【海外】ドゥカティ「モンスター」が第5世代へと進化!「V2」エンジンを新型モノコックシャーシに搭載

【海外】ドゥカティ「モンスター」が第5世代へと進化!「V2」エンジンを新型モノコックシャーシに搭載

 1992年のケルンモーターショーでデビューしたドゥカティモンスターは、ネイキッドスポーツバイクというコンセプトを創造し、全く新しいセグメントを誕生させた。30年以上にわたる進化の中で、モンスターはそのアイデンティティを失うことなく常に進化を続けてきた。そして、2026年モデルとして発表された第5世代モデルの「モンスター」は、「V2」エンジンを新設計のシャーシに搭載して登場した。

 
文/Webikeプラス編集部
 

「モンスター」の伝統を継承しつつ新しいデザインを纏う

 「モンスター」は、空冷2バルブエンジンからデスモクワトロやテスタストレッタまで幅広いエンジンを搭載し、世代ごとに技術革新とスタイル革新を積み重ねながらも、初代の魂を継承し続けてきた。そして、2026年モデルとして登場した第5世代「モンスター」は、ドゥカティの新機軸となる「V2」エンジンを搭載し、軽量化されたことで「ネイキッドスポーツバイク」として正常進化を遂げている。

 第5世代「モンスター」はエンジンから車体まで全てが一新されている。特徴的なデザインのフューエルタンクやヘッドライト、ワンピースのシートやショートテールなど、デザインは初代モンスターのスタイルを現代的に再解釈し、よりスリムでスポーティ、そしてよりコンパクトにまとめられた。



スタイリッシュなスポーツネイキッドモデルであるモンスターシリーズは、より幅広いユーザーにドゥカティを広げた立役者と言える。



第5世代の「モンスター」は、伝統のスタイルを現代的にアップデートしたデザインと、「V2」エンジンを融合させる。



ウインドシールドとパッセンジャーシートカバーを装備する「モンスター+」。基本的なスペックには差が無い。



モンスターのデザイン、それは力強さと速さを融合させた唯一無二と言えるものだ。

 バイクデザインにおいて真の顔となるヘッドライトはモダンなデザインのフルLEDタイプを採用。フロントエンドを短く、燃料タンクの肩の間に「凹んだ」ように配置するために、非常にコンパクトになっている。フューエルタンクは、モンスターの最も特徴的なデザイン要素であり、極めて現代的なビジュアルと、フロントのエアインテークなど過去の象徴的なモデルへのオマージュを融合させている。エアインテークは、タンク内の冷却とステアリングアングルの拡大という2つの機能を果たし、モンスターのフューエルタンクを特徴づける彫刻的で力強い外観を生み出している。

 サイドパネルのカバーは路面との接地性を高めるために幅を狭くデザインされ、ラジエーターからの熱気を外側に逃がすことで熱的快適性を向上させている。テクスチャ加工された表面はグリップ力を高め、ブレーキング時にライダーの体勢を維持することでスポーツライディング時の負担を軽減。カバー下部にはドゥカティのシールドがあしらわれ、テクニカルディテールを重要なスタイリング要素へと昇華させている。

 テールのデザインは、フューエルタンクとともにモンスターのデザインアイコンのひとつであるシートとトレリス構造のサブフレームが特徴的だ。シート高は815mmと従来モデルよりも低く設定され、ローシートとローダウンサスペンションを組み合わせることで775mmまで下げることができる。また、幅が狭くデザインされたシートが、足つき性の向上に寄与している。ハンドルバーはより高く前方に配置されたことで、スポーティなライディングにおけるコントロール感が向上するとともに、よりリラックスしたライディングポジションを実現している。



モンスターの名に恥じないマッシブでスポーティなデザインは、他のネイキッドモデルとは一線を画す。



右に出されたデュアルエキゾーストが力強さを感じさせるリアビュー。コンパクトにまとめられたテール周りもモンスターの伝統だ。



スリムなV2エンジンを搭載することで前後ビューをスタイリッシュにまとめれられ、リアの180サイズタイヤがその存在感を大きくする。



両サイドにDRLを配置したフルLEDヘッドライトは、スマートなデザインでモンスターのフロントフェイスを引き締める。



モンスターのデザインの中心となるフューエルタンクは、ボリューム感のあるデザイン。タンクの容量は14Lとなっている。



「MONSTER」のロゴが刻まれたエアインテークは、フューエルタンク周りのアクセントにもなっている。



スタイリッシュなデザインのワンピースシートは、815mm(※日本仕様は775mm)という低いシート高を生み出している。

 
 
 

ドゥカティの新世代エンジン「V2」を搭載

 搭載されるV2エンジンは、IVT(インテーク可変タイミングシステム)搭載により軽量(※前モデルのテスタストレッタ・エボルツィオーネより5.9kg軽量)かつ高性能を実現。さらに、バルブクリアランス点検のためのメンテナンス間隔は4万5000kmであり、非常に低いランニングコストも特徴となっている。先代までが搭載していたベルト駆動のデスモドロミックエンジンはドゥカティの象徴でもあったが、メンテナンス面でのコストはネックとなっていた。そのメンテナンスフィーの不安から解放されたV2エンジンの搭載は、より多くのドゥカティユーザーを産む起爆剤となるだろう。

 モンスターに搭載されるV2エンジンのスペックは、最高出力111PS/9000rpm(米国仕様では110.7PS)、最大トルク91.1N・m/7250rpm。IVTにより、低回転域での安定した回転数、力強い中回転域、そして高回転域でのパワーを両立し、4000~10000rpmで最大トルクの80%以上を発揮する。モンスター伝統のレスポンスに優れたパワーデリバリーと、包括的かつ洗練された電子制御システムにより、V2エンジンはライダーに過酷な負担をかけることなく、安全にパフォーマンスを発揮する。トランスミッションには新型パニガーレV4に搭載されたDQS(ドゥカティクイックシフト)2.0が採用され、クラッチ操作無しでの素早いシフトチェンジが可能となっている。



デスモドロミックではなく、スプリング式のバルブ駆動を採用した「V2」エンジンは、新しい時代のベーシックエンジンとなる。モンスターには111PS仕様で搭載される。



スポーティさを強調するデュアルタイプのエキゾーストシステム。オプションでテルミニョーニ社との共同開発による、チタンスリーブとカーボン製エンドキャップを備えた認証サイレンサーも用意される。

 
 

新しいモノコックフレームとスイングアームを採用と

 モンスターの車体はV2エンジンをシャーシの一部とするモノコックフレームを採用し、パニガーレV4から採用されたドゥカティ中空スイングアームにインスパイアされた両持ちスイングアーム、そしてスチールとGFRP(ガラス繊維強化ポリマー)の複合トレリス構造のリアサブフレームで構成される。このテクニカルデザインとエンジンの組み合わせにより、新型モンスターは従来モデルからさらに4kg軽量化され、燃料を除いた総重量は175kgとされた。

 前後のサスペンションはショーワ製で、フロントには43mm径の倒立フォーク、リアには車体の左側にモノショックがオフセット装着される。サスペンションは日常使いの快適性と、様々な路面状況でのスポーティさを両立させるよう特別にチューニングされており、ドゥカティネイキッドの二面性を体現しています。これによって新型モンスターは、俊敏な走りと走りの楽しさを維持しながら、より高い安定性を両立している。

 ブレーキシステムはブレンボ製で、フロントには320mm径のフロントデュアルディスク+M4.32ラジアルキャリパー、そして専用パッドを装着。さらに優れた制動力とクラス最高の制動力を兼ね備えたブレンボ製PR18/21ラジアルマスターシリンダーを採用し、ソフトな初期の効きと高い制動力を両立させるよう特別に開発されている。タイヤはフロント120/70、リア180/55サイズのディアブロ・ロッソIVで、このピレリのロードユース向け最高級タイヤは優れたグリップと安全性を提供する。これらの装備により、モンスターはスポーティなライディングにおいて安全で楽しいだけでなく、市街地走行でも優れた操縦性を発揮する。



フロントフォークはショーワ製の倒立タイプで、ブレーキはブレンボのM4.32ラジアルキャリパーが採用される。



フロントのブレーキマスターシリンダーには、ブレンボ製PR18/21ラジアルマスターシリンダーを採用する。



リアサスペンションはショーワ製のモノショックを採用し、車体の左側にオフセット装着されている。



スイングアームはパニガーレV4以降採用されている、大きく肉抜きされたデザインの両持ちタイプとなる。

より快適なライディングを実現する電子装備

 あらゆる状況でのライディングを簡素化し、向上させるために特別に設計された 4 つのライディングモードを備え、ボタンを操作するだけでモードを変更できる。スポーティなライダーは、「スポーツ」モードでのエンジンのパンチを堪能できると同時に、DTC(ドゥカティトラクションコントロール)、DWC(ドゥカティウィリーコントロール)、EBC(エンジンブレーキコントロール)、コーナリングABSを含む電子制御システムの安全性の恩恵を受ける。同時に、経験の浅いライダーや、モンスターで街乗りを楽しむライダーは、「ロード」と「アーバン」のライディングモードによって、思い通りのライディングが可能となる。さらに雨天時用の「ウエット」ライディングモードも用意され、レスポンスが特にスムーズになり、DTC、DWC、ABS、EBCエンジンブレーキシステムがより強力に介入し、最高出力が95PSに制限される。

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