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【怒】首都高速に疑問を直撃! 本当に10%の値上げは必要? なぜバイクも? そもそも無料化はどうなった?

配信元:WEBIKE
【怒】首都高速に疑問を直撃! 本当に10%の値上げは必要? なぜバイクも? そもそも無料化はどうなった?

 2026年10月1日から首都高速の基本料金が約10%値上げされる。しかし、路面への損傷度が大きいトラックなどの中・大型車は優遇され、路面への影響が少ないバイクまで値上げ。コストはきちんと削減しているのか、そもそも無料化するはずだったのでは? 様々な疑問を首都高速道路会社に訊いてみた。

 
文/沼尾宏明
 

98%以上が反対したにも関わらず、値上げを断行!

2026年10月1日から首都高速の基本料金が約10%値上げされることになった。普通車の場合で1kmあたりの通行料金は約3円アップ。軽・二輪車は280円~1740円、普通車が300円~2130円となる。これはETCを搭載している車両の料金で、非ETC搭載車は最大の基本料金を支払う必要があるため、軽・二輪車は1740円、普通車は2130円となった。
※速報はこちら。



首都高は2026年10月1日から順次値上げ。二輪車と軽自動車は従来の280~1590円から280~1740円にアップする。



利用者の負担軽減のため、下限料金と上限距離は維持されるが、約10%の値上げに。

 まずは、決定に至るまでの流れを簡単に振り返りたい。首都高では有識者による「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」を行い、2025年12月に「料金の見直し」が結論として取りまとめられた。

 これを受け、首都高速は料金値上げ案を発表。2025年12月24日~翌年1月15日の期間に国民からの意見募集=パブリックコメントを実施した。寄せられた意見は734件で、そのうち改定を評価したのはわずか13件。「改定を見直すべき」という反対意見はなんと98%以上にも上った。

 にも関わらず、首都高速は改定案どおり値上げに踏み切ったのだ。

 
 
 

値上げの理由は「維持管理費の増加」「大口・多頻度割引の継続」

 今回、首都高が本格的な値上げに踏み切った背景にはザックリ2つの理由がある。

①維持管理費の増加。資材や人件費の高騰で道路の管理や補修に要する費用は直近の10年間で4割増えている。そのため、値上げせざるを得ないという。

②2027年3月末に期限が切れる「大口・多頻度割引」を継続するため。大口・多頻度割引は、主に事業者向けに料金を最大45%割引する制度で、物流業者の多くが恩恵を受けている。これを5年間継続させるため、料金値上げに踏み切ったのだ。

 しかしながら多くの疑問が残る。本当に値上げは必要だったのか、検証していきたい。

 
 

値上げで維持管理できるのは「5年のみ」? これまではただの「僥倖」だった?

 まず①維持管理費の増加について。現行料金のまま、大口・多頻度割引を廃止せず、労務費・材料費の高騰が続いた場合、年間500億円もの資金が不足する計算という。

 物価高だけに、ある程度コストが増加するのはわかるが、いきなり「年間500億円の資金が不足する」ことに戸惑う。人件費などコスト削減できる余地があるのでは……?

 この疑問に対し、首都高速は切々とコストを削減してきたことをパブリックコメントで訴えている。

 「これまで、道路サービスの提供にあたり、昨今の社会情勢の変化に対応するため、不断のコスト縮減に取り組んできており、省電力機器の採用、メンテナンス技術開発、工事による交通規制の集約化などの1年あたり40億円のコスト縮減を行いました」。一方で「昨今の労務費・材料費の高騰により、経営努力のみによる対応が困難」となり、値上げに踏み切った。

 今後についても「ETC専用化の着実な実施、新技術の導入、設備の最適化等により更なるコスト縮減を目指してまいります。ご理解をお願いいたします」としている。

 ただし、今回の改定で維持管理費が確保できるのは「当面5年」のみ(!)。5年後の2031年3月末までに大口・多頻度割引を順次縮小し、全車で割引を最大12%に統一するとしているが、5年後に再び料金がアップする可能性は高いだろう。

 なお、有識者による検討会の取りまとめでは、これまで料金や割引制度を維持できたのは、低金利やデフレによる「僥倖」(ぎょうこう)つまりラッキーに過ぎなかった、との文言がある。しかし現在「もはや僥倖は消失したのである」と結論。この取りまとめによって値上げに踏み切ったわけだが、なんとも後手後手に回った結果の値上げに見える。

道路への負担が大きい中・大型車だけ45%引き? これを一般ユーザーが補填する構図

2つ目の疑問。最大45%もの「大口・多頻度割引」を5年間継続するのはナゼなのか?
首都高速によると、理由は「国民生活・経済活動を支える物流などの支援」のため、経営判断として割引制度を継続するという。

 「大口・多頻度割引」を受けているのは、中・大型車で約80%を占める。この割引を利用するには、月間利用額100万円超などの条件があるものの、割引率は最大45%と約半額になる。さらに深夜割引など他の割引とも併用できるため、最大で普通車とほぼ同額の料金で済んでしまうのだ。

 首都高は一般道に比べて大型車の交通量が5倍と多い。当然、バイクや普通車と比べて重量があるため、道路に与える損傷が大きく、維持管理や補修を招く要因となっている。そのため、大型車の負担を高めるなら合点がいくのだが、今回の改定では逆に優遇され、大口・多頻度割引はそのまま継続。その一方で、バイクや普通車といった一般ユーザーは値上げとなるのだ。

 物流コスト増加によって国民生活が苦しくなるのは必至だけに、確かに物流支援は必要だろう。しかし、首都高を利用する一般のライダーやドライバーが国民の肩代わりをする構図になっているのは納得できない。また、ガソリン税の旧暫定税率がようやく廃止されたが、その効果を相殺しているのも残念だ。



東京都心を網羅する首都高速は、物流という国民の経済活動を支える大動脈なのは確かだが、一般の利用者がこれを負担する形に。

道路の補修だけではない「維持管理コスト上昇」が要因と回答

 こうした疑問を首都高速にぶつけてみると、次の回答があった。

 「今回の料金改定は、道路の補修だけではなく、事故や落下物等への対応等も含む維持管理コストが上昇している中で、今後も道路サービスを提供するために行うものです」(首都高速道路会社 経営企画部 広報課 ※以下同)

 一方、普通車の料金と同等になることや、割引率が高すぎる点、割引が適用されない他の普通車や将来世代の利用者に債務返済の負担が伴う点などを挙げ、「受益と負担の均衡を図るという公平性の観点から見直す必要がある」と前述の検討会で指摘されていると回答。

 「検討会での指摘や社会経済情勢を踏まえ、将来の対応は引き続き検討して参ります」と締めくくった。5年後と言わず、早急に検討してほしいものだ。



様々な補修費用だけでなく、事故や落下物等への対応等も含めて道路サービスを行うための値上げ、と首都高は主張している。※写真は首都高速資料より

二輪の利用率はたったの0.5%、しかも道路への損傷度が低いのに値上げ?

 今回の料金引き上げは、道路損傷などによる補修など維持管理コストの高騰が一因。以前から疑問視されている問題だが、軽量かつタイヤが二つのバイクは、四輪車より道路損傷の度合いが少ないにもかかわらず、軽自動車と同額の割高な料金を徴収されてきた。そもそもの料金設定がおかしい上に、今回一律に二輪車も値上げされたことに疑問を感じる。



軽い上にタイヤが二つのバイクは、四輪より道路に与える影響が少ない。それでも軽自動車と同額。しかも値上げされるのは理不尽では?

 これに対する首都高速の回答は次のとおり。

 「今回の料金改定は、現行の車種区分を維持したまま行います。現行の車種区分は、首都圏における管理主体(首都高とNEXCO)を超えたシームレスな料金体系とするため、基本的に各道路において車種区分及び車種間比率を5車種区分に整理・統一しております。

 また、高速道路料金の車種区分は、車種間の負担の公平を図りつつさまざまな要素から総合的に決定されております。

この車種区分の考え方については、国土交通省HPに記載があります。(https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_02b_02.html
一方、国の社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会において、高速道路の車種区分について議論が行われていることは承知しており、会社としては、このような議論や国等の関係機関の動きについて引き続き注視して参ります」

 回答に「車種間の負担の公平を図りつつさまざまな要素から総合的に決定」とあるが、やはりバイクが軽自動車と同額かつ値上げとなるのは納得できない人も多いだろう。

 なお、首都高速の全交通量に対する「二輪車のみの利用率」を訊ねると「約0.5%」(出典:首都高速道路交通起終点調査(2023年10・11月)※最新の調査結果)との回答。この利用率の低さと、道路への影響を合わせて考えれば、やはりバイクの料金は割高と感じられる。

 とはいえ、当サイトでも度々報じているとおり、高速道路を含めて見直しの動きがあるのは歓迎すべきだ。

債務返済を延期すれば値上げせずに済むのでは?

 そもそも前提として、将来的に首都高速は無料化するはずだったが、なぜ値上げするのか? 根本的な疑問だが、これもまた見通しの甘さが原因と言える。

 当初は債務の返済を2050年までに終え、無料化する計画だった。首都高速が民営化された2005年の未償還債務は42.5兆円。その後、2024年4月時点で30.4兆円と順調に返済は推移している。しかしながら、当初の債務返済計画に道路施設の大規模更新・修繕の費用を盛り込んでいなかったのだ(!)。

 現行の首都高速道路の料金徴収満了日は2074年3月20日。これまでに返済を完了する計画を立てなければならない。

 そのため、値上げ後も料金収入の約3分の2は債務の返済に回していくが、多くの国民がもはや「首都高速の無料化」は夢物語と考えているはず。修繕しながら50年で債務を返済する「償還主義」はもはや不可能だ。そこで、もう少し柔軟に考え、債務返済へ充てる割合を少し下げれば、値上げ前の収入でも維持管理費などの不足分を捻出できるのではないだろうか?



値上げによって当面5年間の維持管理費を確保できるが、年間約1900億円の債務返済は今後も変わらない。※注……収支には物流対策の割引拡充(約300億円)が表記されていない

あくまで債務ゼロが優先、無料化に向けて料金を上げる……?

 この疑問をぶつけたところ、首都高速から次の回答があった。

 「計画管理費及び貸付料を料金徴収期間内に料金収入で賄えるように、首都高の通行料金を設定しており、通行料金を変更せず貸付料を下げた場合は、現行の料金徴収期間内での返済が困難になります。債務返済額(貸付料)は、計画料金収入から計画管理費(維持、修繕その他の管理に要する費用)を除いた額であり、計画料金収入に対する割合により設定しているものではございません」

 つまり、料金収入から必要な管理費を差し引いた残りを返済に充てる仕組みなので、返済額だけを下げることはできない。そして、あくまでも期限日までに返済する「償還主義」を優先するということだ。

 一般的に「債務ゼロを最優先する企業」は聞いたことがない。この償還主義という原則に固執するため、無料化に向けて値上げするという事態はやはり奇妙ではないだろうか?

 なお政府は2023年、債務の返済期限を50年延長し、最大で2115年まで延ばせるようにした。ただし返済期限は計画時点から50年後までという制限があるため、延期の計画を立てられるのは2074年以降となる。

バイクには大問題! 首都高のETC専用化

 今回の値上げと直接的な関係はないものの、バイクにとって「首都高のETC専用化」も大きな問題だ。首都高速は管理コストの削減のため、ETC専用ゲートを拡大しており、2026年4月末現在で134か所中90か所をETC専用ゲートに。2028年春までに一部を除く全ての入口をETC専用にする方針だ。ETC非搭載では首都高を利用できなくなる上に、前述のとおりETCがないと短距離の利用でも問答無用で最大料金が取られてしまう。

 だが、バイクのETC装着率は圧倒的に低い。四輪のETC装着率は100%に近いが、二輪は50%程度の装着率と言われている。

 バイクの装着率が低いのは、搭載するスペースが限られていることや、一部の旧車などは電装系に負担がかかることが要因の一つ。だが、二輪用ETC機器の装着費用が高いことが最も大きな要因だ。

 四輪が1万円台から装着可能なのに対し、バイクの相場は3~5万円。たまにしか首都高を利用しない人にとって非常に割高だ。また、バイクを複数台持っている場合、高額なETC装着費用が台数分かかってしまうため、サブバイクにはETCを装着していない人も多いだろう。

 新規装着を対象に助成金キャンペーンも行われているが、通常は1台につき最大1万円程度。バイク用ETCが割高なのは変わらない。助成金を大幅に増やせない限り、普及は進まないだろう。



二輪車ETCは装着費用込みで3~5万円と割高。たまにしか利用しない人にとって大きな負担だが、これがないと走れなくなる?

【まとめ】他の高速道路値上げの理由に使われる可能性も。二輪専用料金の新設を待ちたい

 今回の首都高料金の値上げは、他の高速道路への影響も大きいと予想される。首都高速は厳密には高速道路ではなく、「自動車専用道路」だが、東日本、中日本、西日本のNEXCO3社などが管轄する高速道路も追随し、「値上げ」する可能性が十分ある。

 修繕費や維持管理などコストが増しているのは首都高速だけではない。首都高が値上げする理由は、そのまま他の高速道路にもあてはまるからだ。

 今回の値上げで問われているのは、単純な「10%の値上げ」だけではない。道路を維持するための費用を誰がどのように負担するのか、そして二輪車の負担は本当に現在の車種区分のままで公平なのか――という問題だ。二輪専用料金が設定され、値下げされればライダーとしては一番望ましいのだが……そんな朗報を待ちたい。

 

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/582301/

【怒】首都高速に疑問を直撃! 本当に10%の値上げは必要? なぜバイクも? そもそも無料化はどうなった?【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/582301/582324/

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