乗りやすさとスポーツ性のグッドバランス。誰もが楽しめるYZF-R25の軽快な走り!

乗りやすさとスポーツ性のグッドバランス。誰もが楽しめるYZF-R25の軽快な走り!

 ヤマハYZF-R25は、2014年末に国内モデルとして初登場。高次元な走行性能とスタイルを具現化し、「毎日乗れるスーパーバイク」として開発された。その後はカラーチェンジを行ないながら、2019年にマイナーチェンジ。2022年には排ガス規制に対応し、10年を越えるロングセラーモデルとして人気を博している。

文/小川浩康 写真/コイズミユウコ

 

扱いやすさは変わらずスポーツ性が高められた

 新設計の直列2気筒DOHC4バルブエンジンを新設計ダイヤモンドフレームに搭載し、MotoGPレーサー「YZR-M1」をイメージしてデザインされたスタイルで、2014年に発売されたヤマハYZF-R25。φ41mm正立フォーク、左右非対称スイングアームなどを装備し、250ccらしい扱いやすさとスポーティな走りが調和したモデルとして、大人気となった。

 その後はカラーリング変更が行なわれていたが、2019年にマイナーチェンジ。フロントカウルは空気抵抗を軽減するデザインに変更され、センターダクトとLED二眼ヘッドランプを採用。ハンドル位置を22mm、タンクトップ位置を20mm下げ、前傾姿勢が取りやすくなった。フロントサスはφ37mm倒立フォークに変更し、減衰力とバネレートも最適化。前輪の接地感をさらに分かりやすくすることで、スポーツ性が向上した。

 2022年には、エンジン性能を維持しながら、平成32年排出ガス規制に適合。前後ウインカーをバルブからLEDへと変更。扱いやすさとスポーツ性のバランスがよく、ビギナーからベテランまで、さまざまなシーンで軽快な走りを楽しめるモデルとなっている。

 

M字型のセンターダクトは走行風をラジエターに送り込み、冷却性を向上する。サイドカウルのウイングはダウンフォースを生じ、車体を安定させる。画像のディープパープリッシュブルーメタリックCとブラックメタリック12、ダークブルーイッシュパープルメタリック3の全3色をラインナップ。

 

ヘッドランプはLED二眼。ウインカーはコンパクトなLED。ハザードも装備する。

 

テール/ストップランプのLEDは、Rシリーズ共通のバーチカルレイアウト。

 

バーグラフタイプのタコメーター、シフトポジション、速度、水温、燃料、時計、オド/トリップを表示するフル液晶メーター。メーター横には警告灯などを配置。シンプルで視認性は良好。

 

YZR-M1をイメージした肉抜き加工が施されたハンドルクラウンはアルミ鋳造製。高剛性と軽量化を両立し、軽快なハンドリングに貢献。セパレートハンドルはハンドルクラウン下にセットされている。

 

シートは前後方向の長さに余裕があり、自由度の高いライディングポジションを実現。ツーリング時の疲労軽減も考慮された形状となっている。

 

タンクトップを20mm下げつつ左右最大幅を31.4mm広げることで、従来同様の14Lの燃料タンク容量を確保。ニーグリップ部はスリム化し、マシンコントロールのしやすさは損なっていない。

 

 
 
 

YZF-R25の足着き性をチェック!

ライダーは身長172cm、シート高は780mm。前傾はそれほどキツくなく、上半身を伏せた姿勢も、起こしたリラックス姿勢もとりやすい。

 

シート前方がスリムで足を着きやすく、両足の足裏までベッタリ着ける。ハンドル幅も狭すぎないが、ポジションはややタイトに感じた。

 

ライダーの身長は156cm。カカトが浮いた状態となるが、「ハンドル位置が遠すぎず、前傾も緩めで足着き性は悪くないです」。

 

両足つま先立ちだが、「シート前方がスリムで、足を着きやすいです。車体がフラつく感じがないのが安心ですね」とのこと。

 

人車一体感があり、どこでも扱いやすい

 

乗ってみると、YZF-R25の車体は見た目以上にコンパクトに感じられる。

 

 セパレートハンドルはハンドルクラウンより下にセットされているが、上半身の前傾は厳しすぎず、自然とフロントに荷重できて好印象。前輪の接地感が分かりやすく、据え切りや取り回しではハンドル操作にしっとりした手応えを感じるが、車体の倒し込みは軽く行なえる。それがハンドリングの軽快さとして感じられるので、市街地の右左折といった低速域や、中高速域のワインディングでも、狙ったラインでスムーズなコーリングがしやすい。

 ハンドル幅は個人的には狭めで、シート高も低いので、またがってみると見た目よりも車体をコンパクトに感じる。実際、ライディングポジションもコンパクトに感じるが、それが人車一体となったように感じさせてくれる。車体も重くなく、重心位置も低く感じるので、低速走行や停止時にもフラフラしにくく、それでいてハンドリングは軽快なので、スムーズなマシンコントロールがしやすい。小柄なライダーやビギナーでも安心してライディングできる乗り味になっている。

 前後サスはストローク感があり、状態のいい舗装路では乗り心地はスムーズ。荒れた路面では身体に衝撃が伝わる瞬間もあったが、底突きはせずに踏ん張ってくれる。リヤサスは倒立化されたフロントサスとのバランスもよく、後輪の接地感を伝えてくれる。加速時やコーナー脱出時の後輪のグリップ感が分かりやすいから、スロットルコントロールもしやすい。

 前後ブレーキはタッチがよく、制動力も不満のないレベル。ABSの介入も遅めで、ブレーキのコントロールがしやすい。ライダーの操作や動作に対する車体の反応が鈍かったり過敏になったりしないので、扱いやすさになっていると思った。

圧側・伸側の減衰力調整が可能な倒立フォーク。アンダーブラケットはスチール鍛造製で剛性アップに貢献している。

 

リヤサスはモノクロスサス。初期の衝撃吸収性とフルストローク時の減衰特性を最適化し、乗り心地のよさを実現。

 

フロントブレーキは、フローティングディスクに2ポットキャリパーをセットしている。

 

リヤブレーキはシングルポット。前後タイヤはIRC製RX-01が装着されている。

 

幅広く楽しめるポテンシャルの高さは未だトップレベル

 最高出力35PS/12000rpm、最大トルク2.3N・m/10000rpmと、YZF-R25は高回転型エンジンとなっている。しかし、2000rpmくらいからトルクが立ち上がってきて、3000rpmからは太いトルクが発生し、車体をしっかりと加速させていく。アイドリングは1200~1300rpmで、試しにアイドリングで2速発進してみたが、エンストせずに済むほど低回転のトルクが粘る。

 市街地では10000rpmまで使用する機会はほぼなかったが、4000~6000rpmをキープしていればツインエンジンらしい鼓動感を伴ないつつスルスルと加速していき、ストレスなく交通の流れをリードできる加速力も発揮する。アイドリングから高回転までスムーズで、トルクの太さもあり、乗るほどにエンジン特性の扱いやすさを体感できる。

 スクリーンとカウルは防風効果を発揮し、自由度の高いライディングポジションはリラックスした姿勢も取りやすく、YZF-R25は高速走行でのライダーの疲労を低減してくれる。250ccなので圧倒されるような加速力はないけれど、100km/h巡航ではエンジンに余力があり、高速道路を使った長距離移動もこなせる。

 エンジン特性を変更する機能やトラクションコントロールといった電子制御システムは装備していないが、扱いやすいトルクとパワー、取りまわしやすい車体サイズと車体の軽さは、小柄なライダーやビギナーには安心材料となるだろう。一方で、エンジン特性を変更しなくても、市街地、峠、高速道路とさまざまな状況でスムーズな走りを楽しめるのは、扱いやすさい特性だけでなく、ライダーのスロットル操作にダイレクトに反応するスポーティな特性も併せ持っているからだ。この扱いやすさとスポーツ性のバランスが絶妙なので、YZF-R25は街乗りからツーリングまでライダーの好みのスタイルでライディングを楽しめ、サーキット走行まで幅広く楽しめるマシンとなっている。海外では新型YZF-R25が発表されたので、国内モデルも遠くない時期にモデルチェンジが行なわれるだろう。現行YZF-R25のオールマイティな乗りやすさ、熟成された完成度の高さ、スタイリングに興味を持っていて新車購入を考えているなら、早めに決断したほうがいいかもしれない。

 ヤマハのWEBサイトでは、YZF-R25の国内発売10周年を記念して「#R25のここが好き」というキャンペーンが行なわれていた。YZF-R25のお気に入りポイントやツーリング先での思い出の写真を、X(旧Twitter)に投稿した人の中から抽選でプレゼントが当たるというものだ。

 現在キャンペーンは終了しているが、X(旧Twitter)で「#R25のここが好き」と検索すると、ユーザーが投稿した写真やコメントなどが閲覧できるので、購入検討者は参考にしてみるといいだろう。

 

走行風を後方に逃がすカウルは、空気抵抗を低減して効果的にエンジンを冷却する。サイドカウル後方のウイングはダウンフォースを発生し、車体を安定させる。扱いやすいエンジンは操る楽しさもあり、実用一点張りではないスポーティさも兼ね備えている。

 

【2023年型ヤマハYZF-R25主要諸元】

・全長×全幅×全高:2090×730×1140mm
・ホイールベース:1380mm
・車重:169kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒249cc
・最高出力:26kW(35PS)/12000rpm
・最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10000rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-17、R=140/70-17
・価格:69万800円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/430740/

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