なお、ホンダのCBR1000RR-Rは2024年型でユーロ5+に適合しており、当面は安泰のはず。何らかの事情で生産中止する可能性もあるが、法的には欧州で2025年以降も存続可能だ。
そしてスズキにも期待したい。GSX-R1000Rを2002年で生産終了し、いち早くリッターSSから撤退した。しかし「ユーロ5+に適合して再登場する」との噂もある。また、今年の鈴鹿8耐に「チームスズキCNチャレンジ」として、バイオ燃料などを用いたGSX-R1000Rで参戦を表明した。これがGSX-R1000R復活を睨んだシナリオと深読みすることも可能ではないだろうか?
ヤマハYZF-R7のワンメイクが開始され、スズキGSX-8Rもレースに参戦。YZF-R9も?
生産終了が相次ぐ1000cc級スーパースポーツ(SS)に対し、600~800cc級のアッパーミドルSSはラインナップもセールスも上向き。これらのレースも活発化してきた。
4気筒のリッターSSは200PS以上を発生し、価格は250万円以上。コスト面でも、ライダーのスキル面でもハードルが高い。一方、2気筒のアッパーミドルならハードルがグッと低くなる。
2024年からFIM女子世界選手権として、ヤマハYZF-R7のワンメイクレースがスタート。これはSBKとの併催で、18歳以上の女性ライダーのみが参加できる。初年度は6ラウンド12レースを開催する予定だ。
情報によると「ヤマハはYZF-R7やYZF-R9でレースをしたがっている」と言われている。YZF-R9は登場が噂されている新型SSで、MT-09系の並列3気筒をフルカウルボディに搭載すると予想されている。並列4気筒のYZF-R1に代わり、ヤマハはレースでもR9やR7をプッシュしていく方針なのかもしれない。
なお、AMAの後継組織であるモトアメリカが主催する米国選手権には、2気筒モデルで争うツインズカップクラスを開催中。新作のスズキGSX-8Rが参戦し、YZF-R7やRS660(アプリリア)らを抑えて優勝を果たしている。さらに米国でGSX-8Rのワンメイクレースも予定されているという。
[まとめ]モトGPも市販車レースも変革期へ
モトGPも変革期ならばSBKなどの市販レースも変化の時代を迎えつつある。技術の進歩によって、一流のエキスパートが参戦するレースでさえ性能を抑える時代になるのだろう。
そしてモトGPに象徴されるように、市販車ベースのレースでも1000ccクラスに代わって、アッパーミドルのクラスが今後隆盛していく可能性がある。バイオ燃料の採用を含め、これも内燃機関のレースが今後も存続するための手段なのかもしれない。
いずれによせレギュレーションが変更される2027年、どうなっているのか楽しみである。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
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