SUPER GTの第3戦が猛暑となった鈴鹿サーキットで行われ、サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組のKeePer TOM’S GR Supra 37号車が3位表彰台を獲得。関口雄飛/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が4位、国本雄資/阪口晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が5位フィニッシュを果たしました。
SUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」が5月28日(土)、29日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
ここまで2戦を終え、開幕戦では、大嶋和也/山下健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が勝利、第2戦では坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組 au TOM’S GR Supra 36号車が2位とGRスープラ勢は上位争いを繰り広げていますが、2戦共に表彰台の3台は3メーカーの車両が分け合う激戦となっています。
今大会を終えると、次戦第4戦まで約2か月のインターバルとなります。ここまでの2戦で思い通りの戦いができなかったチームも巻き返しを図るべく、5月とは思えない暑い2日間となった今大会に挑みました。
イベント広場ではTGRブースが開設され、先日発表されたばかりのMT仕様GR Supra等を展示。ドライバーとのリモートトークショーなどのさまざまなイベントで盛り上がりました。また、今年は鈴鹿サーキットが60周年を迎えた記念すべき年ということもあり、今大会では特別デモラン「群雄割拠JGTC~SGTの礎となった時代~」を実施。
2002年にシリーズチャンピオンに輝いたESSOウルトラフロースープラを、同車両でチャンピオンを獲得し、現在は39号車のTGR TEAM SARD監督を務めている脇阪寿一氏がドライブ。ニッサンZ(2004年)とホンダNSX(2000年)と共に快音を響かせてファンの皆様に懐かしい勇姿を披露しました。
予選
なお、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO GR Supra 38号車は、予選の前に行われたフリー走行中にトラブルに見舞われ、予選までに車両修復が間に合わず、予選への出走は取りやめることとなりました。
GT500クラスのQ1では、上位8台がQ2へと進出。関口がアタックを担当した39号車が、セッション開始1分ほどで先陣を切ってコースへ。その後、各車が出て行く中、最後まで残っていたのは山下の14号車。残り6分ほどで14号車がコースに入り、全車アタックを開始しました。
まず関口の39号車が1分44秒821で2番手と好タイムをマーク。19号車の阪口晴南が1分44秒960でその時点での4番手につけると、すぐに坪井の36号車がこれを更新、フェネストラズの37号車も36号車を上回るタイムを叩き出し、3番手に。
一方、開幕戦での勝利により最多の46kgというサクセスウェイトを積む山下の14号車は、1分45秒219と健闘を見せ、その時点での8番手に滑り込むも、平峯一貴のカルソニック IMPUL Z 12号車が7番手に飛びこみ、僅か0.02秒差でQ2進出を逃すこととなってしまいました。
Q1から僅差の争いとなる中、39号車が2番手、37号車が3番手、36号車が5番手、19号車が6番手で4台のGRスープラがQ2へと進出を決めました。
Q2では、やはり39号車の中山雄一が先陣を切ってコースイン。19号車の国本が最後にコースに向かいました。
先にアタックを開始した39号車の中山雄一は1分44秒925をマーク。その後、各車がこのタイムを更新する形となっていきました。
37号車の宮田はセクター3までベストタイムを更新するも、最終セクターで僅かにミスがあり、1分44秒500で3番手。
国本の19号車はセクター1、セクター2でベストを更新する速さを見せ、これまでのコースレコードを更新する1分44秒112という素晴らしいタイムをマークし、トップに立ちました。
一方、ライバルがタイムを更新し4番手となっていた37号車の宮田は、なおもアタックを続け、前周にタイムをロスした最終セクターで大きくタイムアップを果たし、これまでのコースレコードを上回る1分44秒269をマーク。国本には届かなかったものの、2番手としました。
国本は、自身では初となるSUPER GTでのポールポジションを獲得。19号車は阪口晴南がアタックした前戦富士に続き、2戦連続のポールポジション。37号車が2番手で続き、GRスープラが最前列に並んでの決勝スタートとなりました。
39号車は6番手、アレジがアタックした36号車は8番手グリッドを獲得しました。
GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施。それぞれの上位8台がQ2へと進出します。 A組では、ここ鈴鹿で過去2勝を挙げているK-tunes RC F GT3 96号車の高木真一が1分57秒297でまずトップにつけました。
その後、吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GT 60号車が6番手、川合孝汰の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が7番手、清水英志郎のシェイドレーシング GR86 GT 20号車が8番手につけますが、終盤に他の車両がタイムを更新すると52号車と20号車が押し出される形に。
96号車が2番手、60号車が8番手でQ2へ進出。52号車は最後僅かにタイムを更新するも0.044秒届かず9番手、20号車が10番手、apr GR SPORT PRIUS GT 31号車は13番手でQ1敗退となりました。
B組では、佐藤公哉のアタックしたHACHI-ICHI GR Supra GT 244号車が一旦上位のタイムをマークするも、走路外走行によりタイムが抹消され後退。織戸学がアタックしたapr GR86 GT 30号車が6番手、堤優威のmuta Racing GR86 GT 2号車が7番手でQ2へ進出。
野中誠太がアタックを担当したHOPPY Schatz GR Supra 25号車は11番手、244号車は13番手でQ2進出を逃しました。
Q2では、早めにアタックに入った新田守男の96号車が残り3分近くを残してトップタイムをマーク。その後、3台にタイムを更新されるも、そのうちの1台が走路外走行でタイム抹消、そしてもう1台が予選後の再車検で失格となったため、96号車は最前列2番手グリッドを獲得しました。
永井 宏明の30号車が2列目4番手。河野駿佑の60号車が11番手、加藤寛規の2号車は12番手グリッドとなりました。
決勝
決勝前のウォームアップ走行で20号車がクラッシュを喫し、この影響でスタートは予定よりも10分間順延。20号車は修復が間に合わず、決勝は欠場となりました。
午後2時40分、気温30度、路面温度50度というコンディションで、53周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
ポールスタートの19号車は国本、最前列2番手の37号車はフェネストラズがスタートを担当。19号車はスタートではトップをキープ、37号車は1コーナー進入でインをつかれて3位へ後退。また、19号車も130RでZ 3号車にかわされると、続くシケインでは37号車が先行。 1周目を終えたところで37号車2位、19号車が3位。その後方では、6番手スタートの39号車関口はポジションをキープ、8,9番手スタートの36号車アレジ、14号車山下はひとつずつポジションを上げました。
3周目にスローダウン車両の影響でフルコースイエロー(FCY)が出され、4周目に解除されると、その直前に4位へと順位を落としていた19号車が5位へとポジションダウン。また、7位へと順位を上げていた36号車は、スタート前のグリッドへ向かう周回中、黄旗を無視して追い越しをしたとしてドライブスルーペナルティを科され、この時点での最下位へと後退してしまいました。
9周目、GT300の周回遅れに追いつき、車列をかいくぐりながらのバトルとなる中、14号車山下は39号車をパスし6位へ。
11周目、GT300車両がシケインでクラッシュするのとほぼ同じタイミングで、最後尾スタートから苦戦を強いられていた38号車がトラブルによりストップ。セーフティカーが導入されました。
14周を終えたところでセーフティカーが退去して15周目からレース再開。18周を終えると、ドライバー交代の最少周回数を過ぎたことで、各車戦略の下で3台がピットへと向かいました。
翌19周終了時に、2位走行中の37号車がピットイン。宮田へとドライバーチェンジ。
21周終了で首位のZ 3号車がピットイン。23周を終えたところで14号車、24周終了で19号車がピットへ向かい、残るは39号車のみ。
最後までピットインを引っ張った39号車は、折り返しを過ぎた27周を終えたところでピットインし、2位でコースへと復帰。しかし、冷えたタイヤでのアウトラップで後続にかわされるかと思われたところで、GT300車両がタイヤバーストを喫してFCYとなりポジションキープ。FCYが解除されると、さすがにまだタイヤを暖めきれなかったか、39号車の中山雄一はポジションをキープできず、2台にかわされ、37号車が3位、39号車が4位、19号車が5位。14号車は8位へと後退しました。
その後の戦いでは、各車の差がやや広まっていく中、37号車の宮田が前を行くNSX 17号車を追撃し続けました。
39周目にはコースオフ車両によるFCYの直後に、クラッシュも発生しセーフティカーが導入。広がっていた各車のマージンは帳消しとなり、残り9周でのスプリント勝負となりました。
3位の37号車宮田は最後まで2位の車両を追うも0.3秒及ばず3位でフィニッシュ。それでも今季初の表彰台を獲得。39号車が4位、19号車が5位、14号車は8位、36号車も10位に入り、GRスープラは5台がポイント獲得を果たしました。14号車は重いサクセスウェイトに苦しみながらもポイントを獲得し、ランキングでは首位と同点の2位につけています。
今大会も表彰台は3メーカーの車種が分け合い、ここまでの3戦、全てのレースで異なるメーカーが勝利を飾るという結果となりました。
GT300クラスでは、2番手からスタートを切った96号車はベテラン新田がいぶし銀のブロックで2位のポジションをキープ。19周目にかわされるも、その直後に96号車はピットへと向かい、15位でコースへと復帰しました。
一方、17番手と後方スタートを強いられた52号車は、序盤に出されたセーフティカーのタイミングでピットインし、ドライバー交代には足りない周回ながら、給油とタイヤ交換を行い、ドライバー交代時のピットタイムを削る作戦に出ました。
セーフティカー解除後、徐々に各車ピットへと向かい、52号車は18周終了でピットイン。ドライバー交代と短い給油の、最短のタイムロスでコースに復帰し、全車がピットを終えたところで2位へと大きくジャンプアップを果たしました。
52号車と同じ作戦を採った244号車も6位へとジャンプアップ。30号車が7位、60号車が8位、96号車はピット作戦が合わず12位へと後退。
36周目、6位を走行していた244号車が、GT500車両に追突される形でクラッシュ。昨年初勝利を挙げた鈴鹿で好成績を目指していた244号車でしたが、惜しくもここでレースを終えることとなってしまいました。
このアクシデントによりセーフティカーが導入され、各車のマージンが帳消しに。2位につけていた52号車にとっては大きなチャンスとなるはずでしたが、残り9周で再スタートが切られる直前、シケイン進入でオーバーランを喫し、ポジションダウン。
それでも52号車はTGR勢最上位となる4位でチェッカー。96号車も7位まで順位を上げてフィニッシュ。30号車が8位、60号車が9位でポイントを獲得しました。
KeePer TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ:
KeePer TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー 宮田莉朋:
第3戦 リザルト GT500クラス
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 千代 勝正/高星 明誠 | 52 | 1:55’50.895 | 3 | 12 |
2 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/松下 信治 | 52 | 4.549 | 5 | 6 |
3 | 37 | KeePer TOM’S GR Supra | サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋 | 52 | 4.832 | 2 | |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口 雄飛/中山 雄一 | 52 | 4.880 | 6 | 6 |
5 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/阪口 晴南 | 52 | 8.357 | 1 | 7 |
6 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 佐々木 大樹/平手 晃平 | 52 | 10.429 | 10 | 3 |
7 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | 52 | 10.472 | 13 | 22 |
8 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 52 | 13.278 | 9 | 46 |
9 | 100 | STANLEY NSX-GT | 山本 尚貴/牧野 任祐 | 52 | 14.304 | 14 | 36 |
10 | 36 | au TOM’S GR Supra | 坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ | 52 | 15.362 | 8 | 25 |
38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 10 | 42 Laps | 15 | 16 |
第3戦 リザルト GT300クラス
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | Studie BMW M4 | 荒 聖治/近藤 翼 | 49 | 1:57’34.344 | 1 | |
2 | 5 | マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 | 冨林 勇佑/平木 玲次 | 49 | 9.612 | 6 | |
3 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 藤波 清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 49 | 9.883 | 3 | 66 |
4 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田 広樹/川合 孝汰 | 49 | 15.104 | 17 | 3 |
5 | 88 | Weibo Primez ランボルギーニ GT3 | 小暮 卓史/元嶋 佑弥 | 49 | 22.516 | 9 | 9 |
6 | 34 | BUSOU raffinee GT-R | 柳田 真孝/井出 有治 | 48 | 1 Lap | 21 | 23 |
7 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田 守男/高木 真一 | 48 | 1 Lap | 2 | 8 |
8 | 30 | apr GR86 GT | 永井 宏明/織戸 学 | 48 | 1 Lap | 4 | |
9 | 60 | Syntium LMcorsa GR Supra GT | 吉本 大樹/河野 駿佑 | 48 | 1 Lap | 11 | |
10 | 55 | ARTA NSX GT3 | 武藤 英紀/木村 偉織 | 48 | 1 Lap | 16 | |
14 | 2 | muta Racing GR86 GT | 加藤 寛規/堤 優威 | 48 | 1 Lap | 12 | 5 |
22 | 244 | HACHI-ICHI GR Supra GT | 佐藤 公哉/三宅 淳詞 | 35 | 14 Laps | 24 | |
23 | 31 | apr GR SPORT PRIUS GT | 嵯峨 宏紀/中山 友貴 | 34 | 15 Laps | 25 | |
25 | HOPPY Schatz GR Supra | 松井 孝允/野中 誠太 | 22 | 27 Laps | 20 | ||
20 | シェイドレーシング GR86 GT | 平中 克幸/清水 英志郎 | 19 |
ドライバーズポイント(GT500)
順位 | No. | ドライバー名 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 3 | 千代 勝正/高星 明誠 | 26 |
2 | 14 | 大嶋 和也/山下 健太 | 26 |
3 | 100 | 山本 尚貴/牧野 任祐 | 20 |
7 | 36 | 坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ | 13.5 |
8 | 37 | サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋 | 11 |
9 | 39 | 関口 雄飛/中山 雄一 | 11 |
10 | 19 | 国本 雄資/阪口 晴南 | 10.5 |
12 | 38 | 立川 祐路/石浦 宏明 | 8 |
チームポイント(GT500)
順位 | No. | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 3 | NDDP RACING | 32.5 |
2 | 14 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE | 32.5 |
3 | 100 | TEAM KUNIMITSU | 27.5 |
7 | 36 | TGR TEAM au TOM’S | 21 |
8 | 37 | TGR TEAM KeePer TOM’S | 18.5 |
9 | 39 | TGR TEAM SARD | 18.5 |
10 | 19 | TGR TEAM WedsSport BANDOH | 15 |
13 | 38 | TGR TEAM ZENT CERUMO | 12.5 |
- PREV
- BACK TO LIST
- NEXT
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://toyotagazooracing.com/jp/supergt/release/2022/rd03-race/
コメント
コメントの使い方