大人気のスズキGSX-8系の新たなバリエーションモデル・GSX-8T/8TT。丸目ライトのクラシカル感と現代的なモダンさを併せ持つネイキッドモデルが、GSX-R1000Rの大復活で沸き立つ鈴鹿8耐のスズキブースに見参! さっそくライポジや足着き性を確かめてきたぞ。
文/松田 大樹
8Tと8TTで意外なほど雰囲気が違う
今回の車両は欧州仕様で、8耐の約1週間前にスズキ浜松工場をラインオフしたホヤホヤのマシンをそのまま鈴鹿に持ち込んだそう。日本初登場…!と煽りたくなるが、あくまでも欧州仕様を参考展示したというのがスズキのスタンス。今後登場と目される日本仕様とは仕様が異なる可能性をご承知おきいただきたい。
まずは実車の印象。8Tはヘッドライトの丸いモダンネイキッドといったまとまりで、ネオクラ的な雰囲気は正直あまり強くない。テールが短く、タンクやシュラウドなどボリューム感のあるパーツをエンジン周辺に置き、マスをギュッと集中させたフォルムはやはりモダン。艶消しのグリーンという撮影車のカラーもイマ風だ。
ところが8TTになると、ビキニカウルやアンダーカウルでマスの集中感が薄れるからだろうか。ちょっとクラシックな雰囲気が漂い出すのが面白い。ビキニカウルも明らかに往年のGS1000S、通称クーリーレプリカを意識していて、白×青のスズキカラーに塗れば速攻でオジサンキラーになりそう。少ない変更で大きくキャラクターを変化させた好例だろう。
ちなみにベース車にはGSX-8Sをほぼそのまま使っていて、エンジンやフレームはもちろん、前後のKYB製サスペンション(GSX-8Rはショーワ製)のセッティングまで共通。ただし容量が2.5L増えた燃料タンクによってライダーはやや後方に座り、絞りの少ないバーハンドルで上体も前傾するため、ライポジの違いで両車には少なくないハンドリングの違いが生じているらしい。関係者によれば「どっちもイイ!」とのこと。
当然ながら8Tと8TTでも仕様に差はなく、違うのは外装品のみ。ただし、シートは中のウレタンなどは共通なものの、厚みのあるタックロール表皮を用いたことで、8Tはシート高が5mm高くなっている。
ちなみに日本への導入は間違いないものの、現状では発表したのみ、これから欧州で発売というタイミングのため、導入時期の検討はまだこれからという段階らしい。予定が未定な状況で我々にお披露目してくれたことをまずは喜んでおこう。
[ライポジチェック]ほのかにカフェっぽい乗車姿勢
前置きが長くなったが、身長170cm・体重70kgの筆者によるライポジの印象を。シート高が800mmを超えることもあってか踵は浮くものの、ステップの前に足を降ろすと両足の母指球がしっかりと接地し、もうすこし余裕がある感じ。べったりとは着かないものの、車体を支えるには十分な足着き性だ。
ハンドルバーは絞りが緩めで一文字に近いもので、上体はわずかに前傾気味となる。記憶にあるGSX-8Sよりは若干肘を張るような印象で、ちょっとカフェレーサーを彷彿させるポジションだ。前述のとおり、8Sよりはライダーが後ろに座っていることもあるだろう。シートは表皮の差で8Tの方がわずかにフワッとしているが、足着き性には大差は感じなかった。なのでライポジの印象は2車に共通と考えて欲しい。
…そんなことをメモっていると、おっと、明後日(この撮影は7/31)の鈴鹿8耐に参戦する、チームスズキCNチャレンジチームの佐原伸一プロジェクトリーダーじゃありませんか。興味津々といった表情で8TTにまたがると「やっぱり、このくらいのサイズや排気量はいいですね。私、油冷エンジンのGSX1400を所有していて、走り出せば軽快なんですが、やはり取り回しが重くって」
写真、使ってもいいですかとお聞きすると、レース前にサボってるように見えちゃいますね、などと仰いつつ快諾してくれました。というわけで鈴菌のみなさま、GSX-8T/8TTは佐原さんのお墨付きですぞ!















コメント
コメントの使い方