静岡市内を走るしずてつジャストライン(静鉄バス)の2路線に、4月から静岡県内初の連節バスがデビューする。特に通勤通学時間帯に混雑する路線に投入することで、混雑緩和によるさらなる移動利便性の向上を目指す。
取材・執筆:交通ジャーナリスト 鈴木文彦
■静岡県初の連節バスは国産車
今回しずてつジャストラインが導入した連節バスは日野ブルーリボンハイブリッド連節バス。全長17.99m、全幅2.495m、全高3.26mで、エンジンは最大出力265kW、最大トルク1,569N・mのA09C型を搭載、大出力のハイブリッドモーターとの組み合わせで優れた環境性能と省燃費性能を実現、Pro Shift(7速AMT)を装備する。
ホイールベースは全車軸~中央車軸(前車体後輪)間が5.5m、中央車軸~後車軸間が6.35mであるが、後輪は中央輪の軌跡をトレースするので、最小回転半径は9.7m、直角旋回占有幅は7.0mで、単体の11mクラスとほとんど変わらない。
■シックで明るい車内とさわやかな外装
乗車定員は112人(座席37+立席74+運転席1)で、単体の在来車の約1.5倍の輸送力を誇る。座席はプロトタイプ車とほぼ同じ前扉~中扉間と後扉付近の12席が1人掛け、連節部の前と後扉より後部が2人掛け10席、最後部が3人掛けとなっている。
2人掛けのうち連節部直前の右側と最後部から3列目の左右計3席6人分が後ろ向きの座席となる。シート地はクリーム色に近い明るいブラウンで床面は木目調のフロアマットが敷かれ、高級感のある明るい室内空間になっている。ハイブリッドバッテリーで駆動する電動式パッケージクーラーにより、省エネで快適な居住性を実現する。
ボディカラーは近年リバイバルで静鉄バスの標準となったアイボリーにローズレッドが窓下の横帯と前後に縦に入るデザインをベースとし、高速バスや貸切バスのデザインに使用されるゴールドを側窓の周囲に配した独自のデザインを纏っている。屋根上のエコンとハイブリッド機構のカバーは黒に統一されている。
■利用の多い大学アクセス路線で真価を発揮
3月16日に静岡大学構内で、静岡市長、環境省水・大気環境局モビリティ環境対策課長らを来賓として招き、連節バス出発式が開催された。テープカットののち、来賓やメディアを対象として構内で試乗会が行われ、県内初の連節バスに関係者やメディアの歓声が上がった。
運行路線は2路線で、4月3日から日本平線東静岡駅南口~英和学院大学間で平日のみ往路8便・復路6便の計14便、4月6日から美和大谷線静岡駅前~静岡大学図書館前間で平日のみ6往復12便の運行が始まる。
静岡大学図書館前は連節バスのみの新設停留所で、これまでにも静岡大学構内には路線が乗り入れていたが、既存の終点よりさらに坂道を上がった連節バスが回転できる場所に新たに専用バス停として設けられた。
2路線とも学生利用が多く、従来から輸送力がひっ迫しつつあった路線。大学休校日は運休で、基本は駅と大学の間はノンストップの急行便だが、静岡駅前~静岡大学図書館前間の運行便のうち、朝の往路2便と夕方の復路1便は通勤利用者の多い三菱電機前にも停車する。もちろん一般路線なので学生以外でも通常の交通系ICカード、現金で利用できる。
なお、Jリーグの開催等で利用者が一時的に急増する日本平球技場線清水駅東口~日本平球技場(IAIスタジアム日本平)間にも特殊車両通行許可を得ており、試合開催日などに増便として連節バスの臨時運行がなされる予定だ。
乗務員不足が例にもれず厳しさを増す静岡でも、利用者が集中するところに限られた乗務員で多くの利用者を輸送できる連節バスが真価を発揮してくれることだろう。














