最近はSNSを見ると白バスの話題で持ちきりだ。大きな事件や事故が起こると一定の期間は仕方がないとはいえ、ほとんど何も知らない間に結論の出ない井戸端会議が繰り広げられている。主に緑ナンバーと二種免許についてだ。この2つは概念がまったく異なるものなので根本を整理しておきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージであり本文とは無関係です。)
■免許制度
運転免許制度は運転する人に与えられる許可証である。運転しても良い自動車や条件が決められている。まず多くの方がお持ちの第一種免許は第二種免許以外の免許である。自家用車や貨物車のような四輪車(大型・中型・準中型・普通の各自動車)、けん引車、大型特殊自動車、自動二輪車、原動機付自転車、小型特殊自動車を運転する際に必要ないわば基本的な免許である。
第二種免許は第一種免許のうち、大型、中型、普通、けん引、大型特殊自動車について、旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合に必要な免許である。これら免許を規定するのは道路交通法である。しかし旅客自動車を定義するのは道路運送法という別の法律で、それによれば旅客自動車とは一般乗合、一般貸切、一般乗用、特定旅客の各自動車運送事業により登録された自動車により運行される自動車のことを指す。
旅客自動車とは平たく言うとタクシーやバスのことであり大きさは関係ない。そして二種免許でしか運転できないのは「旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合」であって、旅客運送のためでない検査や修理のための回送であればたとえバス会社の大型バスであっても二種免許は必要ない(この例の場合は第一種大型免許)があれば足りる。
■緑ナンバー
同じテーブル上でよく議論されている緑ナンバーについてだが、こちらは人ではなく車両にかかる登録のことを指し運転者の免許とは直接は無関係である。旅客自動車は道路運送法において、一般乗合、一般貸切、一般乗用、特定旅客の各自動車運送事業により登録された自動車により運行される自動車と書いたが、これらの旅客運送事業を営むには国土交通大臣の許可が必要で、そう簡単には生業として旅客運送事業はできないのである。
そしてこれは貨物輸送の場合も同じであり、貨物運送事業を営む場合には国土交通大臣の許可を得て事業を開始する。ここで大切なのは、旅客であろうと貨物であろうと運送の対価として運賃を受け取るということである。運賃とは運送契約に基づいて授受される対価のことである。
そして、件の緑ナンバーは「事業用ナンバー」といい、前述の旅客運送事業や貨物運送事業等の許可を得た事業所(法人か個人は問わない)において、その用に供するための自動車を登録すれば交付されるナンバープレートである。大手のバス事業者でもっぱら教習車や訓練車にしか使用しない専用のバスを見かけることがあるが、たいていは白ナンバー、つまり自家用ナンバーである。タクシー事業者の教習専用車も同様であることが多い。
これは運転者の免許には関係なく、訓練専用車に旅客を乗せて運賃をもらうことはあり得ないので自家用登録されているのである。現役を引退したバスが教習車に格下げ使用されるときに、事業用としての登録を抹消して自家用として登録し直す場合もある。

