【ドゥカティ・ムルティストラーダV2試乗】めちゃ軽快でスポーティ!サーキットも楽しく遊べる万能マシンだ

【ドゥカティ・ムルティストラーダV2試乗】めちゃ軽快でスポーティ!サーキットも楽しく遊べる万能マシンだ

 ドゥカティの人気アドベンチャーが、フルモデルチェンジで生まれ変わった。新型「ムルティストラーダV2」は、従来型からすべてを刷新した完全新設計マシン。歴代モデルを知り尽くすモーターサイクルジャーナリスト・ケニー佐川が、そのポテンシャルを全開レポートする。

 
文/ケニー佐川
 

18kgも軽くコンパクトになった新世代V2



昨年デビューした新型ムルティストラーダV4と共通イメージのデザインを採用。従来モデルよりスリムでシャープなイメージになった。フロントカウルやシート形状、フレーム(従来はスチールトレリスタイプ)も異なっている。

 新型「ムルティストラーダV2」は、2022年にムルティストラーダ950から名称を受け継いだ旧V2とはまったく別物。排気量も変更され、ゼロから設計されたニューモデルだ。心臓部は新型パニガーレV2譲りの水冷L型ツイン890cc。最高出力は115psを誇り、伸びやかな回転フィールと力強いトルクが魅力だ。

 シャシーは昨年先行デビューした新型V4と同じ思想で設計されたアルミ製モノコックフレームと両持ちスイングアームを採用し、従来比でマイナス18kgという大幅な軽量化と、より精悍なフォルムを実現している。さらに、5種類のライディングモードや6軸IMUによるコーナリングABS、トラクションコントロールなど、最新電子制御をフル装備。

 なお、今回試乗した「V2S」は電子制御セミアクティブサスペンションを搭載した上級グレードである。

 
 
 

跨った瞬間にわかる軽快感とフィット感



昨年イタリアで開催された新型「ムルティストラーダV4S」の国際メディア試乗会に参加。今年は「Ducati Day 2025」他、ドゥカティ関連イベントでも活躍中のケニー佐川氏。

 跨った瞬間からフィット感は抜群。新設計フレームとスリム化されたシートのおかげで足着き性は大幅に向上し、車格もひと回りコンパクトに感じられる。取り回しは驚くほど軽く、慣らしにスラロームしてみたが従来型V2より明らかに軽快だ。ハンドル切れ角の大きさと低回転から滑らかに湧き出すトルクで、Uターンも楽々こなす。

 舞台は袖ケ浦フォレストレースウェイ。ライディングモードを最もアグレッシブな「スポーツ」にセットし、走り出すと臆せずスロットルを開けていける“ちょうどいい”パワー感が心地いい。

 新型V2エンジンは、従来型から排気量を47cc減らしつつ高回転化でピークパワーを3ps上乗せした115psを発揮。さらに可変バルブシステムによる広いパワーバンドも相まって、最大トルクはわずかに減少したものの、軽量ボディとの相乗効果で日常域からスポーツ走行までストレスなく楽しめる。



「これってアドベンチャー!? ホントにフロント19インチ!?」とヘルメットの中で思わずつぶやきなくなるほど良く曲がる。下手なスポーツネイキッド顔負けの運動性能だ。

 
 

サーキットでもツーリングでも光る万能性能

 電制サスペンションも減衰が強めに効いてフルバンク時でもしっかり安定。さすがはセミアクティブ! 路面のバンプも素早く吸収し、接地感を失うことなく攻められるのは心強い。オン・オフ両用のピレリ「スコーピオン トレイル II」がサーキットレベルでも安心できるグリップ力を発揮してくれたのは良い意味で意外だった。

 旋回性も特筆もの。小さく軽いエンジンとモノコックフレームに加え、従来モデルより約20mm短いホイールベース&立ち気味のキャスター角が効いている。タイトコーナーでも遠心力を感じさせずに軽やかに向きを変え、思い通りにラインを描ける。

 新デザインのスクリーンも秀逸。V4同様、片手で簡単に調整できるタイプで防風効果も高く、上体を起こした姿勢でもほとんど風の抵抗を感じることなくストレートを全開走行できるほど。それでいてメーターを見ると、今回同時に試乗したパニガーレV2Sに迫るトップスピードに達している。ベタっと伏せて空気を切り裂くスーパースポーツとはまるで異なる発想が興味深い。よく動くしなやかなサスペンションとともに、本格的な高速クルーズでの快適な旅を約束してくれるはずだ。

 そして、軽量コンパクトな車体と扱いやすいエンジンや低いシートなどから想像するに、街乗りを含めた日常使いにもマッチしていると思うし、きっと林道ツーリングも快適で楽しいはず。幅広いライダーにお薦めできるトータルバランスに優れた万能マシンだ。

ディテール



 サーキットでも通用する走りのポテンシャルを秘めた新型ムルティストラーダV2Sだが、ストリートでの快適性や利便性を高める装備も大幅にアップグレードされている。進化したディテールをチェックしていこう。



新型の5インチTFTディスプレイを採用。画面表示は「ロード」「ロードプロ」「ラリー」の 3 種類のデザインから選択できる。クルーズコントロールも標準装備。



インナーカウルの左サイドポケットにUSB-Cタイプの電源ソケットを装備。スマホに給電しながら走行できる。



シートはフラットかつスリムな形状になり、より自由度が高く積極的に乗りこなすのに適したデザインに変更された。リアシートのスペースも若干広くなっている。



カウル形状も一新された。サイドカウル下側に設けられた、アップウォッシュと呼ばれるエアダクトから走行風をライダーの足元やヒザ部分に導くことで快適性を高めている。



コンパクトでモダンな印象を与えるLEDテールライト。最大限の視認性と安全性を確保する設計で、夜間や急ブレーキをかけた場合でも目立つデザインになっている。



可変吸気バルブタイミングを備えることで、幅広い回転域でハイパフォーマンスを発揮すると同時に排出ガス制御にも重要な役割を果たしている。ユーロ5+規制をクリア。



両持ち式スイングアームは大きくデザインを変更し軽量化。シフト機構には次世代クイックシフターとオートブリッパーを標準装備し、スムーズで素早いギアチェンジが可能に。

ムルティストラーダV2/V2 S主要諸元(2025)

・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒890cc
・最高出力:85kW(115.6PS)/10750rpm
・最大トルク:92.1N・m(9.4kgm)/8250rpm
・変速機:6段リターン
・ホイールベース:1572.5mm
・シート高:790-810mm(日本仕様はローシート+ローサスペンション装着)
      830-850mm(EU仕様)
・車両重量(燃料を除く):199kg/202kg
・燃料タンク容量:19L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-19、R=170/60-17
・価格:199万4000円/230万7000円(税込)

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/478744/

【ドゥカティ・ムルティストラーダV2試乗】めちゃ軽快でスポーティ!サーキットも楽しく遊べる万能マシンだ【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/478744/481268/

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