新車で買えなくなる? タクトやジョグ、スーパーカブ50など昭和生まれの50ccご長寿バイク

 お次は、配達業など商用モデルとして長年活躍し、昭和の時代から今でも続くモデルたちを紹介。まずは、原付三輪スクーターの「ジャイロX」です。

 

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2017年に登場した現行のジャイロX

 

 初代モデルは1982年に登場。当時のホンダは、前1輪+後2輪のスリーホイールを備えた50ccバイクを、新感覚な乗り物「スリーター」としてリリース。1981年に発売した乗用車的イメージの「ストリーム」に続き、スリーター第2弾として発売したのがジャイロXでした。

 

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ストリーム(1981年)

 

 初代ジャイロXの主な特徴は、最高出力5PSを発揮する49cc・2サイクル単気筒エンジンを搭載し、コーナーリング時にフロントボディが左右にスイングするナイトハルト機構を採用。3輪の安定性とバイクの持つ軽快な操縦性を兼ね備えたことが魅力でした。

 

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初代ジャイロX(1982年)

 

 また、ノンスリップデフ機構、ワイルドパターンの低圧ワイドタイヤなどの装備により、不整地や雪道、坂道などでの優れた走破性も実現。アウトドアをイメージさせるタフな外観や、フロントデッキとリア大型キャリアなどによる高い積載性や実用性も実現しました。

 

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初代ジャイロXにはノンスリップデフなども採用

 

 ちなみに、1990年には、ルーフやワイパー付きウインドスクリーン(風防)を備えた屋根付き3輪バイクの兄弟車「ジャイロキャノピー」も登場。宅配などの配送業などに便利な高い実用性を備えることで、ジャイロXと共にビジネス向け3輪バイクのスタンダードモデルとして定着しました。

 

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初代ジャイロキャノピー(1990年)

 

 現行のジャイロXは、2008年に登場。兄弟車のジャイロキャノピーと共にエンジンを刷新し、従来の2ストロークエンジンから49cc・水冷4ストローク・OHC・単気筒エンジンに変更。従来モデルに比べ燃費を約30%向上させるなど環境性能をアップしつつ、滑らかな出力特性も両立したことが特徴です。

 

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現行ジャイロXのベーシックタイプ

 

 また、新設計のアルミ製ホイールとチューブレスタイヤを前・後輪に採用したほか、後輪のサイズを6インチから8インチに大径化。後輪のトレッド拡大などと相まって、走行安定性の向上も図っています。

 その後も、ジャイロXとジャイロキャノピーは、2017年にエンジンを平成28年排出ガス規制に適合させるなどの変更を受けており、環境性能を進化させました。ただし、それでも、2025年11月の新しい排気ガス規制に適合できるのかは不明で、2025年3月14日現在でとくにアナウンスはありませんが、生産終了の可能性も十分に考えられます。

 ただし、これら2モデルについては、2021年に電動バイク「ジャイロe:」「ジャイロキャノピーe:」が出ており、これらは新排気ガス規制の影響がないことが予想できる。昭和生まれのスリーターモデルは、電動ユニット化により、今後もその伝統を受け継いでいくこととなるでしょう。

 

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ジャイロe:

 

 

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ジャイロキャノピーe:

 

 なお、現行のジャイロX(50ccエンジン車)の価格(税込み)は、ウインドシールドとリアキャリアなしのベーシックタイプが40万4800円、ウインドシールドと車体の前後にキャリアを装着したスタンダードタイプで42万6800円。また、現行のジャイロキャノピーの価格(税込み)は57万900円です。

 

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現行ジャイロキャノピー

 

ホンダ・スーパーカブ50(初代1958年)

 ラストはホンダの「スーパーカブ50」。今回紹介する50ccバイク中で、2025年3月14日現在、すでに生産終了がアナウンスされているモデルです。

 ホンダの「スーパーカブ」シリーズといえば、1958年に登場した初代モデル「スーパーカブC100(排気量は50cc)」以来、世界的に大きな支持を受けているビジネスバイクですよね。取得が楽な原付免許で乗れる50ccクラスのなかでも、とくに、配達業などの商用から日常の足まで、手軽な移動手段として長年支持をうけてきたバイクだといえます。

 

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スーパーカブ50・ファイナルエディション

 

 

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スーパーカブC100(1958年)

 

 特に、現行モデルでは、兄弟車の110ccモデル「スーパーカブ110」と同様、レッグシールドや丸目ヘッドライトなど、往年のカブを彷彿とさせるスタイルを採用。各部に配したクロームメッキのパーツなどで上品な印象とした外観や、クラッチ操作不要の4速リターン式シフトによる軽快な走りも自慢です。

 そんなスーパーカブ50に関し、ホンダは2024年11月に生産終了することを発表しており、その最終仕様となる「スーパーカブ50・ファイナルエディション」を受注期間限定で2024年12月12日(木)に発売しました。

 

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スーパーカブ50・ファイナルエディション

 

 主な特徴は、往年のスーパーカブをイメージした「ボニーブルー」のカラーリングや、エンブレム類などに専用デザインを設定。また、メーターリムとマフラーカバーをメッキ仕様としたほか、シート前部と後部をグレーとしたツートーンのシートを採用するなどで、特別感を演出しています。

 ホンダは、同時に、スーパーカブ50をベースに、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」の50周年を記念した「スーパーカブ50・HELLO KITTY」も発表。こちらは、スーパーカブ110をベースとした「スーパーカブ110・HELLO KITTY」も設定しますが、いずれにしろ、これで最後となるスーパーカブ50に2タイプの特別仕様車をリリースしました。

 

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スーパーカブ50・HELLO KITTY

 

 なお、これら2タイプは、受注期間限定での販売ですが、受注期間は2024年11月8日(金)から2024年11月24日(日)までだったので、すでに終了しています。

 価格(税込み)は、スーパーカブ50・ファイナルエディションが29万7000円(通常仕様車の4万9500円アップ)。スーパーカブ50・HELLO KITTYは33万円(通常仕様車の8万2500円アップ)。

 いずれも価格(税込み)24万7500円の通常仕様車より高いのですが、新車で買える最後のスーパーカブ50だけに、購入できる人はかなりラッキーでしょうね。実際に、Webikeプラス編集部が入手した情報によれば、2タイプの合計受注数は目標を遙かに超える1万6800台に上るようですから、かなり大きな反響だったことがうかがえます。

 ちなみに、兄弟車の110ccモデル「スーパーカブ110」(税込み価格30万2500円)や125ccの「スーパーカブC125」(税込み価格45万1000円)などは継続販売。スタイルはスーパーカブ50とほぼ同様で、排気量をアップした原付二種モデルの存在により、「スーパーカブ伝説」はまだまだ続くことになりそうです。

 

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スーパーカブ110

 

 

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スーパーカブC125

 

昭和から続くモデルたちの今後は?

 ここに挙げたモデルでは、スーパーカブ50のほかは2025年3月14日現在、まだ生産に関するアナウンスはありません。でも、先に述べたように、2025年11月から施行される新排気ガス規制の影響を何らかの形で受けるのは間違いないでしょう。

 昔からバイク初心者のエントリーモデルとしてはもちろん、通勤・通学、商用などの用途で、街中での気軽な移動手段として活躍してきた50ccの原付一種バイク。とくに、ここで紹介した元祖が昭和生まれのバイクたちは、長い歴史を持つモデルばかり。ぜひ、何らかの形で存続させてもらいたいものですね。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/447605/

新車で買えなくなる? タクトやジョグ、スーパーカブ50など昭和生まれの50ccご長寿バイク【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=447605&slide=1

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