでシフトアップして、また大き目にアクセルを開けると再びトルクの波が車体を押し出してくれる。高回転域を使わずともこのトルクだけで十分速く走ることができるし、こうして走らせていると押し付けてくるドラマチックさがないままに純粋にハイペースを楽しめ、まるで国産車的に感じるほどだ。
結構なハイペースになっているのに高回転域を使っていないから怖くない。かつての国産ビッグネイキッドの走らせ方みたいだな…などと思っていたのだが、そうか、モンスターもビッグなネイキッドか…なんて妙に納得してしまった。

なんにせよ、とてもよく躾けられた極低回転域と、トルク任せで大らかかつハイペースで走らせられたのは、今までのどのモンスターよりも親近感が持てた部分。ドゥカティというプレミアムブランドにもかかわらず日常的に付き合えそうだった。



極低回転からスムーズに加速し、高回転域を使わずともトルクでおおらかに走れる様子は、従来のドゥカティ感を覆す。

しかしそこで終わらないのがドゥカティだ。スポーツモードにするとアクセルレスポンスがググっと積極的になり、「高回転域も使ってごらんよ!」と誘惑してくる。6000rpm、7000rpmと右肩上がりに回転上昇し、フリクション感なくどんどん伸びていこうとする。この感覚はデスモの特徴かと思っていたが、バルブスプリング化したこのニューエンジンでもその特徴は同じ。ということは、あれはデスモの特徴ではなくドゥカティエンジンの特徴だったというわけか。

パワーバンドを積極的に使った走りだと、今まではリーンウィズで走っていたのが、より積極的に走りたくなりハングオンをするように。すると先ほどまでは低重心で難しいことは考えずにコロリコロリとバイクを左右にバンクさせていたのが、途端にイキイキと動くようになり、路面が部分的にウェットだったにもかかわらずヤンチャなペースが楽しめてしまった。

こうしてライダーが主体となって、積極的にバイクというスポーツを楽しませてくれたスポーツモード。これこそがドゥカティらしさ、イタリアンメーカーらしさか! と嬉しくなり、付き合いやすいだけではない新型モンスターの魅力を理解できた気がした。



軽量で扱いやすく、ライダーに従順な面と、ドゥカティらしいスポーティさが共存するのが新型モンスターの魅力。


自分仕様を作る楽しみも

775㎜というかなり低いシート高は日本仕様専用の設定である。本国仕様はこれよりも40㎜高い815㎜(それでも決して高くはないが)。日本仕様はシートで20㎜、サスペンションで20㎜のローダウンがなされてこの数値となっている。

シートの低さはそのままハードルの低さになっているのだから、このシート高は素直に歓迎したい。185㎝/75㎏の筆者が乗ればシートはかなり低く感じるものの、だからと言って窮屈だとか不自然だとか、そんなことはなかった。またサス本体でも20㎜下がっているということだが、バンク角が足りないといったこともなかった。

しかしスポーツモードで積極的に走っていたときは、もう少しリアに踏ん張ってほしいという場面も出てきた。リアサスはプリロード調整ができるため少しプリロードをかけたらシャキッと感が出るかもしれないし、スポーティなマインドで接したい人、あるいはサーキット走行会なども楽しみたい人は本国仕様のサスに交換するか、もしくはより調整機能が充実した社外品に交換するというのもいいだろう。

マフラーも純正アクセサリーが用意されるなど、モンスターはベーシックなスタンダードモデルだからこそ自分好みに手を加える楽しさもあると思う。特に初期型はレーシングキャブを付ける人がいたりと、かなりカスタムも楽しまれた車両。5代目もまたそのようにして多くのライダーに楽しんでもらえることだろう。

先代もかなりフレンドリー路線ではあったモンスター。新時代のV2エンジン搭載の5代目になってその路線はますます磨かれた。イタリア車だからと言って、ドゥカティだからと言って構える必要はない。大型自動二輪免許を取得したばかりのビギナーにでも、イタリア車ならではのスポーツ性を楽しみたいベテランにでも、分け隔てなく薦めることができる一台である。



日本仕様は20mm低いローシートが標準だが、クッションが足りないなどの印象はなし。スリムな車体と合わせ足着きは抜群に良い。



リヤショックはリンクを持たない直押しタイプ。日本仕様の20mmローダウンサスはスプリングやプリロードの変更だけではない専用品だ。元気に走りたい人は本国仕様や社外サス投入を考えてもいいだろう。



Fフォークは調整機構を持たないφ43㎜のSHOWA SFF-BP。Fブレーキはブレンボ製モノブロックM4.32キャリパーと320㎜ディスクの組み合わせ。標準タイヤのピレリ・ロッソ4のグリップ力と合わせ、ウェット路面でも安心してフロントブレーキが使えた。



右2本出しのマフラーは、排気口をMotoGPマシンのようにハニカムメッシュで覆うデザイン。



ドゥカティ モンスター+(2026年型)主要諸元

・全長×全幅×全高:未公開
・軸間距離:1,492mm
・シート高:775mm
・装備重量:175kg(燃料を除く)
・エンジン:水冷4サイクルV型2気筒 DOHC4バルブ
・最高出力:81.6kW〈111PS〉 / 9,000rpm
・最大トルク:91.1N・m〈9.3kgf・m〉 / 7,250rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機形式:常時噛合式6段リターン
・ブレーキ形式(F/R):ダブルディスク/ シングルディスク
・タイヤサイズ(F/R):120/70ZR17/ 180/55ZR17
・販売価格:1,662,000円〜1,762,000円



価格はカラーリングによって異なり、試乗車のレッドは166万2000円。ホイールがレッドとなる「Iceberg White」は2万円プラスの168万2000円。グレー/ブラックツートーンの「Sport Livery」は10万円プラスの176万2000円。ちなみに日本に導入されるのはメーターバイザーとタンデムシートカバーが標準装備の「モンスター+(プラス)」グレードとなる。



Iceberg White



Sport Livery

 

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/556420/

【ニューモデル試乗】ドゥカティ新型モンスター「第5世代は歴代で最もハードルが低い!」【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/556420/564449/

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