【試乗】スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

【試乗】スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

 「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに、「スーパースポーツと呼ぶにふさわしい高次元な走行性能とスタイルを具現化したモデル」として、2014年末に国内モデルとして発売されたヤマハYZF-R25。発売以来、毎年のようにカラーチェンジを行ないつつ、2019年にマイナーチェンジ。つねに高い人気を維持し、10年に渡るロングセラーモデルとなっている。

文/小川浩康 Webikeプラス

 
 

Rシリーズのデザインと走りを受け継いだマシン作り

 ヤマハスポーツモデルの代名詞「YZF-Rシリーズ」で得た走りのテクノロジーを基にしつつ、250ccクラスとしての扱いやすさを調和させたモデルとして、2014年12月に国内モデルとして発売されたYZF-R25。MotoGPマシン「YZR-M1」をイメージした車体デザイン、新設計の直列2気筒DOHC4バルブエンジン、新設計ダイヤモンドフレーム、φ41mm正立フロントフォーク、左右非対称スイングアームなど装備も充実していた。

 その後、カラーリング変更が行なわれていたが、2019年にマイナーチェンジ。フロントスクリーンとフロントカウルは空気抵抗を軽減する新デザインとなり、ヘッドランプはLED二眼を新採用。センターダクトが設けられ、よりYZR-M1イメージを強調したスタイルとなった。さらに、ハンドル位置を22mm、タンクトップ位置を20mm下げ、サーキットの直線などで前傾姿勢が取りやすく、コーナリング時にはニーグリップしやすくなっている。フロントサスも正立からφ37mm倒立タイプに変更し、減衰力とバネレートを最適化。前輪の接地感が分かりやすくなり、快適性とスポーツ性のバランスが向上。ビギナーからベテランまで、さまざまなシーンでスポーツライディングを楽しめるモデルとなっている。

 2022年には、エンジン性能を維持しながら、平成32年排出ガス規制に適合。前後ウインカーをバルブからLEDへと変更している。

 

スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

YZR-M1の特徴になっているM字型センターダクトを踏襲。ダクトは走行風をラジエターに送り込み、冷却性を向上している。画像のディープパープリッシュブルーメタリックCとブラックメタリック12、ダークブルーイッシュパープルメタリック3の全3色をラインナップ。

 

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ヘッドランプはLED二眼。ウインカーもLEDでコンパクト化している。ハザードも装備する。

 

スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

テール/ストップランプもLEDで、Rシリーズ共通のバーチカルレイアウト。被視認性も良好。

 

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バーグラフタイプのタコメーター、シフトポジション、速度、水温、燃料、時計、オド/トリップを表示するフル液晶メーター。メーター横にはシフトタイミングインジケーターも装備する。

 

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ハンドルクラウンはアルミ鋳造製。YZR-M1をイメージした肉抜き加工が施され、高剛性と軽量化を両立。軽快なハンドリングに貢献している。セパレートハンドルはハンドルクラウン下にマウント。

 

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前後方向に余裕があり、ライディングポジションの自由度が高いシート。ツーリング時の疲労軽減も考慮された形状となっている。

 

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タンクトップを20mm下げながら、左右最大幅を31.4mm広げることで、従来同様の14Lの燃料タンク容量を確保している。

 

 
 
 

YZF-R25の足着き性をチェック!

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ライダーは身長172cm、シート高は780mm。シート高が抑えられているので足着き性はかなり良好。前傾もそれほどキツくなく、上半身を伏せた姿勢もリラックス姿勢も無理なくとれる。

 

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シート前方がスリムになっていて足を着きやすく、両足の足裏をベッタリと着くことができる。ハンドル幅も狭すぎず、ポジションに窮屈さがないので、ツーリングでの快適性も高い。

 

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ライダーの身長は156cmで、カカトが少し浮いた状態となる。「前傾も緩めで、シート高も低く、足着き性に不安はないです。ハンドル位置が遠すぎず、楽なポジションが決まります」。

 

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両足を着こうとすると、両足つま先立ちとなる。「シート前方がスリムで、足を着きやすいですね。車体がフラつく感じがないので、つま先立ちでもバランスを崩す不安は少ないです」。

 

クセのない乗り味で、つねに操る楽しさを感じる

 

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操作に対する車体の反応を予測しやすく、乗りこなす楽しさを存分に味わえる。

 

 より厳格化された排ガス規制に適合するために、最新型のYZF-R25はキャタライザーや補器類が装備されたこともあり、最高出力は初期型の36PS/12000rpmから35PS/12000rpmへと1PS下がっている。しかし、最大トルクは2.3N・m/10000rpmと変わらず、アイドリング付近で2速発進しても、エンストしないような粘るトルクが発揮される。そこからスロットルを開けていくと、ツインエンジンらしい鼓動感を伴ないつつ、加速もスルスルと伸びていく。ビッグツインのような押し出されるトルク感はないけれど、250ccクラスらしい軽い車体の恩恵もあり、4000~6000rpmの常用域をキープしていても、交通の流れを余裕でリードできる加速力がある。

 セパレートハンドルはハンドルクラウンより下にセットされていて、前輪に荷重をかけられる前傾姿勢が自然と決まる。据え切りや取り回しなどでのハンドル操作では前輪にしっとりした手応えを感じるけれど、それは直進安定性の高さとしても感じられる。その一方で走行中の車体の倒し込みに重さはなく、コーナリングでは狙ったラインにスムーズに入っていける。

 前後ブレーキのタッチもよく、制動力も申し分ない。加速、制動、コーナリングでの操作性にクセがなく、ライダーの操作や動作に対する車体の挙動が予測しやすいので、マシンコントロールがしやすい乗り味になっている。

 

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カウルは走行風を後方に逃がして空気抵抗を低減しつつ、効果的にエンジンを冷却する。サイドカウル後方のウイングはダウンフォースに寄与する。

 

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フロントブレーキは2ポットキャリパーとフローティングディスクの組み合わせ。

 

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リヤブレーキはシングルポット。個人的にはリヤABSの介入が早めに感じられた。

 

幅広いライダー層が楽しめる完成度の高さ

 YZF-R25は前傾姿勢となるけれど、その前傾はそれほどキツくない。ハンドル幅は適度にワイドで、シートの前後長にも余裕があり、上体を起こしたリラックスした姿勢もとりやすい。スクリーンとカウルは防風効果を発揮し、250ccながら高速道路での快適性は高いので、ツーリングでの疲労も低減してくれる。

 前後サスは衝撃吸収性がよく、荒れた路面やギャップでも底突きせず、カドのない乗り心地を提供してくれる。とくにリヤサスは後輪が路面をグリップしている感じを伝えてくれるので、加速時やコーナー脱出時などのスロットルコントロールもしやすい。

 最高出力、最大トルクとも1万回転以上で発生する高回転型のエンジンとなっているが、各ギヤのつながりがよく、一般公道ではその回転域を多用することはなかった。高回転域はサーキットなどクローズドコースでの走行に対応しているのだろう。個人的には6速をもう少しハイギヤードにすれば、高速巡航時の燃費も伸びて、さらに扱いやすくなるだろうと思った。ともあれ、扱いやすいトルクとパワー、取り回しやすい車格と車体の軽さ、250ccクラスの経済性など、YZF-R25はスポーツ性と扱いやすさのバランスがよく、日本人ライダーにとってスタンダード的な完成度になっていると思った。

スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

減衰力とバネレートに専用セッティングを施し、高剛性と快適性を両立させた倒立フロントフォーク。アンダーブラケットは高剛性のスチール鍛造製を採用。

 

スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ

リヤは初期の衝撃吸収性とフルストローク時の最適な減衰特性を両立したモノクロスサスペンション。

 

【2023年型ヤマハYZF-R25主要諸元】

・全長×全幅×全高:2090×730×1140mm
・ホイールベース:1380mm
・車重:169kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒249cc
・最高出力:26kW(35PS)/12000rpm
・最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10000rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-17、R=140/70-17
・価格:69万800円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/391433/

【試乗】スポーツ性と扱いやすさの好バランス!YZF-R25は250スポーツのスタンダードモデルだ【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=391433

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