大盛況のうちに会期を終えたラリー北海道。どちらかといえば地味な国内ラリーながら、舞台となった帯広一帯は大賑わい。地域からも愛されるイベントだが、今年はトヨタが新たな仕組みを入れてきた。それが日豪ラリー界隈の「交流」だ。
文:国沢光宏/写真:国沢光宏、ベストカーWeb編集部
■復権してきたラリー人気を実感
トヨタの功績なんだろう。ここにきてラリー人気が少しずつ高まってきた。考えてみたら私ら若い頃は、ドレスアップといえばラリー車をお手本にしてた。ボンネットを黒く塗ったり、マッドフラップ付けたり補助灯付けたり。
自然災害の多い我が国の場合、車高落とすより少し上げるべきなのかもしれません。閑話休題。ラリー北海道が帯広駅前の目抜き通りからスタートした。 2005年に開催されたラリージャパンより小規模ながら、地元の人に聞いたら「久しぶりに賑やかで楽しいですね~」。
やっぱりラリーは地域興しに最高だと思う。さて。今回のイベント、新しい試みが導入された。日本とオーストリラリアでラリー文化の交流をしようというもの。先日オーストラリアで開催されたラリーに、トヨタの育成ドライバーである大竹選手が出場。
そして今回はオーストラリアのTOPドライバーを招聘し、日本で走って頂こうというもの。海外のラリーに参戦しようとしたら大変です。私のような三流ドライバーなら表彰台に立つことなんか狙わないため、貧弱な準備で海外に行ける。されどTOPドライバーになると勝たなかったら評価を下げてしまう。それなりの体制を組まなければならず、大がかりになり予算も嵩む。
という流れを断ち切りたいということがトヨタの狙い(モリゾウさんの発案だと思う)。お互いTOPクラスのドライバーを交換しましょうということになった。
【画像ギャラリー】ST185がカンクネンの激走で爆走だぜぇぇ!! 北海道ラリーの劇的シーンをご覧あれ(4枚)画像ギャラリー■日豪の交流で生まれる新たなトレンド
来日したのはヤリスのAP4(全日本ラリーで走っている車両よりパフォーマンスより少し速い)に乗っているベイツ選手。日本での知名度は”ほぼ”無し。加えてオーストラリアのラリーのレベルだって解らず。 多くのラリー関係者は「日本のドライバーは何度も走っているコースなのに対し、まったく経験なし。
「ペースノートだって正確さに欠けるでしょうね」ということから、オーストラリアのTOPドライバーであっても上位5台に入れば上々と言っていた。ナニを隠そう私も日本勢のラリー2勢(今回はベイツ選手もGRヤリスのラリー2))には届かないだろう、と思っていた次第。
するとどうよ! SS1から日本のエースである新井大輝選手を凌ぐベストタイムを叩き出す! ラリー関係者びっくり! SS2は日本人ドライバーが庭のようにしている陸別サーキットながら、ベストタイムを出した奴田原選手から0.8秒しか遅くない3番手!
このまま優勝争いかと思ったら、SS3あたりからポップオフバルブ(ブースト圧を制限するFIA指定パーツ)が怪しくなりパワーダウン。 土曜日終わって51.6秒差の2位。これだけリードを持つと日曜日は新井選手だって攻めない。ガチの勝負は土曜日の午前中で終わってしまったけれど、初めて走るコースで世界に誇る新井選手と真正面から戦える実力を持っていることに驚かされた。
オーストラリアとの交流戦、やることに大いなる意義があると考えます。欧州で修行しなくても、オーストラリアへの出稽古でいい。
【画像ギャラリー】ST185がカンクネンの激走で爆走だぜぇぇ!! 北海道ラリーの劇的シーンをご覧あれ(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方