4ストローク49cc単気筒エンジン搭載のヤマハのビジネススクーター「GEAR(ギア)」に代わり、電動となったニューモデル「GEAREV(ギアレヴ)」と「NEWS GEAREV(ニュースギアレヴ)」が登場。その「ギアレヴ」と「ニュースギアレヴ」で市街地を走行してみると、利便性の高さとスムーズな走りが快適で、乗る楽しさも感じられた!
原付一種クラスに2タイプの電動ビジネススクーターをラインナップ

「ギアレヴ」車両本体とバッテリー2個・充電器2個を含めた価格は69万800円。車両本体のみ価格は36万3000円だが、その場合は「Gachaco(ガチャコ)」が提供するバッテリーシェアサービスとの別途契約が必要となる。

「ニュースギアレヴ」車両本体とバッテリー2個・充電器2個を含めた価格は70万1800円。車両本体のみ価格は37万4000円だが、その場合は「ガチャコ」のバッテリーシェアサービスとの別途契約が必要となるのは同じ。
1994年に登場した初代「ギアBX50」は、充分な積載性と走行性を兼ね備え、ゴー&ストップの多い市街地ではオートマチックの操作しやすさが高く評価された。2007年にフルモデルチェンジし、燃費性能や環境性能を向上。新設計フレームでリヤデッキが低くなり、荷物の積み下ろしが容易になった。2015年には「O2フィードバック制御」を採用し、約17%燃費を向上。以降も「ギア」はヤマハのビジネススクーターとして長年支持されてきたが、排ガス規制により惜しまれつつ生産終了となった。そして2026年、「ギア」の後継モデルとして、4ストローク49ccエンジンからモーターへ動力を変更して登場したのが「GEAREV(ギアレヴ)」と「NEWS GEAREV(ニュースギアレヴ)」だ。
モーターは駆動電流を効率的に制御することで、トルク制御とエネルギー効率を両立。低速時のスムーズな走行、リヤデッキ30kgフル積載時に傾斜12°の登坂性能を実現している。また、「後進アシスト機能」を採用し、車両が停止状態(EVシステム起動時)に「リバーススイッチ」と「スタータースイッチ」を押すことで後進(バック)でき、狭い場所での取り回しやすさに貢献している。
動力源は、着脱式のリチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を2個使用。充電は、車体から取り外したバッテリーを外部電源につないだ充電器に接続し、ゼロの状態から満充電まで約6時間となっている。また、充電器・バッテリーを購入しない場合の充電は、「ガチャコ」のステーションで満充電のバッテリーと交換することになり、「ガチャコ」との別途契約が必要となる。
「ギアレヴ」と「ニュースギアレヴ」は「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の対象となっていて、国から6万円補助される。さらに自治体独自の助成金が適用される場合もある。例えば、東京都で「ギアレヴ」を購入すると、国の補助金(6万円)、東京都の助成金(25万8000円)、東京都の充電器助成金(5万円)を受領でき、購入時の負担額は32万2800円となって、内燃機関モデル並みの費用となる。
ギアレヴとニュースギアレヴの足着き性をチェック
電動ならではの軽快な加速とスムーズな乗り心地
バッテリー2個装着時の車両重量は「ギアレヴ」が125kg、「ニュースギアレヴ」が130kg。また、EVシステムOFF時(メインキーOFF時)のモーター回転に抵抗感もあり、車体の押し引きや取り回しには重さを感じた。
メインキーをONにして、ブレーキレバーを握りながら「スタートスイッチ」を押すと、EVシステムが起動し、メーターに「READY」が点灯する。そこからブレーキレバーを放し、スロットルを開ければ走り出せる。スロットル開けはじめからすぐに太いトルクが立ち上がり、力強さも感じる加速を発揮する。30km/hまでストレスなく到達し、内燃機関のような振動も発生せず、乗り心地もスムーズ。ブレーキは前後ともドラムだが、制動力は必要充分だ。「ギアレヴ」は、内燃機関の「ギア」から27kgほど重くなっているが、最大トルクが0.42kgf・m/6500rpm→1.3kgf・m/2000rpmと大幅に向上、かつ低回転で発生しているので、重量差を感じない加速性能を実現しているのを体感できた。さらにスロットル操作に対するモーター回転のレスポンスにもダイレクトさがあり、予想以上に走りはキビキビしていたのが印象的だった。
また、バッテリーはシート下に収納されているので、ライダーとバッテリーという重量物が車体の中心に集まっていて、走行中の車体安定性を高めている。さらに低重心化にも貢献しているので、右左折やコーナリングでの車体の倒し込みも軽快に行なえる。ビジネススクーターとして開発された「ギアレヴ」は、スポーツ性能を優先した作りにはなっていないものの、走りには軽快さがあり、乗る楽しさも感じられた。
「後退アシスト機能」で楽に取り回せる!
EVシステムOFF時の取り回しや押し引きに重さを感じると前述したが、EVシステム起動時に乗車した状態での取り回し性を改善するのが、「後退アシスト機能」だ。
EVシステム起動状態で停止し、ハンドル左側の「リバーススイッチ」を押すと、メーターに「R」が点灯し、「RVS」の文字が表示される。そして「リバーススイッチ」を押したまま「スタートスイッチ」を押すと、車体が後退(バック)する。「スタートスイッチ」から指を離せば後退する駆動力が切れ、さらに「リバーススイッチ」からも指を離すと、メ―タ―の「R」と「RVS」の表示が消え、車体が前進する状態に戻る。
この「後退アシスト機能」を使うと、車体の重さを感じることなく後退でき、狭い場所での切り返しやUターンも楽に行なえるようになる。前モデル「ギア」からの重量増というデメリットを解消し、取り回しを大いに楽にしてくれるモーターならではのメリットだと感じた。
装備の違いが操作性の違いにもなっている「ニュースギアレヴ」
新聞配達での利便性を向上するために、装備が追加されている「ニュースギアレヴ」。その中に、フロア右側にブレーキペダルを設置した足踏み式リヤブレーキがあり、リヤブレーキ誤作動防止のため、スロープ状のフットレストも設置されている。乗車時は右足をフットレストに置くことになるが、その際、右足つま先は上向いた状態となり、ライディングポジションに不自然さを感じたのが正直なところだ。
ただし、フットレストのおかげでリヤブレーキを誤作動することはなく、それでいてブレーキペダルを操作しにくいと感じることもなかった。スロットル操作とブレーキ操作を右手と右足に集約し、左手で新聞配達しやすくすることを優先した作り込みなので、「ニュースギアレヴ」としては便利な機能と言える。また、追加装備によって車重は130kgになったが、加速性とスムーズな乗り心地は損なわれておらず、軽快な乗り味は「ギアレヴ」から変わっていない。
「ギアレヴ」と「ニュースギアレヴ」はバッテリーを2個搭載したことで、1充電あたりの走行距離100km(30km/h定地走行テスト値)を実現しているが、市街地走行でのバッテリー消費率を考慮すると、実際の航続距離は短くなる。とは言え、低回転からの太いトルクによる力強い加速、振動のないスムーズかつ軽快な乗り心地はモーターの特性を充分に生かしたもので、さらに「後進アシスト機能」が取り回しやすさ向上に大きく貢献している。走行性能に関しては内燃機関と遜色ないレベルに仕上がっていると感じた。
気になったのは航続距離と充電時間だが、「ガチャコステーション」を利用すれば充電時間もなく、ガソリン給油よりも素早い再スタートも可能だ。「ガチャコステーション」の設置個所が全国的に広がり、1充電での航続距離がもう少し伸びれば、「ギアレヴ」は次世代ビジネススクーターのスタンダードになれるだろうと個人的に思った。
ヤマハギアレヴ主要諸元
・全長×全高×全幅:1820×710×1025mm(1840×780×1050mm)
・ホイールベース:1280mm
・車重:125kg(130kg)
・原動機種類:交流同期電動機
・最高出力:3.8PS/3000rpm
・最大トルク:1.3kgf・m/2000rpm
・定格出力:0.58kW
・ブレーキ:F=ドラム、R=ドラム
・タイヤ:F=90/90-12、R=110/90-10
・価格:69万800円(70万1800円)
*( )内は「ニュースギアレヴ」、価格はバッテリー2個・充電器2個を含む
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/594328/
【試乗】ヤマハの働く電動スクーター、「ギアレヴ」&「ニュースギアレヴ」が新登場!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/594328/594424/




























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