長年乗り続けてきた愛車のシートには、いわゆるヘタリが発生していることが多い。程度が良かった旧車用シートでも、乗り始めたら想像以上にヘタリが早く出始めてしまうことも多々ある。ここでは、愛車のシートスポンジが、ポロポロッと崩れて粉になり始めたときに、真っ先に実践しておきたい応急処置方法を解説しよう。
文/たぐちかつみ
スポンジカスまみれになる前に、早めに処置しよう

シートボトムが鉄板時代ならほぼ全てのモデルにあり、樹脂ボトムになってからでも、機種によっては存在するのが通気穴。この穴からクッション用スポンジが、ポロポロッと落ちてきたりしていませんか? そんな時にこそ行いたいのが応急処置なのだ。
通気穴周辺のスポンジを抑え込むスプレーケミカルとカットスポンジを使った「栓」
スポンジのカットに利用できる木工道具のホールソー
黒色のウレタンゴムスポンジも使い勝手良好
- ポイント1・早めの処置でスポンジアンコの崩れ落ちを防止できる
- ポイント2・ラバーゴムスプレーとスポンジ栓の押し込みが効果的
1970年代後半以前と1980年代以降に登場したモデルのシートを比較すると、クッションスポンジをセットするシートボトムの材質が「鉄板」と「樹脂」の2種類に分けることができる。樹脂ボトムになってからは通気穴が異なり、スポンジが露出する部分が少なくなっている。一方、鉄板ボトムが当たり前の旧車時代は、随所に丸いプレス抜き穴があり、これが通気穴となって内部のスポンジが吸った水分を吐き出すような役割も果たしている。
しかし、70年代前半以前のモデルの中には、この鉄板ボトムの「防錆処理」が悪く、スポンジが吸った水分が原因で鉄板内側からサビが発生し、気が付いたときにはサビに蝕まれて、鉄なのにヘナヘナの柔らかさになっていることもある。特に、コストダウンが命題だった当事の原付モデルや原付2種モデルの場合は、シートボトム裏側(スポンジアンコ側)のサビが酷く、シート交換を余儀なくされるケースが多いようだ。特に、少数派かつ不人気モデルの場合は、補修部品の調達がままならないのは当然で、仮に、中古部品を見つけたとしても、なかなか程度が良い部品を見つけることができない。
ここでは、インナースポンジがヘタッてしまったときの応急処置方法を提案しよう。ひとつは乾燥するとゴムの薄皮のようになるラバースプレーを吹き付ける方法だ。これはスポンジの崩れをラバースプレーの結合作用によって包み込んでしまうものである。そしてもうひとつは、フレッシュなスポンジをカットして通気穴から内部へ押し込み、劣化したスポンジが通気穴部分から露出しないように、内側から「フタ」をしてしまうような方法である。このスポンジを押し込む方法なら、機種によっては大量のスポンジを押し込むことができ、シートの部分ヘタリを「外部から対策できる」裏技もある。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/486603/
崩れたスポンジのカスがポロポロっと……そんなときは封じ込み修理【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/486603/486605/











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